2020年2月9日日曜日

ヴィンサントの相棒、カントゥッチーニ

それではカントゥッチーニcantucciniの話です。

トスカーナ料理の知りたいことが全部書いてある素晴らしい本、
『ルフィーノのトスカーナ』から。
カントゥッチーニは、プラート生まれのビスコッティなので、別名、カントゥッチーニ・ディ・プラートとも呼ばれます。
プラートはフィレンツェから20km離れた隣町。

プラート

カントゥッチーニとは切っても切れない間柄なのが、ヴィンサント。
レーズンから作る甘口ワインで、聖ワインという意味のヴィンサントという名前は、1439年に開催されたフィレンツェ公会議の間に考え出されたから、とも言われています。
公会議とは東と西に分裂した教会の問題を解決するために開かれる重要で有名な会議。
そんな場で出された甘くて美味しいワインを飲んだ偉い聖職者が、思わず「'e di Xantos」「こ、これはサントスのワインだ!」と叫んだというのです。
サントスとはギリシャ語で黄色のこと、またはギリシャのサントリーニ島のこと。
別説では、santa messaの間に使うワインだから、というのもあります。
santa messa ??
復活祭かクリスマスがらみかな・・・。

サントリーニ島
xysl\i

サントリーニ島のワイン、という意味だとしたら、この聖職者、いつ飲んだんでしょう。
一生に一度は行って島で飲んでみたいなあ。
さて、ほとんどのグルメはカントゥッチーニをヴィンサントに浸して食べますが、香ばしいビスコッティが溶けてヴィンサントの中に落ちるのを嫌がる人は、浸さないで食べます。
本ではこの問題を解決して、マスカルポーネにヴィンサント、削ったビターチョコレート、カントゥッチーニを加えた21世紀版を提案しています。
ヴィンサントの濃い黄色でマスカルポーネがクリーム色になって、チョコレートとカントゥッチーニが一段と映えます。
きれいなグラスに入れるとさらにゴージャス。

それではリチェッタです。
“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズ『トスカーナ』
より

ビスコッティ・ディ・プラートBISCOTTI DI PRATOをどうぞ。
バリエーションは無数にあります。
今回は、フォルネッロクラブ・プラート支部の公式リチェッタです。

材料/8人分
小麦粉・・500g
皮つきアーモンド・・500g
砂糖・・470g
卵・・4個+卵黄2個
ヴィンサント・・大さじ2
蜂蜜・・大さじ1
ベーキングパウダー・・1/2袋
塩・・1つまみ

・熱したオーブンでアーモンドを数分トーストして冷ます。
・小麦粉とベーキングパウダーをふるってフォンタナに盛り、砂糖、蜂蜜、ヴィンサント、塩、卵3個、卵黄2個を入れてよく溶く。
・小麦粉を少しずつ加えて均質の生地にする。
・アーモンドを加えてよく混ぜる。
・生地を分けて幅約5cm、厚さ1.5cmの棒状にし、間を空けてオーブンシートに並べる。
・残りの卵を溶いて生地に塗り、180℃のオーブンで約20~25分焼く。
・オーブンから出して斜めの輪切りにし、再びオーブンに入れて二度焼き(ビスコッターレbiscottare)する。

ビスコッティ・ディ・プラート
xysl\i

失敗しなくて簡単にできます。
トスカーナ料理の話、今回はここまで。

-------------------------------------------------------
総合解説
“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズ『トスカーナ』
『ルフィーノのトスカーナ』
 [creapasso.comへ戻る]
 =====================================

0 件のコメント:

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...