2021年11月14日日曜日

ギリシャ人はぶどう畑に覆われたイタリアのことをエノトリア(ワインの大地)と呼んだ。ぶどうの収穫は農家の秋のビッグイベント。

イタリアの田舎では、収穫の女王はぶどう。
下のぶどうの収穫の動画では、早起きしておじいちゃんを忘れないこととか、蜂が寄ってくるので気をつけようとか、なかなかガチなアドバイス。

ルフィーノのトスカーナ』によると、トスカーナにぶどう栽培を広めたのはエトルリア人で、ワインは神の儀式と結びついて神聖なものになり、トスカーナはイタリアの主要なぶどう栽培地だった。やがてワインはイタリア中に広まり、ギリシャ人はぶどう畑に覆われたイタリアのことを“エノトリアEnotria”ワインの大地terra del vinoと呼んだ。
ぶどうは神に奉納されてワインになった。最初はワインを飲むということは、神聖な儀式だった。やがてバッカス神への信仰的意味が強くなり、やがてワインは大衆的な飲み物になり、下層階級へと広まり、飲み屋の乾杯の酒にもなっていった。

トスカーナでは収穫の時期にスキアッチャータschiacciataというぶどうのドルチェを造る伝統がある。ドルチェというか、薄焼きパンだ。
昔の家庭では、パン生地をスキアッチャータ用にいつも少量残しておいたそうだ。そして9月になるとぶどうのスキアッチャータを作った。
トスカーナでは、ぶどうはサンジョベーゼのことで、スキアッチャータにもサンジョベーゼを使った。

2020年のトスカーナのサンジョベーゼとメルローの収穫。

ぶどうのスキアッチャータschiacciata con l'uva

材料/
小麦粉・・500g
水・・250ml
ビンサント・・50g
生イースト・・15g
砂糖・・30g
EVオリーブオイル・・25g
ローズマリー・・3枝
ぶどう・・700g

・ぶどうを茎から外して洗い、乾かす。
・小さなソテーパンにローズマリーと油を熱し、ビンサントと砂糖を加える。
・イーストを湯で溶かして小麦粉に加える。ローズマリー風味のオイルも加えてこね、10分休ませる。
・型に油を塗る。
・生地に油をかけて手で広げながら型に敷き込む。
・表面にぶどうを広げて軽く埋め込み、砂糖を振りかける。1時間発酵させる。
・180℃のオーブンで50分焼く。

ジョルジョーネ

彼もぶどうを栽培しているようで、本にはぶどうの料理のリチェッタがあります。
ただし、彼の場合は畑や店はウンブリアにあります。
キアンティ地区にあるルフィーノとは、身近なぶどうが違います。
ウンブリアでぶどうといえば、サグランティーノです。

サグランティーノの話には説明が必要なので、次回に。

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