2020年1月10日金曜日

新年恒例の縁起物、レンズ豆、今年はサルシッチャとレンズ豆

今月の「総合解説」から、新年の料理の話。
毎年必ず1月号に登場するのは、レンズ豆です。
お金を儲けたいという庶民の夢は、新年に外すことのできない縁起物となって定着していますが、お金が儲かるご利益がありそうな食材の代表が、コインの形をしているレンズ豆。
富だけでなく、鉄分やタンパク質ももたらしてくれます。
イタリアのレンズ豆の消費が年末年始に集中しているという事実からも、イタリア人に期待されている縁起物だということがわかります。
レンズ豆はゆでてオリーブオイルとレモン汁で調味して、コテキーノやザンポーネ、サルシッチャなどのこってりしたサラミや肉料理に添えるのが一般的ですが、
1月号のリチェッタでは、レンズ豆のパテをパン生地でチャンベッラ(リング形)に包んだスフォルマートにアレンジして、派手な形が新年らしい1品にしています。
パテやテリーヌ、スープ、パスタにもしやすい食材です。
ヴェネトには、伝統的なアサリのリゾットにレンズ豆を加えた料理があります。
レンズ豆のスープにタリアテッレと唐辛子を加えるのはバジリカータ。
アルト・アディジェではレンズ豆とキャベツとスペックのパスタ。
パスタ・エ・ファジョーリに代表されるマメとパスタは、スープパスタの基本の1品。

イタリアの海に囲まれた地域のベースのパスタがアサリのパスタで、海がない地域ではカーチョ・エ・ペペ、と考えていましたが、パスタ・エ・ファジョーリを忘れていました。
レンズ豆の産地として知られるウンブリアは海なし州ですが、美味しい豆が名物。
家庭料理の食材としては、チーズより豆のほうが身近かも。

今日は、イタリア料理の教科書のような、イギリス人が書いたイタリア料理の基本の本、

クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ

から、ザンポーネやコテキーノよりは手に入りやすそうなサルシッチャとレンズ豆のリチェッタをどうぞ。

“イタリアの緑のハートと呼ばれるウンブリアで栽培されるカステッルッチョのレンズ豆は、小粒で、イタリアで一番美味しいと考えられている。新年に食べると富をもたらすとも信じられている”
サルシッチャとレンズ豆Salsiccia e lenticchie
材料/4人分
オリーブオイル・・大さじ3
サルシッチャ・・8本
玉ねぎのみじん切り・・1個
にんにくの薄切り・・3かけ
ローズマリーのみじん切り・・大さじ2
ホールトマト・・800g
ジュニパー・・16粒
ナツメグ・・小さじ1
ローリエ・・1枚
唐辛子・・1本
赤ワイン・・200ml
カステッルッチョのレンズ豆・・100g

・大鍋にオリーブオイルを熱し、サルシッチャを5~10分焼く。しっかり焼き色がついたら取り出す。
・鍋肌に焦げ付いたらきれいにする。
・火を弱めて玉ねぎとにんにくを加えて焦がさないようにしんなり炒め、薄く焼き色をつける。ローズマリーとトマトを加えて弱火で煮詰める。
・ジュニパー、ナツメグ、ローリエ、唐辛子、赤ワイン、水400mlを加えてレンズ豆が柔らかくなるまでかき混ぜながら煮る。途中、必要なら水を足す。
・ローリエとローズマリーを取り除いてサーブする。

レンズ豆とサルシッチャ

カステッルッチョのレンズ豆は戻す必要がないが、他の豆の場合は表示に従う。


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クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ

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