2021年11月7日日曜日

ロンバルディアのスプーンで食べるドルチェ、ボネ。

今日は今月の(CIR)の2月のリチェッタから、もう1品のドルチェ、“ボネのババレーゼ、ラム酒風味のマロンソースがけBavarese-bonet con salsa di marroni al rum(P.13)です。
ボネは中世のルネサンスの時代にピエモンテの宮廷で生まれた有名なブディーノ。
全盛期は1861年と言い伝えられています。
なぜここまではっきり年代が言えるかというと、それはイタリアにとって1861年がとても重要な年だからです。
この年、主役になったピエモンテの街はトリノでした。
答えはイタリアがイタリア王国として統一されたと言われている年です。イタリアの統一の主役はサヴォイア家。その本拠地トリノは新生イタリアの首都となります。
ピエモンテの重要度がグーンとアップしたのでした。


トリノ↓



初めてトリノを訪れたのは、旅の途中で偶然時間が空いた時。
ちゃちゃっと見て回るかなんて軽い気持ちで、目的地も決めずにを足を踏み入れました。
ところが、それまで南の小さくて素朴な村にすっかり慣れていた私は、そのあまりのデカさにお上りさん丸出しで絵に書いたような迷子になり、日が暮れていくトリノの街を、これが都会かあ、簡単に孤独になれるなあ、なんて思いながら一人であてもなくさまよったのでした。

ボネに話を戻しましょう。ボネという名前はピエモンテの方言で帽子、フランス語のbonnetボンネットが語源。

カザーレ・モンフェッラートの市場。このくらいの大きさの街は落ち着くなあ。

この地方の、そしてピエモンテを代表する名店の一つ、プリオッカ・ダルバのイル・チェントロのシェフ、エリデ・モッロのボネも評判の1品。

webページに巨大なカンティーナの写真がドーンとありますが、この店は、元々は典型的なピエモンテの村のバール・リストランテで、仕事帰りの地元の人が地ワインを飲みながらカードをしたり旅行客が軽食を取ったりする店でした。あの広大なカンティーナこそが店の本体なんだそうです。
シェフはオーナー夫人で、出会って半年で結婚するまでは料理のことは何も知らない素人だったそうです。結婚以来、祖母から手ほどきを受けて主婦からシェフへの華麗なる転身を果たし    た人です。
この店のボネのリチェッタが手元にあるので訳してみます。

ブネBunet

材料/6人分
卵・・8個
砂糖・・1カップ
温めた牛乳・・4カップ
アマレッティ(アーモンドクッキーで代用できる)・・2カップ
ココアパウダー・・大さじ1
アマレットリキュール・・1/5カップ
レモンの皮・・1/2個分
カラメル用砂糖・・1/2カップ

・オーブンを266℃に予熱する。
・卵と砂糖を混ぜる。ホイップしながら温めた牛乳、アマレッティ、ココアパウダー、アマレットリキュール、レモンの皮を加える。
・小さなソースパンでカラメル用砂糖と水適量を弱〜中火で熱してカラメッラーレする。
・色がついたら素早く火から下ろしてバターを塗った型に流し入れる。型を回して底と側面に広げる。ピエモンテの家庭では大きな長方形の型を使うが、小さな型のほうが扱いやすい。
・ロースト用天板に入れて型の半分まで湯(沸騰した熱湯ではない)を注ぎ、オーブンで40分焼く。
楊枝を刺してみて何もつかなければ焼き上がり。ラックにのせて覆いをして冷ます。
・1、2日前に作って冷蔵庫に入れておいてもよい。型の内側をナイフで切り離し、カスタードを垂らした皿に裏返してあけ、ホイップクリームやアマレットを添えてサーブする。

このチョコレートプディングは見た目がとにかく美味しそう。シェフの言う通り、一人前サイズがお勧め。
チョコレートプディングとは言っても、ポイントはピエモンテ名物アマレット。
アーモンドクッキーです。
アマレットと言えば、アマレッティ・ディ・サロンノですが、サロンノはロンバルディアの街。

ラッザローニのアマレッティ↓




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