2021年11月21日日曜日

白トリュフの香りを味わうための極薄パスタ、タヤリンの対局にあるのはジビエの獣臭にまけない幅広のバッパルデッレ。

ここのところのお題の“ピチ”ですが、今月の(CIR)のリチェッタのプリーモ・ピアットはピチでした(P.6)。“サルシッチャのラグーとチーメ・ディ・ラパのピチ”です。
ピチはトスカーナのパスタ。チーメ・ディ・ラパという南イタリアの食材との組み合わせは、ある意味以外。
とは言え、プーリアではチーメ・ディ・ラパとサルシッチャのオレッキエッテは代表的パスタ。

上の動画の料理がベーシックなサルシッチャのオレッキエッテです。
今月の(CIR)では、サルシッチャの皮をむかないでぶつ切りにします。
皮をむむくとサルシッチャが細かく崩れます。むかないと、炒めてもサルシッチャが崩れないので大きな一口大のまま残ります。
これがピチとオレッキエッテの違いを生かしたポイントです。
ジビエにも合うパスタと、地元の風味豊かな野菜に合うパスタでは、サルシッチャの調理方法も変わります。

典型的ジビエのパスタ
猪のラグーのパッパルデッレPappardelle al ragù di cinghiale

材料
パッパルデッレ・・400g
猪肉・・500g
セロリ・・1本
にんじん・・2本
玉ねぎ・・1個
グアンチャーレ・・100g
オリーブオイル、塩、こしょう
トマトのパッサータ・・2ビン
グラナかペコリーノ

《マリネ液》
白ワイン、ジュニパー
にんにく、ローリエ、好みのスパイス

・肉から余分な脂身(くさみが強い)を切り取り、スライスして細く切る(マリネ液に触れる部分を多くするため)。容器に入れてワインで覆い、ローリエ2枚、ジュニパー数粒、にんにく、スパイスを加える。ラップで覆って冷蔵庫で最低12時間マリネする。
・マリネした肉を一口大に切る。
・セロリ、にんじん、玉ねぎをみじん切りにする。グアンチャーレ(こしょうがついた皮を取る)を細く切る。
・油少々で香味野菜とグアンチャーレ(猪肉は脂が少ない)をソッフリットにする。猪肉を加えてよく炒め、ローズマリーとトマトのパッサータ、塩、こしょうを加えて強火で水気を飛ばしながら煮る。
・水少々を加えて弱火で最低2時間煮る。
・ゆでたパスタを加えてなじませ、皿に盛り付けてパルミジャーノかペコリーノを散らす。

パッパルデッレはトスカーナの家庭で昔から作られていた平麺のパスタ。他の地方の麺(例えばタリアテッレ)より幅広なのが特徴。
元々家庭料理なので幅何cmという決まりがあったわけではなく、
あくまでもトスカーナの人々の好みの幅。
さらに言えば、トスカーナ料理はジビエと組み合わせることが圧倒的に多く、細くて薄い麺ではバランスがとれなかったのでは。
香りを味わうピエモンテのトリュフのタリオリーニは、できるだけ薄い麺が好まれましたが、何時間もかけて肉の臭みを消す猪肉のラグーには、パッパルデッレのような頑丈な骨格のパスタが好まれました。

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よもぎはドイツ語ではベアムート。かっこよくてお餅につける名前じゃないよね。トリノでパティシエが白ワインとよもぎから作りだしたのがベルモット。

今日のお題は、メイド・イン・イタリーの食材です。(CIR2022年1月号P.37の記事) その食材は、ベルモット。ピエモンテ州トリノで誕生したフレーバード・ワインです。 白ワインにスパイスとハーブを加えて香りをつけたもの。 ところで、ベルモットはドイツ語の“ヨモギWermut”が...