2021年11月28日日曜日

パスタ入門編、その2。パスタとは、硬質小麦粉と水を練った食品。インパスターレimpastare=練る

今まで改めて考えたこともなかったけど、パスタとは、何でしょう。
辞書で調べれば、まあ大抵が、小麦粉と水を練った食品、という答えになります。
硬質小麦粉と水を練ったもの、と書いてある辞書はさすがに見たことないですが。
イタリアの、特に南イタリアの食の基本が(つまり日本人にとっての米ですね)パスタ、詳しく言えば、南イタリアのベースの食べ物は、硬質小麦粉semolaのパスタ・フレスカpasta frescaです。
硬質小麦粉semolaか軟質小麦粉farinaか、パスタ・フレスカfrescaかパスタ・セッカseccaかというのは、パスタの話をする前にはっきりさせておかなくてはならない点です。
硬質小麦粉と軟質小麦粉は、粒の大きさも、色も栄養価も栽培される地域も、パスタになる過程も歴史も違います。

さて、根っからの文系の私は、理系の話になると、途端にさっぱり頭に入ってこないという欠点があります。そんな私が、パスタの本を読む時にいつもすっ飛ばしていたのがグルテンの話です。でも、そんなことも言ってられなくなりました。
美味しいパスタはどうやってできるのかを知るには、グルテンのことを知らないわけにはいかないのです。とうとう観念しました。

硬質小麦粉と水を強くこねると、粉は可塑性のある物質になります。この生地impastoで成形したパスタは、ゆでても煮崩れずに形を保ちます。
ここで大きな役割を果たすのがグルテンです。
硬質小麦粉に水と力を加えるとグルテニン(可溶性タンパク質)とグリアジンがグルテンを形成します。
グルテンはパスタを安定させる網で、網の中には水の分子に溶け出た硬質小麦粉に含まれるデンプンが閉じ込められています。グルテンの網はパスタを頑丈にし、湯でゆでられても形を保つことができるようになります。

一方、軟質小麦粉にはグルテンが少量しか含まれていません。ゆでている間にデンプンは湯に溶け出てしまいます。なので小麦粉と水の生地は形を待つことができません。
ただし、水を湯にする(デンプンがゼリー化する)、卵を加える(卵黄のレシチンが網の形成を助ける)などの方法で、形を保つこともできます。

イタリアを代表する軟質小麦粉のパスタ、ボローニャのスフォリーナ協会のタリアテッレ。

薄〜く均一に伸ばすには熟練の業と腕力が必要。

硬質小麦粉と水の生地

こねている時から両者の違いは明白。硬質小麦粉のパスタは手だけで様々な形を作り出します。なので薄〜く伸ばすのは苦手。その代わり想像力豊かな様々な形のパスタになりました。
軟質小麦粉は2Dのパスタ向き、硬質小麦粉は3Dのパスタ。
こうして北と南では形の違うパスタが普及します。

参考にした本は、スローフードの『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ











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