2025年2月3日月曜日

カンパーニアの食材と伝統を駆使したアルタ・クチーナで一世を風靡したドン・アルフォンソの名物料理、リガトーニのヴェスヴィオの原型はティンバッロ。

今日のお題は(CIR10月号)、の記事から、イタリア料理のアイコン、“リガトーニのヴェスヴィオ”です。
この料理が生まれたそもそものきっかけは、アルフォンソ・イアッカリーノと妻のリヴィアが、サンタガタ・スイ・ドゥエ・ゴルフィで始めたレストラン、ドン・アルフォンソ1890。
当時、一世を風靡した店ですが、シェフの名前はドン・アルフォンソじゃなくて、アルフォンソ・イアッカリーノでした。




ソレントはアマルフィ海岸への拠点ながら、高級リゾート地が続く中で、かなり庶民的な雰囲気がただようカンパーニアの街。

80年代のソレントのレストラン業界で、アルタ・クチーナを出すドン・アルフォンソの開業は冒険的な大事業。アルフォンソ・イアッカリーノシェフは、地元の産物を活かし、伝統と革新を感じさせる料理を作りだして、あっという間に美食家たちを虜にします。
彼が創り出したリガトーニのヴェスヴィオも、カンパーニアの産物、伝統を活かした料理でした。
そのベースにしたのは、パスタのティンバッロです。
このブログでも何度も取り上げてきた料理です。ランぺドゥーサの小説『山猫』でサリーナの領主の晩餐会でふるまわれた“記念碑のようなパイ”、と表現されたシチリアの貴族の伝統料理の一つ。

金色に輝き、砂糖とシナモンの香ばしい香りが立ち上る生地、ナイフをこの生地に差し込むと、まず熱い湯気と香りが飛び出してくる。そして中には鶏のレバー、ゆで卵、ハム、鶏肉、トリュフが肉のエキスでカモシカ色になった熱々のマッケロンチーニに絡まっているのが見える・・・。

そもそもティンバッロはフランスの宮廷で生まれ、モンズ―によって、フィレンツェ経由でナポリ、パレルモなど南イタリアの貴族たちの間に伝わった料理。
質素なパスタを18世紀フランス人修道士に、「貪欲の勝利」と言わせたご馳走。

ルキノ・ヴィスコンティ監督の傑作映画、『山猫』でもその晩餐会の場面で登場し、アラン・ドロンやクラウディア・カルディナーレといった大物俳優たちをすっかり食っていたのがこの料理、ティンバッロ。
復活祭のご馳走として南イタリアの人たちに愛され、上質の具材を使って作られましたが、残り物も有効利用する料理で、このあたりがカンパーニアの人たちにも受け入れられたのではないでしょうか。ナポリでは“サルトゥ”と呼ばれました。

サルトゥ―・ディ・リーゾ

これはすでにヴェスビオ山みたい。

パレルモのティンバッロは指輪のような小さなパスタ、アネッリ―ニを使います。

ヴェスビオとナポリ。ナポリを象徴するこの山を、どんな料理にするのでしょう。

父親の傑作を受け継いだ息子、エルネスト・イアッカリーノ。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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カンパーニアの食材と伝統を駆使したアルタ・クチーナで一世を風靡したドン・アルフォンソの名物料理、リガトーニのヴェスヴィオの原型はティンバッロ。

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