2021年12月21日火曜日

中部イタリアの傑作ストリートフード、ポルケッタは、神殿に捧げられた生贄がルーツ。

今日のお題はペルージャの美味しいもの、その2。
ポルケッタです。
ポルケッタporchettaはイタリア中部の代表的名物料理で、ウンブリア、ラツィオ、マルケ、アブルッツォあたりが本家に立候補しています。
イタリアでは、古代ローマ時代にはすでに豚の飼育が広まっていました。なので、エミリア・ロマーニャやベネトにもポルケッタは広まっていました。
やがて、イタリアを代表するストリートフードとみなされるまでになります。
ポルケッタは小型の若い豚や野生の豚の内蔵を取って調味し、丸ごとを縛って薪で串焼きにする、またはオーブンでじっくり焼くローストです。
外側はこんがりとカリカリで肉は柔らかくてジューシーで風味豊か。
このローストをスライスしてセコンド・ピアットとしてサーブしたりパニーノの具にします。
焼き立てが美味ししいので、焼いたその日に地元の赤ワインを添えていただきます。
ペルージャなど中部イタリアの各地では、8月の末などに伝統のポルケッタ祭りが開催されます。
コッレダーラcolledara(アブルッツォ)のポルケッタ祭り

初めて食べるとその美味しさに衝撃を受けて一生記憶に残るので、なるべく美味しいのを食べてほしいなあ、と思います。美味しさのポイントはやっぱり豚肉。

ローマのカステッリ・ロマーニ地方のアリッチャAricciaもポルケッタの伝統で知られる街。
ポルケッタは古代ローマのジュピター神殿の生贄の豚の伝統から生まれた料理と語り継がれています。生贄の信仰が伝えられていたカーボ山のジュピター神殿の遺跡。


あるいはアリッチャが貴族の避暑地だったことから、貴族の狩りの獲物を美味しく食べる料理を領民が考え出して子孫たちに代々伝えたという説もある。
アリッチャのポルケッタは柔らかくて風味が豊かな雌豚(ポルケッタは女性名詞)から造られる。
香ばしく焼けた表面、柔らかい肉のローズマリー、こしょう、にんにくの香りが特徴。

アリッチャのポルケッタ祭り↓

アリッチャのポルケッタ


ストリートフード・アッラ・イタリアーナ

アリッチャのポルケッタPorchetta di Aricciaのリチェッタがあったので訳してみます。

材料/8〜10人分
下処理した乳飲みの子豚・・1頭(約3kg)
白か赤ワイン・・500ml
フィノッキエット・セルバティコ・・80g
ローズマリー・・3枝
皮むきにんにく・・5かけ
ナツメグ・・1個
粗挽きこしょう・・10〜15g
塩・・10g

・にんにく、フィノッキエット、ローズマリーの葉をみじん切りにして塩、たっぷりのこしょう、ナツメグを加える。
・中と骨を取った豚肉を洗って水気を拭き取る。
・作業台に広げて内側にハーブを均一にまぶす。
・棒か串をまっすぐに通し、余分な筋を切り落とす。皮に脂の出口用の小さな包丁目をつける。糸で縛る。
・大鍋の縁に棒を渡してのせ、180℃のオーブンで裏返しながら最低3時間焼く。最初はワインをかけ、次第に焼き汁を塗りながら焼く。
・皮がこんがり琥珀色に焼けたらオーブンから出してテーブルに丸ごと運ぶ。
・スライスして焼き汁をかけてサーブする。


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