2020年1月17日金曜日

ニーダーコフラーシェフが標高3000mで作るイタリアン

前回紹介した最優秀新人シェフのアレッシオ・ロンギーニシェフ、さすがに若すぎて、まだ世の中にリチェッタや動画は出回っていないようです。
そういう意味でも、今月の「総合解説」で訳したリチェッタは、なかなか貴重だったかも。
かわりに今日は、彼の師匠、ノルベルト・ニーダーコフラーシェフの話を。
アルト・アディジェのヴァルバディアにあるホテル・ローザ・アルピナのシェフとして、かなり以前から、アルプス、ティロル地方の料理を代表する一流シェフとして知れ渡っているシェフです。
リストランテ・セント・ウーベルトゥス。


こんな雪山の上でも、素晴らしい料理を作っている人がいるんですね。

北イタリアの料理自体、あまり馴染みがないので、どんなにすごイシェフかよくわかっていなかったのですが、イタリア料理界に革命を起こした一流シェフのパスタを紹介する本、『パスタ・レボリューション
の彼のページを訳してみます。
この本では彼のカルボナーラを紹介しているのですが、ドロミテ山地のシェフがなぜカルボナーラ?という疑問には、こう答えています。
ノルベルト・ニーダーコフラーは、バディア渓谷の空気とエネルギーを感じさせる料理を作っている。
数年前からは、自らの企画を“山を料理する”と名付けて、山の食材の価値を高めることに取り組んでいる。
例えば、彼を有名にした料理の代表的な食材はフォアグラだが、ドロミテ山地で手に入らないスカンピやクルマエビは料理しない、と語る。
彼の店の料理は、どの一口もすべて100%、地元の大地の声が聞こえてくるもので、逆に他では手に入らないものを使っている。
彼の料理はルーツが明確だ。食材はすべてメイド・イン・アルト・アディジェ。
だから、彼のスッド・ティロル版カルボナーラは特別だ。
パスタは、少し前に発見された土着のファッロ、regiogranoを有機栽培したもの。
グアンチャーレのカリカリ感はスペックで、脂身の甘みはラルドのスライス。そしてペコリーノの代わりは高原のチーズだ。

ニーダーコフラーシェフのカルボナーラ

この小さなパスタに彼の地元への思いと料理哲学がこんなにぎゅっと詰め込まれているとは、知りませんでした。
彼のもとにやってくる若手も、山の料理について、はっきりした考えを抱いているのでしょう。
それにしてもドロミテは標高3000m超えですよ。

よくこんな山の上でイタリアンを作ろうと思うなあ。

高地のカルボナーラCARBONAR AD'ALTA QUOTA
材料/4人分
ファッロのフジッリ・・280g
オーガニックの卵・・4個
葉玉ねぎ・・2本
山小屋のチーズ・・40g
バター・・約40g
薄くスライスしたラルド・・12枚
スライスしたスペック・・約100g
EVオリーブオイル
塩、こしょう

・70℃の湯で卵を12~16分ゆでる。すぐに氷水に取って冷ます。
・殻をむき、丁寧に卵白を外す。
・ 小さな器に卵白と油少々を入れて皿に卵黄がつかないようにし、ラップで覆う。
・サーブする直前に温かい場所に15分置く。
・スペックを80℃のオーブンで3時間焼き、ミキサーにかけて粒状に砕く。
・葉玉ねぎをみじん切りにしてバターの半量と油少々でブラザーレする。
・フジッリをアルデンテにゆでては玉ねぎのフライパンに加え、残りのバター、おろした山小屋のチーズ油少々を加えてよくマンテカーれする。
・塩、こしょうで調味する。
・皿の中央にフジッリをニード形に盛り付け、卵黄と薄切りのラルドをのせてスペックを散らす。




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パスタ・レボリューション
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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...