今日のお題は(CIR10月号)、の記事から、イタリア料理のアイコン、“リガトーニのヴェスヴィオ”です。
この料理が生まれたそもそものきっかけは、アルフォンソ・イアッカリーノと妻のリヴィアが、サンタガタ・スイ・ドゥエ・ゴルフィで始めたレストラン、ドン・アルフォンソ1890。
当時、一世を風靡した店ですが、シェフの名前はドン・アルフォンソじゃなくて、アルフォンソ・イアッカリーノでした。
ソレントはアマルフィ海岸への拠点ながら、高級リゾート地が続く中で、かなり庶民的な雰囲気がただようカンパーニアの街。
彼が創り出したリガトーニのヴェスヴィオも、カンパーニアの産物、伝統を活かした料理でした。
そのベースにしたのは、パスタのティンバッロです。
このブログでも何度も取り上げてきた料理です。ランぺドゥーサの小説『山猫』でサリーナの領主の晩餐会でふるまわれた“記念碑のようなパイ”、と表現されたシチリアの貴族の伝統料理の一つ。
金色に輝き、砂糖とシナモンの香ばしい香りが立ち上る生地、ナイフをこの生地に差し込むと、まず熱い湯気と香りが飛び出してくる。そして中には鶏のレバー、ゆで卵、ハム、鶏肉、トリュフが肉のエキスでカモシカ色になった熱々のマッケロンチーニに絡まっているのが見える・・・。
そもそもティンバッロはフランスの宮廷で生まれ、モンズ―によって、フィレンツェ経由でナポリ、パレルモなど南イタリアの貴族たちの間に伝わった料理。
質素なパスタを18世紀フランス人修道士に、「貪欲の勝利」と言わせたご馳走。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の傑作映画、『山猫』でもその晩餐会の場面で登場し、アラン・ドロンやクラウディア・カルディナーレといった大物俳優たちをすっかり食っていたのがこの料理、ティンバッロ。
復活祭のご馳走として南イタリアの人たちに愛され、上質の具材を使って作られましたが、残り物も有効利用する料理で、このあたりがカンパーニアの人たちにも受け入れられたのではないでしょうか。ナポリでは“サルトゥ”と呼ばれました。
サルトゥ―・ディ・リーゾ
これはすでにヴェスビオ山みたい。
ヴェスビオとナポリ。ナポリを象徴するこの山を、どんな料理にするのでしょう。
父親の傑作を受け継いだ息子、エルネスト・イアッカリーノ。
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