2020年1月6日月曜日

アサリが入らないアサリのスパゲッティ

新年早々、アーリオ・オーリオの変な動画を見つけてしまって、違和感にまとわりつかれていました。
こんな動画

あれは、私の知ってるイタリアンでもナポリ料理でもない。
なんでそう感じたのでしょうか。
その答えを探していた時、ある話を見つけました。

ナポリでは、アーリオ・オーリオは、アサリが入っていないボンゴレだ。
これですよ。

パスタが、労働者層が生まれて女性が家事から開放されつつあった時代に、庶民のためのストリートフードとして誕生した歴史を考えても、高級レストランの天才シェフが、自らの才能をアピールしようとしたのか、誰も知らないテクニックを駆使して作るパスタに、ナポリや南イタリアの魅力が、感じられるわけがないですねー。

アサリが入っていないボンゴレ、つまり、手に入る食材から工夫と想像力で作り上げる料理、地中海の海と太陽を感じて、南の人情の暖かさも感じるような料理。
まあ確かに、かなり古臭い典型的なおばちゃんの考えであることは否定しません。
それでは、ナポリの人から支持されているジャーナリストのナポリ料理の本、
ルチアーノ・ピニャターロのリチェッテ・ディ・ナポリ』から、
ナポリ人にとってはアーリオ・オーリオより基本のパスタ、アサリのスパゲッティのリチェッタをどうぞ。

あさりのスパゲッティspaghetti cn le vongole
材料/4人分
スパゲッティ・・400g
アサリ・・600g
EVオリーブオイル
にんにく・・1かけ
唐辛子
イタリアンパセリ、塩

・フライパンに油、にんにく、唐辛子を入れてソッフリットにする。
・アサリを加えて蓋をし、強火で熱して全部の貝を開ける。
・パスタをアルデンテにゆでる。
・フライパンから飾り用のアサリ数個を取り出す。
・ゆでたパスタをフライパンに加え、なじませて皿に盛り付ける。
・飾り用アサリを加えてイタリアンパセリのみじん切りを散らす。

名乗るほどのリチェッタでもないと思いますが、この本では、誰のリチェッタか分かるものはすべて名前入りです。
これはナポリのリストランテ・ラ・カンティネッラristorante La Cantinellaのリチェッタだそうです。
店のwebページはこちら
サンタ・ルチア地区にあります。

アサリのスパゲッティの定番のリチェッタ

ちなみに、
スローフードの『オステリエ・ディ・イタリア2017


には、ローマのトラットリア・ロステ・デッラ・ボン・オーラTrattoria L'Oste della Bon Ora
webサイトはこちら
のアーリオ・オーリオのリチェッタが載っています。

アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノはローマの庶民料理の定番、ajo e ojoに最低限のアレンジを加えた唐辛子入りバージョン。
この料理のルーツはラツィオ、アブルッツォ、カンパーニア、カラブリア一帯。

Spaghetti aglio olio e peperoncinoスパゲッティ・アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ
材料/4人分
スパゲッティ・・320g
にんにく・・3かけ
唐辛子・・1本
イタリアンパセリ・・1房
EVオリーブオイル、塩

・にんにくは皮をむいて、好みでまるごとや数個に切って、またはみじん切りや潰して使う。
・油ににんにくと手でちぎった唐辛子を入れて熱する。にんにくと唐辛子はあとで取り除く。
・スパゲッティをアルデンテにゆでて水気を切り、にんにくや油を熱したソテーパンに入れてなじませる。
・仕上げにイタリアンパセリのみじん切りを散らす。

ローマの庶民料理の定番、アーリオ・オーリオに最低限のアレンジを加えた唐辛子入りバージョン。
この料理のルーツはラツィオ、アブルッツォ、カンパーニア、カラブリア一帯。
リチェッタを提供したオステリアのオーナーシェフは、
にんにく風味を弱めたい時は水気をしっかりきったスパゲッティに熱いオイルをかける。または半分に切ったにんにくをボールの内側にこすりつけてからスパゲッティを入れ、イタリアンパセリと唐辛子のみじん切りを散らす。
ロッソバージョンにする時は、にんにくと唐辛子風味にしたオイルに、生か裏漉しした、または小さく切ったトマト、またはホールトマトや瓶詰めトマトを加える。
パスタはリングイーネやヴェルミチェッリでもよい。とアドバイスしています。


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リチェッテ・ディ・ナポリ
スローフードの『オステリエ・ディ・イタリア2017
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