2020年1月25日土曜日

伝統は不変だが、常に改革されている。

先日のリボッリータribollitaの話題の時、『サーレ・エ・ペペ』
がリチェッタを紹介する店として選んだのは、グレーヴェ・イン・キアンティのマンジャンド・マンジャンドMangiando Mangiandoでした。

どんな店かリチェッタを探してみたら、

スローフードの会員を紹介する豪華な本、『オステリエ・ディ・イタリア新版』に載っていました。

オーナーシェフのサルヴァトーレ・トスカノさんは、
「歴史が感じられる料理を作りたい、人生も店も、地元との強い結びつきから生まれたものを使って造り上げたい、と語っています。
子供時代を過ごして彼に強い影響を残した地は、グレーヴェ・イン・キアンティ。

グレーヴェ・イン・キアンティ


料理に最高の食材だけを使う、という考えは、彼の父親の影響。
シチリア出身の父親は、いつも土曜と日曜だけ肉を料理した。その時は、窓も扉も開け放して、ご近所に、うちでも週2回は肉を料理していることが分かるようにしたのだった。
彼は行きつけの肉屋でチッチャciccia(クズ肉)を買うのが好きだった。野草を探して摘むのも習慣だった。
料理上手な母は、毎日7人分の料理を作った。日曜には父も加わった。
そこで私は、フィレンツェで最初に始めた店ダニー・ロックDanny Rockのメニューに、
子供時代の日曜日のメニューを再現した料理を加えた。他の曜日に食べていた料理も忘れられなかった。

ダニー・ロックを締めた頃、妻は、グレーヴェの中央広場の一角に小さくて美しい惣菜屋を見つけていた。そこで私は、少ないテーブルとオープンキッチンの店をやりたいという長年の夢を実現させた。最高の生産者が作った食材で料理を作る。これがこの店の哲学だ。重要なのは地元と季節。伝統は普遍でアンタッチャブルだ。
だが、伝統は博物館の展示物ではなく、生きていて、絶えず改革が繰り返される。
そして重要なのは人間だ。
歴史を感じない料理に興味はない。
私にとって今の時代に料理人をやるということはその土地と仕事を愛する、というこだと確信している。
手間ひまかけて生産物の品質を上げることに取り組み、仲間と環境に配慮する。
私はサッカーで言うなら、トップのフィニッシャーだが、後ろで走ってボールを奪うセンターやウイングがいなければなりたたない。
私の店のセンターとウイングは肉屋のエンリコ・リッチ、オイルの生産者のパオロ・プルネッティ、ビオワインの作り手、フランチェスコ・アニキーニ、パスタメーカーのジョヴァンニ・ファッブリ、生乳のチーズメーカーのマルコ・カッシーニたちだ。
どの料理も最低2人前で、おいしいワインと一緒に食べるように作ってある。
食事は人との出会いを楽しむ場でもある。
私の店がその機会を提供できれば光栄だ」

かなり熱い人なので、話も長い。
突然サッカーの話が始まるし・・・。
でも面白いので次回に続きます。

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総合解説

オステリエ・ディ・イタリア新版

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