2025年12月24日水曜日

クリスマスの主役、モロッツォのカッポーネ。

さて、クリスマスの去勢鶏、カッポーネの話です。
カッポーネは、肉が締まっていて美味しく、他の鳥類とは味の深さが違うんだそうです。
伝統的にはクリスマスのご馳走で、特にブロードが美味しいんだって。このブロードでトルテッリーニなどのパスタをゆでると絶品なんだって。ボッリートにすると口の中で溶けるほど柔らかく、ローストはゴージャスだそうです。

カッポーネのブロード。

カッポーネのボッリートとロースト。

カッポーネのブロードのトルテッリーニ。

最上質の肉にするためには、特別の飼料や飼育方法を用い、天然の植物性飼料で育てる。クーネオから15㎞ほどのモロッツォでは、スローフードの指定食材でもある“ビオンダ・ピエモンテーゼ”と呼ばれる国産鶏を飼育している。モロッツォではクリスマス前の月曜日にカッポーネの大きな品評会が開かれる。それに合わせて最高の上程になるように飼育される。復活祭の時期に産み付けられた卵が孵化して生まれた雄鶏を選別して、生後二日で性別を判断し、20日後、局所麻酔を施して痛みを与えない方法で去勢される。鶏舎はオープンエアで動き回れる十分な広さがあり、餌は穀物のみ。抗生物質も投与しない。虫も昆虫も地元で手に入るものだけ。放し飼いで自然に太らせて12月には成熟する。地元の経済を支える貴重な産物だ。

カッポーネ・ディ・モロッツォ。

2025年のモロッツォの鶏の優勝カップル。

 ただコストがかかる鶏の飼育は生産性が低く、産業化が進む時代に合わず、田舎の伝統は消えつつある。
昔からこの地方の農家では、クリスマスに去勢鶏を売ってプレゼントや子供のための新しい洋服を買った。

最後にもう一つ、さんざん鶏の話をしといてなんですが、クリスマスはキリスト教の祝日。そしてキリスト教ではクリスマスイブは、肉を断ち、野菜と魚を食べる“マーグロ”な日、なんですねー。だから、イブのチェーナ、イタリア語では cena della vigiliaの主役は魚なんでした。マーグロの日の魚の代表はバッカラ。

イブのバッカラのフリッテッレ。

ローマのクリスマスイブのメニュー。

ナポリのイブ。

イブのチェーナ。

イブの翌日は、本番、クリスマスのディナー。普段離れ離れになっている家族が集まる特別な日。この日だけは、チェーナcenaじゃなくて、チェノーネcenoneと呼びます。前日のメニューとは別に、お母さんは、とびきりゴージャスな食材を使って、家族の伝統も受け継いだ大作を作ります。まじリスペクト。

バーリのクリスマスのチェノーネ。

クリスマスの食材の代表は、キャビア、牡蠣、フォアグラなど。

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