永遠の都、ローマの食文化の話はおもしろくて、深堀りすると果てしなく続いていきそうでした。なのでローマの話は今回はここまで。
次はミラノです。
『クチーナ・イタリアーナ』誌のミラノ特集は、(CIR4月号)の“眠らない街、ミラノ”の記事から始まり、ラストを締めくくる今月の記事は、“ミラノのマンゾーニ”というテーマです。
マンゾーニ
マンゾーニはミラノの下級貴族の生まれ。イタリア近代文学を代表する作家です。代表作は『いいなずけ』。イタリア料理の話でも度々登場するので、読んでみようかなあ、と思ったこともあるけど、結局未読です。
マンゾーニは、グルメだったことでも知られています。もちろん調理は料理人がしましたが。母親のジュリア・ベッカーリアは、大勢いた娘たちに地元の伝統料理を伝え、それを娘たちが各家庭に伝えました。さらに彼が残した数多くの書簡からは、彼が栽培業者や農民の精神を持つ人であることが明らかになっています。外国に苗を注文してニセアカシアのような新しい品種の作物を育てたり、当時まだロンバルディアでは知られていない白いアジサイが大好きだったそうです。
ミラノのマンゾーニの家。
彼の家には多くの著名人が訪れ、ミラノの伝統的美食文化に基づいた季節の料理を味わい、各自がその様子を書き記しているので、マンゾーニ家の料理は、後世にかなり伝わっています。
ロンバルディアの特産物に満ちたその料理は、今日なら地産地消と呼ばれる料理。
もう一つ、マンゾーニは歩くのが好きで、1日に最低15㎞は歩き、軽くお腹を空かせていた。年齢の割にはスタイルもよかったようです。健康の秘密は、上質の食べ物を優秀な料理人が調理し、適度な量を食べ、余分なカロリーは燃やして消化する、というもの。
ミラノ料理は当時の中産階級の象徴でした。
キーワードは、中産階級。いわゆるブルジョワジー。
それまでのイタリア料理に登場するのは貴族と農民。その中間が、都市の裕福な市民階級。
彼らはその後の市民革命の主勢力となり、新しい時代を切り開いていく原動力になります。
ミラノはその中心にある街で、マンゾーニはその象徴でした。
(CIR)の記事では、マンゾーニの時代の料理を紹介しています。日本語訳はP.38~。
貴族の料理とも、農民の料理とも違うそれらの料理は、イタリア料理の大きな変化を感じさせます。
詳しくは次回。
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