2023年8月3日木曜日

パン粉は日本がロシアと戦っていた第二次世界大戦中に、オーブンを使わずに電気でパンを焼いたのがきっかけ。今ではこれが本物のパン粉と言われるようになった。

今日は5月号のリチェッタを訳している時に気になったワードの話。
それは、P.6の“野菜のコトレッタ”とP.5の“パッケリ・フリッティ”に登場した食材です。
コトレッタとフリットに使われるものです。
それは“パン粉”です。
パン粉はイタリア語ではpangrattatoですが、少し前あたりから、よく見かけるようになったのが、pankoです。
パン粉です。P.5のリチェッタに、もう少し詳しく説明がありました。
pangrattatoはイタリアで一般的なパン粉。
パンをミキサーにかけたものです。

pankoもパンをミキサーにかけたものですが、日本製のパン粉として大分広まりました。
食パンをミキサーにかけて作ると思ってる人が多いけれど、今ではこれが“本物のパン粉”と言われるようになりました。
その違いについて、リチェッタでは、「日本製のパン粉は揚げると空気を含んで膨らみ、油を押し出すので乾いて軽いフリットになる」と、説明しています。



こういった説明が不要で“panko”で通じる日本の発明。コトレッタにもpankoが不可欠。

pankoのコトレッタ。

業務連絡 定期購読のCIR6月号、本日発送します。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)』
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2023年8月2日水曜日

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)6月号発売しました。

(CIR)はクレアパッソで発売しているイタリア料理の月刊誌、『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』誌のリチェッタとイタリア食文化の記事を日本語に訳した小冊子です。
歴史のある格式高い本格派『クチーナ・イタリアーナ』と、現代的で楽しく気軽だけど、とても野心的な『サーレ・エ・ペペ』と、個性的な2誌。雑誌と合わせての購読をお勧めいたします。

(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)は『旧総合解説』。もう何年も続いていますが、さすがにシステムが古くなって昔のものは扱えなくなったので、この機会に名前を(CIR)に変えて、昔のものは思い切って販売を終了しました。

(CIR)6月号のテーマは、陽気さと遊び心。これってイタリア人のこと?
と思うような美しくて楽しい料理が登場して、夏の到来を告げています。

月刊料理雑誌は1年通して読むと、四季によって違うイタリアの1年の食文化が、イタリア人の視点で詳しく紹介されていて、複雑でバラエティー豊かなイタリア料理がだんだんはっきりと見えてきます。
今月のイタリアは、バカンス直前のウキウキした気分の季節です。

個人的には、バカンスの時期に仕事で行ったリミニで、外国人観光客向きの高級リゾートとはまったく違う、すごく庶民的で、めちゃくちゃ人が多い夜のビーチを見て、ちょっとショックでした。
庶民と観光客は違う場所でバカンスを過ごすんですね。あたりまえだけど。

リミニ。

そもそも悲しいかな日本にはバカンスの概念がないから、バカンスってどういうものか分からない。リミニでは、夜になると、町中のすごい数の老若男女がストリートに出て、ただひたすらウインドーショッピングをしているのでした。

一方、国際的な観光地と言えば、たとえばカプリ島。
こちらは世界中のおのぼりさんがやってきて、小さな島が観光客でぎゅうぎゅう詰めになります。
お金を使う気取ったところばかりで、価値観がちょっと変わる。

カプリ。


それでは、夏休みを満喫してください。




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2023年8月1日火曜日

野草入りマルファッティは、道端の草とそれを食べた羊のリコッタから作る究極の地産地消料理。

(CIR)6月号はもうすぐ発売予定ですが(8/10頃)、今日は5月号のまだ取り上げていなかった料理の1つ、マルファッティmalfatttiの話です(リチェッタの日本語訳はP.4)。
マルファッティはロンバルディアはブレッシャの伝統料理。

ブレッシャBrescia。
マルファッティmalfatti。

ロンバルディアのプリーモ・ピアット。ニョッキの一種です。
リコッタとほうれん草の生地で、野草が入るのが特徴。
野草が入ることがこの料理の特徴を物語っています。
野草は、道端に生えているただで手に入る食材です。人間が食べるだけでなく、放牧されている羊も食べました。そしてそのミルクから作るリコッタと、パンが材料のこの料理は、ある意味、質素そのものの農民料理。ただし生物多様性の豊かな自然の宝庫でなければできない料理でもあります。地元の本物の産物をふんだんに使える地産地消を証明する料理でもあります。
ロンバルディアは、意外なことに、カンパーニアに次いでイタリアで2番目に人口が多い地方。面積に至ってはイタリアで一番大きな州。そのせいか、山、丘、平野、河、湖、森と様々な地形があり、水が豊かな地方としても知られています。水が豊かな平野では豚や牛が飼われ、平野ではヤギの群れが夏の牧草地へと移動する移牧の地で、様々な乳製品が造られました。
チーズ、バター、生クリーム、マスカルポーネ・・・。これらはロンバルディア料理の重要な要素です。
主要な穀物は米。そして主要な産物はバター、チーズと続きます。ロンバルディアのチーズはパダナ平野の特産物、グラナ、ストラッキーノ、平野で放牧されるヤギのリコッタ。
今日の料理、マルファッティは、野草入りのおかげで質素さが強調されていますが、最近では、この野草はイラクサの若葉やホップの芽など、グルメな食材を使う傾向があります。今回のリチェッタも、シレネという野草を使っています。

シレネ。

シレネは新ほうれん草で代用できますが、最近はカラフルなスイスチャードなどで代用することが多く、質素な野草というイメージは消えていきました。

スイスチャード。

ほうれん草とリコッタのニョッキで思い出すのがラバトン・ピエモンテージ。そっくりの料理でした。

アレッサンドリアのラバトン、ピエモンテージRabatòn piemontesi。




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2023年7月31日月曜日

ウナギのパスタを探していたら、マグロのオレッキエッテが見つかりました。実は夏向きのパスタだったオレッキエッテ。マグロのベストパートナーはミニトマト。

この猛暑の中で5月号の料理の話をするのは無理があるなあと、そろそろ思い始めていたころですが、お待たせしました。次号、6月号は、8/10発売予定です。
5月号のリチェッタで、ちょっと変わっていたのでレベル高すぎかもと思ってまだ紹介していないプリーモ・ピアットが何品かありますが、その一つは、
マグロのオレッキエッテです(P.3)。

時期的に、平賀源内の策略にのっかってウナギを食べたくなる季節なので、今日はウナギのパスタでもどうぞ。
バリ風ウナギのスパゲッティ。
ウナギは生きたまま比較的長距離移動できる魚で、クリスマスのような肉が宗教的に禁じられている日に食べることができる魚の一つでした。ナポリのようにウナギ料理がクリスマスの伝統料理になっている地方もあります。
バーリの魚市場でクリスマス料理の買い物をする人に、クリスマスに何を作るかインタビューする動画。

こちらはナポリの魚市場。


地方料理書シリーズの傑作、“グイド・トンマージ”の『クチーナ・ディ・ナポリ』

には、ナポリのウナギ“testona”は雌で長く、ナポリの食文化を語る時に避けては通れない食材。大ウナギ/カピトーネcapitoneとして知られています。クリスマスイブの夕食の主役です、とあります。
ちょっと無理やりですが、ナポリのウナギのクリスマス料理、カピトーネ・フリットcapitone fritto。
他に、カピトーネのスカぺーチェcapitone alla scapeceは、カピトーネのフリットが残ったら、それを有効利用した料理として紹介されていました。


そしてクリスマスのウナギのスパゲッティ。

マグロとズッキーニのオレッキエッテ(CIRのリチェッタは5月号P.3)。

オレッキエッテと同じサイズに切ったマグロとミニトマト、ズッキーニは、考えれば考えるほどオレッキエッテにぴったりかも。そもそもこのソースはパスタやハーブと相性良い。


コロコロした具に合うオレッキエッテは夏のパスタとしてもアレンジしやすい。

ツナのオレッキエッテ。

マグロとミニトマトを組み合わせれば、なんでも夏向きパスタになっちゃう法則発見。


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2023年7月29日土曜日

ルッカには、ズッパのデグスタツィオーネメニューがあるオステリアがある。さすがはトスカーナ。発想が面白い。

5月号(CIantenR)の地方料理(P.41)はガルム―ジャ・ルッケーゼでした。
春の料理をこの猛暑の中で話題にするのは無理があるなあ、という訳で、
今日は記事の中で紹介されていたガルム―ジャや地元ルッカの料理がおいしい店の動画でも。
地方料理の記事の中にはレストランガイドもわずかながらあるので、貴重な食べ歩きの参考にどうぞ。 まずは Mecenante。

そして面白そうなのが、osteria del nini。 webページはこちら
メニューにズッパのデグスタツィオーネというのがあるそうです。

デグスタツィオーネは味見という意味のあれこれ試せる料理で、料理に合うワインを選んで各種添えてくれるワイン込みのおまかせのようなメニュー。
 料理は店のお薦めのスペチャリタを少しずつ、というのが定番。
この店は、トスカーナ料理の名物としても知られるズッパで勝負しようとしているようです。
ボローニャ県のアグリゥーリズモのレストランテのデグスタツィオーネ・メニュー。

チーズのように種類が多いものを少しずつ味見したい、という時に便利なのがデグスタツィオーネ。 
でも、ズッパのデグスタツィオーネというのは初めて聞きました。 
どんな料理を出すのか、トスカーナだけに興味あるなあ。
ガルム―ジャとパッパ・アル・ポモドーロが同じ分類だった。 

パッパ・アル・ポモドーロ。

ガルム―ジャ・ルッケーゼ。

ズッパ・アッラ・フラントイアーナ。

リボッリ―タ。



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2023年7月28日金曜日

トスカーナでは緑には50種類あるそうです。初物尽くしのズッパ、ガルム―ジャは、パンも入るけど牛肉も入る。実は裕福な家庭が貧しい人におすそ分けした料理。

今日は(CIR5月号)の地方料理から、“ガルム―ジャ・ルッケーゼgarmugia luchese”(日本語のリチェッタはP.41)です。
ルッケーゼと言うからにはルッカの料理。そしてルッカはオリーブオイルで知られるトスカーナの街。
ここまでは基本情報。でも、ガルム―ジャという名前は、あまり聞いたことないのでは。

ルッカLucca。

ルッカの伝統料理。

ガルム―ジャ・ルッケーゼ。

聞いたことのない料理でしたが、どんな料理かというと、春の初物づくしのメニューです。
記事の最初に、こんな話が出てきました。緑には約50種類ある、というのです。
もう夏になっちゃいましたが、春になると登場する野菜をちょっと思い出してください。緑色の食材、というと、思いつくのはほうれん草ぐらい、とも思いますが、ルッカの人が思いつく緑のものは、初物/primizieと結びついた料理です。初物は春になって次々に登場してくる新鮮な野菜のこと。まず、グリーンピースは、ただのグリーンピースではなく、初物のグリーンピ―スは、柔らかくて甘いグリーンピースのことです。新ソラマメは別名バチェッリbacelli(さや)という名前で呼ばれます。この季節のソラマメの本体は、豆じゃなくてさやだったんですね。他に、アスパラガスやアーティチョークと言った野菜たち。
この料理はトスカーナが得意なこれらの初物を使った田舎風ズッパです。当然パンも入ります。あとはチッチョリなどの豚肉の脂。牛肉も入ります。実は、ブルジョア階級の料理と言われてます。これをたっぷり作って貧しい人にふるまったのだそうです。
1年のうちでも初物が出そろった短い期間にしかできないという緑色の料理。ちなみに、これらの野菜が出てくると、冬のキャベツの活躍が終わります。

初物の田舎風ズッパというと、ヴィ二ャローラvignarolaが有名。一説によると、ぶどう畑でぶどうの列の間の有効利用で栽培していた野菜を使うのでこの名前が付いたとか。
ラツィオの料理として知られています。
ヴィニャローラ。



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2023年7月27日木曜日

数種類の肉や食材を組み合わせたエミリア料理には、個性的なランバルスコを組み合わせるのがポイント。

今日はランブルスコに合うリチェッタのラスト、3品めです。
さて、この料理“ピスタチオ入りポルペットーネ”ですが、日本語のリチェッタは(CIR5月号P.47)です。
まず、このリチェッタの特徴は、豚肉と子牛肉の料理であること。さらにリコッタ・ロマーナも250g入ります。言い換えれば、肉と他の食材を調和させた詰め物です。
今までペコリーノ・ロマーナは度々見てきましたが、今回はリコッタ・ロマーナ。ペコリーノじゃありません。フレッシュチーズは産地で味わうとこれが本物の味か!!!ということを知ることができます。

羊飼いのリコッタ。


さて、このポルペットーネ、つまりミートローフですが、少なくとも3つの特徴的な材料が入っています。こういう料理に合わせるランブルスコは、個性的なものがよいそうです。
飲みやすさが特徴のランブルスコですが、様々な個性のものが造られています。記事を載せた『サーレ・エ・ペペ誌』では、カミッロ・ドナーティのイル・ミオ・ランブルスコという、ネーミングからして面白いランブルスコを組み合わせています。
下の動画はカミッロ・ドナーティが瓶内自然二次発酵について語る動画。先祖から受け継いでいる醸造方法を解説する彼は、なかなかのこだわりの醸造家のよう。ミオ・ランブルスコはランブルスコ・マエストリ種のぶどう100%。ランブルスコの中では色が最も深く出る品種だそうです。

ランブルスコの締めくくりは管理組合創立50周年を祝ったというニュース。まだまだ個性的なランブルスコがどんどん造られているようですね。
そういえば、そもそもどんな料理にも合うワインというのがランブルスコのセールスポイントだったはず。個性まで加わったら、この夏はランブルスコ一択かも。



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サーモンのベルガモットマリネ入りのミカンのリゾット。柑橘果実の活かし方をよく知っているのが南イタリア。

みかんのリゾットの話。まずは米の“ヴィアローネ・ナノ”について見てきましたが、次はみかんです。 みかんは今回はbergamottoと指定されています。 ベルガモットはミカン属の柑橘類。柑橘類を使うリゾットは各種ありますが、ミカンのリゾットは見たことなかったです。それにちょっと食べ...