2021年11月20日土曜日

アリオーネのピチはハンディミキサーが普及した時代のモダンなにんにくとトマトのパスタ。

今日のお題はトスカーナのパスタ、ピチpici。
スローフードの地方料理のパスタの本、パスタ・フォルメ・デル・グラノ

には、“アリオーネのピチpici all'aglione”のリチェッタが載っています。
アリオーネとは、バルディキアーナ地方特産の大きなにんにく。
にんにくの香りのもととなる酵素を含まないので、キスができるにんにくと呼ばれ、大きくてもデリケートな味のにんにく。

にんにくは農民のソースの定番食材です。
料理するものがなにもないときには、にんにくをオリーブオイルでソッフリットにしてパスタソースにします。
ピチの定番ソースとしても知られています。

アリオーネのピチ。

ハンディミキサーを使う今どきの方法ですね。
家電を使わないと、時間がもっとかかります。

上記のスローフードの本のリチェッタを訳してみます。
アリオーネのピチPici all'aglione
材料/2人分
《パスタ》
小麦粉・・500g
セモリナ粉・・2握り
EVオリーブオイル、塩
《ソース》
アリオーネのにんにく・・1かけ(約50g)
ホールトマト・・600g
EVオリーブオイル、塩、こしょう
《仕上げ》
おろしたペコリーノ・トスカーノ

・陶器の鍋に油大さじ数杯とにんにくのみじん切りを入れてとろ火で10分熱して溶かし、裏漉ししたトマトを加えて塩、こしょうし、1時間煮る。
・その間に小麦粉、塩少々、油大さじ2、ぬるま湯200mlをこねてなめらかな生地にし、丸めて布巾で覆って30分休ませる。アッピッチャーレappiciareする(手のひらで転がして長さ40cm、直径5mm弱の1本の棒にする)。できたピチはセモリナ粉をまぶしたバットに広げる。
・たっぷりの塩を加えた湯で2〜3分ゆでて取り出し、ソースのソテーパンに入れてなじませる。
・皿に盛り付けておろしたペコリーノを添えてサーブする。

ピチの語源はappiciare=棒にする、だったんですね。
リチェッタを提供した店、ristorante il grillo è buoncantore, chiusi(SIENA)
webページ


0 件のコメント:

ナスのパルミジャーナはその形状が語源。パルマじゃなくてナポリ生まれ。

今月の(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)の地方料理は、パルミジャーナです。 人気のイタリアの地方料理の1品ですが、パルミジャーナと言う名前でも、パルマとは何の関係もない、というのはよく知られています。 というか、下の動画ではナポリ料理と言ってます。 パルミジャーナ。...