2021年12月2日木曜日

パスタ入門編6、アブラナ科の野菜に合うパスタ、オレッキエッテ

きのうはオレッキエッテの動画をたくさん見ました。
そして思ったのが、オレッキエッテはなぜ裏返すのか、ということ。
私なりに出した結論は、薄くするため、ということ。
引っ掻いた生地は、中央からほぼ2つ折り状態になっています。つまりこのままだとかなり厚みがあります。これを裏返すことによって生地が薄く広がります。
そもそも硬質小麦粉の生地のいちばん苦手なことは、薄く伸ばすということです。皮肉なことに、これは軟質小麦粉の得意なこと。(タリアテッレなど)
オレッキエッテはプーリアの農家が手に入れやすい食材、つまり野菜と組み合わせるためのパスタです。
そしてプーリアの主婦たちが試行錯誤して考えだした野菜と最高に相性のよいパスタの形がオレッキエッテと言えるのでは。
つまり裏返して広げるのは野菜に合う薄さにするため。
あくまでも個人の見解ですが・・・。

そこで、“グリバウド”の地方料理シリーズの『プーリア』

の登場です。
オレッキエッテのリチェッタは5種類載っているのですが、意外なことに肉やチーズのソースが多く、野菜のソースは、名物のチーメ・ディ・ラパのオレッキエッテぐらい。
カヴァテッリやカプンティなどオレッキエッテの仲間のパスタのソースは、ソラマメ、ルケッタ、タコ、きのこ、豆と、実にバリエーション豊かです。
結論は、オレッキエッテはチーメ・ディ・ラパ専用のパスタ。
ということ。
チーメ・ディ・ラバのオレッキエッテ。

そうそう、プーリアの農民の食文化のベースはオリーブオイルです。
プーリア産オイルもこの料理の大事なポイント。
Orecchidette con le cime di rapaチーメ・ディ・ラパのオレッキエッテ

材料/
チーメ・ディ・ラパ・・1kg
パン粉・・50g
にんにく・・1かけ
オイル漬けアンチョビ・・3枚
EVオリーブオイル・・30g、塩

《オレッキエッテ》
セモリナ粉・・200g
ぬるま湯・・100ml、塩

・セモリナ粉、室温の湯、塩少々を10分こねて弾力のあるなめらかな生地にする。丸めて布巾で覆い、室温で15分休ませる。
・少量を取って(残りの生地には布巾をかぶせておく)幅1cmの棒状にし、長さ1cmにカットする。
・ナイフの刃で潰しながら引いて貝の形にし、裏返してオレッキエッテにする。
・チーメ・ディ・ラパの外側の葉を取り除いて内側の葉と花序だけにする。
・パスタ用の湯でチーメ・ディ・ラパを5分塩ゆでする。
・フライパンに油の半量とパン粉を入れて中火でこんがり炒めて取り出す。
・フライパンで残りの油と潰した皮付きにんにくをソッフリットにし、アンチョビを加えて溶かす。
・にんにくを取り除いて火を止める。
・チーメ・ディ・ラパの鍋にオレッキエッテを加えて5分ゆでる。ソッフリットにチーメ・ディ・ラパとオレッキエッテを加えてなじませ、塩で味を調える。皿に盛り付けて油を回しかけ、パン粉を散らす。
今月の(CIRのP.22にも日本語のリチェッタがあります)。

チーメ・ディ・ラパの収穫



チーメ・ディ・ラパはアブラナ科の野草。地中海原産と考えられている。柔らかい葉と花が咲く前の肉厚の花序を、ゆでて炒めてパスタのソースなどにして食べる。
イタリア中〜南部に普及していてカンパーニアのフリアリエッリなど様々な名前で呼ばれている。

アブラナ科と言えば、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツなど。多分、この種の野菜にもオレッキエッテとこのソースは合うはず。

フリアリエッリ↓

ベスビオ山の麓で野菜を育てているピエトロ・パリージ・シェフの本、『クオーコ・コンタディーノ

は、フリアリエッリロへの愛で満ちています。
オレッキエッテのソースの話、次回に続きます。



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