2024年9月14日土曜日

イタリアの南vs北問題は、今や若者vsおばあちゃん問題になってイタリア人の笑いのツボのドストライク。楽しい国~。

スパゲッティ・ボロニェーゼは実は、地方の集合体である豊かなイタリア料理の特徴と、南北の分断という実情を如実に反映した料理でした。北のソースを南のパスタにかけるのは、外国人には全然わかりませんが、イタリア人にとってはかなり不自然で邪道な行為。
イタリア人にとっても、南北の違いは面白いテーマのようで、いろんな動画が上がっています。

ナポリの人は北のことをどう思う?

ピッツァの食べ方で喧嘩にもジョークにもなる。楽しい国。

今時の女の子も、北vs南の話になるとめちゃ笑える。

おばあちゃんの南vs北www。
暑い日が続いてふらふらの孫がおばあちゃんに、今日のごはん何?ときくと、ポレンタだよ~と教えてくれます。それを聞いた孫は、ポレンタってなんだよ!ここじゃポレンタしか食べられないのかよ!、とかなりイライラぎみ。するとおばあちゃんは、どや顔で、ポレンタだけじゃないよ、ゴルゴンゾーラもあるよ、と教えてくれます。そして孫の悲鳴~。イタリア人、南vs北の話、大好きですよ。 

今や南vs北問題は、若者vsおばあちゃんに姿を変えていました。最終的にはおばあちゃんがすべて持ってく。すんごく納得。
イタリアは分断もされたけど、結果的には統一されます。
南と北は手を取り合い、イタリアが誕生します。ただし、ぎりぎりまで北と南は対立していました。


今やおばあちゃんに対抗できるのは外国人だけ・・・。

イタリアのコメディーがおもしろすぎて、横道に逸れちゃった。


=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================


2024年9月13日金曜日

ボローニャには存在しないスパゲッティ・ボロニェーゼ。今やイタリア料理の象徴になったこの料理は、実はトリノで生まれた。

ちょっとマイナーな料理が続いたので、次は、イタリアを象徴する料理の話です。
スパゲッティ・アッラ・ボロニェーゼ。こう聞いて、ん?と思うのがイタリア人ですが、どこが問題なのか、全然分からな~い、というのが外国人。だもんで、外国人をからかう時の代表的料理になっています。スパゲッティ・アッラ・ボロニェーゼという名前は、度々取り上げてきました。スパゲッティ・アッラ・ボロニェーゼは、ボローニャ風スパゲッティという意味。アッラ・ボロニェーゼと言われればミートソースだと外国人は思います。でも、ミートソースは英語。イタリア語で言うならミートソースはラグーRagùです。ちなみにragoûtはフランス語。

フランスの伝統的なラグー。

そしてイタリア語のラグーはスパゲッティではなく、タリアテッレにかけるソースです。

例のめんどくさいイタリア人のこだわり発動か、なんて思いますが、スパゲッティとボローニャをごちゃ混ぜにしてしまう行為は、ボローニャ人にとっては大きな冒涜。彼らにとってはスパゲッティ・ボロニェーゼは存在しないのです。

地方料理の純粋性にとてもこだわるイタリア人が、スパゲッティ・ボロニェーゼが世界中に拡散しているのを黙って見ているのは、かなり意外なこと。ナポリ人がナポリのピッツァを広めるのに費やしている努力と比べると、もう好きにしてくれ、と言っていると思うくらい、寛大です。

下の動画は、ボローニャ市長がスパゲッティ・ボロニェーゼは存在しない、と訴える動画。
スパゲッティもボローニャも確かに存在しています。up主はいったいなぜ、と思って調べてみたんだそうです。
その結果分かったのは、硬質小麦が育たない北部では、セモリナ粉から造るスパゲッティは作れないので軟質小麦粉から造るタリアテッレにかけるべき、つまり、北イタリアのソースラグーを南イタリアのパスタ、スパゲッティにかけるのが問題ということです。


まあね正直言って、みんなここまではたどり着くんですよ。でも、その先がうやむや。結局謎のまま放棄しちゃう
ところが、『クチーナ・イタリアーナ』誌は違っていました。今月の(CIRP.38)に詳しく載せましたが、この料理の疑問を、ジャーナリストらしく、歴史的に解明することを試みたのです。
多分、ミートソースのスパゲッティを作っている人も全然知らないと思われることでした。

マルケの硬質小麦

硬質小麦と軟質小麦の違い

小麦の栽培

パスタの話をする時、小麦の話を避けては通れません。そしてこの話になると、南イタリアと北イタリアは別々に考える必要があります。気温が違うだけではありません。歴史的にも、イタリアの北と南は、別々の文化や歴史がありました。

北と南の分断を解説する動画。すごく興味深い動画でした。

そうなんです。スパゲッティ・ボロニェーゼ問題は、この南北の分断を理解すると、より明確になります。

イタリアの州を27分で解説する動画。

イタリアの多様性、なんとなく分かりましたか。次はイタリア統一にについてです。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================


2024年9月12日木曜日

ポントレモリ(トスカーナ)のテスタローリが名物の店。

(CIR5月号P.23-テスタローリ)の記事には、テスタローリの本場、ルニジャーナ地方のお薦めレストランのリストがありました。

まずは記事にリチェッタを提供した店、アンティカ・トラットリア・ペッリッチャ。Antica trattoria pelliccia。テスタローリと言えばこの店とも言える有名店のよう。

次はイル・メチェナンテil mecenante。ルッカの店ですが、テスタローリはスペチャリタの一つ。こちらもなかなかの有名店のよう。

動画がない店もありましたが、詳細はP.24をご覧ください。
=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================


2024年9月11日水曜日

ルニジャーナ地方も、その名物料理のテスタローリも超個性的。

昨日の料理はパンのニョッキこと“カプンセイ”でした。あまり聞いたことがない料理でしたが、イタリアのプリーモ・ピアットのバリエーションの豊富さを感じます。
今日の料理は“テスタローリ”(CIR5月号P.23)です。カプンセイよりは聞いたとあるけど、見たことはないなあ。
トスカーナの料理で、ルニジャーナ地方の料理です。ポントレモリのトラットリアの定番料理とのことですが、ルニジャーナもポントレモリも、今一ピンとこない。でもどちらもテスタローリも一度見ると強烈な印象。

ルニジャーナlunigianaは、アペニン山脈のトスコ・エミリア―ノとリグーリアに挟まれた狭い飛び地で、自然と歴史に満ちた超個性的な地方。


ポントレモリPontremoliはマッサカッラーラ県の小さな街。この街が初めて歴史に登場したのは990年頃。

テスタローリを紹介しがてらポントレモリの市長が街の名物料理を紹介する動画。

穴が一杯空いた小麦粉と水の生地。小麦粉の可能性は、無限大ですね。見るからに素朴な生地ですが、これは古代ローマ時代から続く、イタリアで最も古いパスタと言われる歴史の古い食べ物。このパスタのポイントは、生地を焼く道具“テスト”。下段(sotan)と上段(sovran)で名前が違う道具です。生地を上下から熱することによって水分を短時間で蒸発させます。

ペーストのテスタローリ、焼いた後にゆでてからペーストで和えます。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================


2024年9月10日火曜日

カネデルリがルーツのマントヴァのパンのニョッキ、カプンセイ。

今日の料理は“カプンセイcapunsei”です。

あまり聞かない料理ですねー。

マントヴァ料理です。
そもそもマントヴァはロンバルディアの街。
そしてマントヴァと言えば、ゴンザーガ家の街です。


上の動画でも分かる通り、分類的にはニョッキはですが、やたら茶色いニョッキ。ベースは小麦粉ではなく、パンです。つまり、残り物を有効利用した料理。その昔、チロル地方など北からマントヴァに移民してきた人たちが伝えた料理で、ベースのパンは、北ヨーロッパの乾いたパンで、ルーツはカネデルリ。カネデルリもカプンセイもパンのニョッキですが、形は全然違います。

チロル地方

カネデルリはチロルを代表する料理、パンのニョッキ


同じような材料から造る、見た目が全く違う料理。

マントヴァのカプンセイは、“小さな去勢鶏cappone”という意味。
去勢鶏はクリスマスのローストチキンの主役。クリスマスのために去勢して太らせた鶏は、貴族御用達の贅沢な食材。それを例によって庶民たちが真似した創造力に満ちた1品。

クリスマスの去勢鶏のロースト

今月の(CIR5月号)の記事(P.18)では伝統バージョンと、前菜のストゥッツィキー二にしたモダンバージョンの2品のリチェッタを載せています。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================


2024年9月9日月曜日

レバーをハーブと白ワインでマリネしてグアンチャーレで巻いて焼くアッロスティーニ。

新しいクイント・クアルトの料理、昨日のロニョ―ネ・ディ・ヴィテッロ(子牛の腎臓)は、多分初めて訳した食材です。『クチーナ・イタリアーナ』誌に新登場ということは、今後流行する可能性がある食材かも・・・。
2品めは、“レバーとグアンチャーレのアッロスティーニ”。
arrostiniはarrosto、つまり、ローストする、と言うこと。いわば焼肉。アッロスティチーニは、その縮小語。つまり小さな焼肉。アブルッツォの子羊肉のアッロスティチーニは、近頃の大ヒット。串焼き感が強い1品。鶏肉で作れば焼き鶏。

アッロスティチーニ

これを子羊肉じゃなく、レバーで作ります。
レバーのアッロスティチーニは、珍しくはないようですが

レバーのアッロスティチーニ。


薄切り肉を巻いてインボルティーニにし、さらにグアンチャーレやパンチェッタで巻いてボリュームもコクもupさせる、というのは、イタリアの家庭料理の定番。

子牛肉、スペック、プロヴォローネのインヴォルティーニ、

レバーのトスカーナ風

パンチェッタとグアンチャーレ


次の料理はトリッパのサラダ入りミケッタ。
レバーのパニーノは、ストリートフードの定番ですが、ミケッタにレバーを挟む料理は初めて見ました。

ミケッタ

レバーのベネチア風のパニーノ

新しい内臓料理は、それまでの常識を取っ払った料理なんですね。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================




2024年9月7日土曜日

節約してもっと美味しいものを食べる時代の新しいクイント・クアルト

今日のお題は(CIR2022年5月号)の記事“新しいクイント・クアルト”から、

フィレンツェの内臓料理のマエストロこと、チブレオのオーナー、ファビオ・ピッキ。

ローマのテスタッチョの食肉処理場で生まれた内臓料理の中で、その象徴とされたのがパヤータ。(小腸)

ピエモンテ料理のフィナンツィエーラ。

下の動画のタイトルはパレルモで一番有名なパニー二。“パーネ・カ・メウザ”。具は脾臓です。

内臓は、昔から、どこでも貧しい庶民の料理の、トラットリア料理の代表でした。

記事には、rigaglieとfrattaglieの違いについての説明がありました。訳す時は、どちらも内臓、と訳していましたが、イタリア人にとっては違いがあったのです。rigaglie は鳥類の内臓で、frattaglieはその他の動物の内臓なんだそうです。
ローマ皇帝ヘリオガバルスの宴会には、彼の好物が登場しましたが、それらは、クジャクの舌、鶏のとさか、ダチョウの脳みそと言ったregaglieたちでした。

鶏の内臓のフェットゥッチーネ。

70年代になると、内臓料理よりフィレット、スカロッピーナ、ビステッカの時代が訪れます。それに伴って、時間と経験と新鮮さと下ごしらえが必要な内臓料理は家庭から消えていきました。
やがて、家族みんなで集まって暮らすライフスタイルが一般的になり、アイランドキッチンが広まり、何も無駄にしないことが美徳とされる時代になります。
そして現代の暮らしのキャッチフレーズは、“paghi meno e mangi meglio”支出を減らしてもっと美味しいものを食べる、です。

現代では、内臓料理も大きく変わっています。ただ、内臓が美食家に注目される食べ物であることは変わらないようです。

最初の内臓は子牛の腎臓、rognone di vitello。

子牛の腎臓のトリフォラート

茶色いイメージの内臓料理に添えるのは、鮮やかな黄色のサフランライスです。
その結果、今月の料理の中でも、特に美しい1品になりました。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================


2024年9月6日金曜日

ごみ箱のソースのパスタとは、クリスマス後に残った豪華な食材や各種のパスタのミックス料理。庶民的なところがナポリの人に受けて大ヒットした。

今日の料理は(CIR5月号P.4)“ライム風味のムール貝とペコリーノのパスタ・ミスタ”。 今月の料理のテーマは、mangiare con rispetto。 この料理のポイントは、“パスタ・ミスタ”。 形の違う様々なパスタのミックスは、ナポリでは人気の商品。パスタ・メーカーが商品として販売しています。 残り物のパスタをとっておき、溜まったそのパスタを使う、というのは、ナポリの主婦の工夫。 今月の記事には、この料理がサンタナスアシアのトラットリアが考え出した料理で大ヒットした、という情報が。 

サンタナスタシア

エビとじゃがいものグラニャーノのパスタ・ミスタ

グラニャーノはカンパーニアのパスタの産地の一大ブランド。パスタ・ミスタという製品もあります。他のパスタとは全然違う。

そして今日の料理はサンタナスタシアの'E Curtiの名物料理、”Sicchie d'a Munnezza/シッキ・ダ・ムネッツァ”は、ナポリの言葉でごみ箱という意味。残り物のパスタや食材を溜めた箱を言い表していて、残り物をすべて使ったソースという意味らしい。下のパスタはレーズン、ヘーゼルナッツ、ケッパーなど、クリスマス料理の残り物を入れたトマトソース。

こんな庶民的な料理がヒットしちゃうのがカンパーニア人の美食道。5月号のリチェッタは、ムール貝とライム入り。ライムなんてテキーラ飲む時しか口にしないけど、こんな使い方もあるんだ。

ムール貝のライム風味。ライムの果汁を散らすだけ。

ムール貝、チーズ、ライムのパスタ。チーズはブローヴォラなどパスタ・フィラータのチーズ。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

====================================




2024年9月5日木曜日

今月のテーマは「敬意を持って食べる」、つまり環境への負荷が小さい旬のものを廃棄が出ないように使う、ということ。

今日から(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2022年5月号の解説です。
今月の料理のテーマは、「敬意を持って食べる」。つまり、“環境への負荷の小さい旬のものを廃棄が出ないように使う”ということです。この種のおばあちゃんの知恵袋のようなことは、ヨーロッパの人は大好きなよう。今さら言われなくても感ありますが、サステナブルの次は、これか。ちなみにイタリア語で言うと“mangiare con rispetto”。
そして記事にはそれが分かるような料理が続きます。

前菜の1品目は、“イワシのオーブン焼きのジュニパー、ミルト、しょうが風味”(P.2)

ジュニパーとミルトは地中海を象徴する植物です。
しようがは今さら何も言う必要がない和食の食材。地中海の低木としょうがでマリネしたイワシは、どんな味なんでしょうねえ。

ジュニパー

地中海のジュニパー


ジュニパーはジンの原料

自家製ジン
.

そしてミルトは地中海東部やサルデーニャに普及した常緑樹。その強い香りはサルデーニャの象徴。サルデーニャでは肉料理を中心にあらゆる料理に使われています。小さな実からはリキュールが造られています。実の収穫は冬の12月~1月。リキュールには赤と白があって、赤が一般的。冷凍庫から出したてをストレートで食後酒として飲みます。

ミルトの花

ミルトのリキュール

オーソドックスなアンチョビのマリネ

リチェッタでは、しょうがのすりおろし、細かく砕いたミルトの葉、潰したジュニパーベリー、オリーブオイルで2時間マリネします。そしてパン粉を散らしてオーブンで焼きます。ソースはグレープフルーツの汁、油、塩を乳化させたもの。付け合わせはソースにも使ったグレープフルーツとフィノッキオ。
地中海と和という高度なハイブリッド。

=====================================
(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
定期購読は2021年の号からできます。
古い雑誌や本は在庫を探しますのでご相談ください。
本以外のお問い合わせもお気軽にどうぞ。

ご注文の場合は、こちらのフォームからお願いします。
本や(CIR)の購入方法

お問い合わせはこちらからどうぞ。

(下記のリンクがクリックできない時は左クリックして表示されたurlをクリックしてください)
=====================================
クレアパッソのブログは下記の3種類あります。

[creapasso.comへ戻る(hpはシステムのトラブルで長期間更新していません、あしからず)最新情報はすべてブログでお知らせします]

============================




イタリアの南vs北問題は、今や若者vsおばあちゃん問題になってイタリア人の笑いのツボのドストライク。楽しい国~。

スパゲッティ・ボロニェーゼは実は、地方の集合体である豊かなイタリア料理の特徴と、南北の分断という実情を如実に反映した料理でした。北のソースを南のパスタにかけるのは、外国人には全然わかりませんが、イタリア人にとってはかなり不自然で邪道な行為。 イタリア人にとっても、南北の違いは面白...