(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)2022年10月号のシェフは、現在注目のピアチェンツァ出身のイサ・マッツォッキシェフ。故郷、ピアチェンツァとの親密な結びつきを料理で表すシェフ、ということで、まずはピアチェンツァの名産品を紹介しました。
イサ・マッツォッキ
ちなみに、ポー河に接するエミリア・ロマーニャ州の街、ピアチェンツァ。
エミリア・ロマーニャの食文化を伝える傑作本としてお薦めなのが、
『ブルーノ・バルビエリ/ビア・エミリア』です。ポー河添いの町で育ち、料理人になったブルーノ・バルビエ―リの子供自体に体験したエミリア・ロマーニャの町の食文化と農民の暮らしが美しいイラストで語られる本です。エミリア・ロマーニャに親戚はいないけど、この本のおかげで、エミリア・ロマーニャの農家にサマーキャンプに行ったことがあるような気分になれます。
この本で初めて知ったのが、“aia”という言葉。脱穀場という意味だそうです。ここは家禽が放し飼いされる場所。家禽というと鶏あたりが一般的ですが、エミリア・ロマーニャのポー河添いの農家では、豚を飼っていました。ただ、豚舎があって何匹も飼っていた、というのとは違って、家族で消費する豚の脂身(豚は肉より脂身のために飼っていました)のためでした。そして毎年、寒さが厳しくなると豚を捌きました。
アイアとオルト/脱穀場と畑
豚と農家の関係を描いた漫画と言えば荒川弘の『銀の匙』
『銀の匙』トレーラー
飼ってる豚を食べる、ってぃう超ショッキングな話。でも、この本は、捌かれる豚の悲鳴が忘れられないという、もっと具体的でリアルな話で、家の庭で豚を飼ってるこの地方の農家の暮らしが強烈に伝わりました。この日はワインもふるまわれて年に一度のお祭り状態だったようです。
さて、イサ・マッツォッキシェフの1品目は、“じゃがいも、パンチェッタ、バッカラのタリオリーニ”。
パンチェッタがピアチェンツァの名物ということは伝えてきましたが、面白いのがバッカラです。
バッカラはノルウェーから運ばれて北東イタリアに広まった干ダラ。このパスタのベースは、ベネチアの名物料理、“バッカラ・マンテカート”なのです。この料理はピアチェンツァでも名物。
バッカラ・マンテカート
バッカラ・マンテカートは、バッカラをクリーム状に煮崩したベネチアのオステリア、バカーロのつまみ、チケッティの人気の1品。
普通はパンのクロスティーニやポレンタにのせます。それをタリオリーニのソースにしたのがイサの料理。
バッカラ・マンテカートのパスタ
残ったバッカラ・マンテカートを牛乳で溶いてソースにしたパスタ。
イサのリチェッタ(P.27)ではバッカラ・マンテカートをヴェッルタータ・クリームにしてパスタとあえます。さらにじゃがいものクリームとパンチェッタ・ピアチェンティーナも添えます。
P.28の“ピザレイ・エ・ファゾー”は、ピアチェンツァのシンボル料理、ピザレイ・エ・ファゾーのアレンジ。
ピザレイ・エ・ファゾーはとても素朴な料理だけど、その背景を知ると、なかなか面白い1品。
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