2025年1月18日土曜日

リアルトの魚市場は、観光客が名画でも鑑賞するかのように好奇心一杯で魚を眺めていく。

なつかしい2011年8月号の「総合解説」には、もう一つ、ベネチア関連の記事の翻訳がありました。記事は“リアルトの魚市場”、雑誌は『ガンベロ・ロッソ』でした。『ガンベロ・ロッソ』はワインやレストランの格付け本でおなじみの、プロ指向の雑誌。
記事では、リアルトの魚市場を“ベネチアの観光スポット”と紹介しています。

リアルトの市場

それでは記事をどうぞ。食の専門知識を持つイタリア人の目でリアルトを語る興味深い記事です。

「ヴェネチアの現代の食生活の中心にあるのは魚だ。食材としてだけでなく、旧市街の数少ない住民のコミュニケーションの素材でもある。現実には、魚は常に現代のように評価されていたわけではない。嫌われないまでも、単に無視されていた時代もあった。料理本は肉料理ばかりで、現代になって初めて、状況は逆転したのだ。有名な橋の近くにあって、ヴェネチア料理を象徴している魚市場も、現在のように豊富な種類はなく、品質も高くなかった。
 市場には、世界中から商品が商品が集まる。カナダ産のイセエビがリド産の蟹の横に並び、チュニジア産コウイカとヴェネチアの潟産の小さなイカが並ぶ。いずれにせよ、地元産の魚はあまりにも少なくて、商売にならず、結果として外国産に頼らざるを得ない。ブラーノの漁師もリアルトに魚を持ち込む。さらに、周辺を観光客が名画でも鑑賞するかのように好奇心一杯で魚を眺めていく。



リアルトの市場には商取引の場として千年以上の歴史がある。小売りや卸売市場であるだけでなく、古代には都市の金融機関でもあった。取り引きされるのは、主に遠くオリエントから運ばれてヴェネチアに富をもたらしたスパイスだった。市場は朝7時30分から夜の12時まで開いていた。
 市場の仕事は過酷だ。どんなに寒い日でも、夜明け前には仕事か始まる。そのせいか、若者が働いている姿はあまり見ない。どこも後継者不足だ。26年間市場で魚を売っているロリスは、ここをやめて魚料理を出すレストランを始めた」

記事には彼が始めた店、al fontengo dei pescatoriの紹介もありました。飾らないが食材にはこだわった店だそうです。さすがはガンベロ・ロッソ、店の情報は詳しい。

とても興味深い記事ですが、イタリア語の雑誌のわずか1ページの記事を読む人はほとんどいないだろうと思うので、この記事も、埋もれていちゃうんだろうなあ。もったいない。

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