ピアチェンツァは、エミリア・ロマーニャ州の街。その名物の一つは、パンチェッタ。
シェフのリチェッタ(P.27)にも登場している食材ですが、ただのパンチェッタではなく、パンチェッタ・ピアチェンティーナと、ピアチェンツァ産を指定しています。
パンチェッタ・ピアチェンティーナ。
『総合解説2011年8月号』には、こんなおもしろい記事の訳が載っていました。
イタリアが世界に誇る食材、サル―ミの話です。
なぜイタリアには様々な生ハムやサラミがあるのだろうか。
その理由の手掛かりは古代ローマ時代にある。絶え間なく労働と戦いが続く厳しい時代。食事は栄養価の高いものが求められた。サル―ミはこの要求に応えることができて、同時に、第二次世界大戦後まで常に不足していた貴重な動物性たんぱく源だった。
雑食性の豚はアリステレスも言うようにすぐに太るというので、かつては子供にとっての初めての貯金箱は陶器製で豚の姿をしていた。
毎日家庭の生ごみや都市の周囲の広葉樹の森の草を食べて太るので、貴重なカロリーとたんぱく質の節約にもなる。ちなみに、昔は森の広さを図る時は、そこで餌を食べている豚の数を数えたという。祭りの日には、豚のカロリーの大部分が蓄えられている脂肪と、貴重なたんぱく質の赤身肉を味わうことができる幸せな日だった。
余った部位をできるだけ長く保存するにはどうしたらよいのか、これが問題だった。
イタリアは地域によって気候が様々で、文化や食文化も多様だ。そのためにリチェッタには豊富なバレエーションが生まれ、その結果様々な種類のサルーミが誕生した。サルーミにはイタリアの伝統が映し出されているのだ。
サルーミを分類する場合も、もも肉、肩肉、パンチェッタなど単一の部位を使ったプロシュット、コッパ、パンチェッタなどと、赤身と脂身の挽肉をミックスしたサラミに分けることができる。
前者は熟成が可能で、生ハムの場合、長いものだと2年以上、一方サラミは大きさによるが数か月で出来上がる。
少しでも長く保存する方法は、地域ごとに数多く考え出されてきた。
寒い地域では太陽の光が乏しく、乾燥させにくいので、暖炉の熱を利用してスモークした。代表的なのはスペックだ。
ちなみにパンチェッタをスモークしたものがベーコン。両者は明確に違う食材。
そういえば、先月の(CIR10月号)の、“イタリアを象徴する歴史的食材”という記事で、そんな食材の一つとして紹介されていたのがジベッロのクラテッロ。イギリスのチャールズ皇太子、今やイギリス王のチャールズ3世は、その秘密を知りたがったそうです。彼は毎年エミリア地方で大量のクラテッロを注文していて、自分でも作りたがったそうですが、その材料を見つけ出すのは不可能だったそうです。それはポー河から離れた地の湿度と霧だ。地元で飼育された豚に手作業で塩をまぶし、網で包んでまず1週間高湿度で熟成させ、室温13~17℃の熟成庫で最低10ヵ月熟成させる。
これらの厳しい規制や産地の独特の気候のお陰で、均質な赤い肉と輝く白い脂肪、強い個性的な香り、甘くてマイルドな味が生み出される・・・。
ジベッロ
出典は『総合解説2011年8月号』料理月刊誌『a tavola』の記事からでした。
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