2022年4月12日火曜日

ボットゥーラシェフが故郷モデナのために創設した2つのボランティア団体はトルテッリーニを通してモデナの人を一つにがっしりと結びつけている。

モデナの人にとって、トルテッリーニがとても愛されている料理、というのはだんだんわかってきました。
今月の《ノンナのリチェッタ》の記事にも詳しくある通り、この料理は、モデナの人々が伝統を作り上げてきました。その主役はレズドーラrezdoraです。
(CIR)P.15の写真は、孫からハグされるレズドーラ。トルテッリーニは、生地、詰め物、ブロードからなりますが、レズドーラは主に生地を担当します。
この地方では麺打ちは女性の役割。


イタリアでは昔ながらの男女の役割がまだ健在のようで、麺打ちは女性の仕事、詰め物作りは男性の仕事、とかなりはっきり区別していたようです。
嫁が姑から持参金として受け継ぐのはこの立派な麺棒materello(matarela)。
レズドーラには麺棒使いの達人、という意味もあります。
長女が母親の技を受け継ぐ象徴が、麺棒でした。

女性のレズドーラには、麺打ちの名人とともに、家計を切り盛りする優秀な主婦、というニュアンスもあります。
料理教室で習うのも麺棒の使い方。

薄く均一に伸ばすのがベテラン。リチェッタには、麺棒が長いのは、両腕を広げて掌で麺棒を回転しやすくするため、というアドバイスが。さらに生地の端はテーブルから垂れ下がらせるとも。
こんな秘訣を若い世代に受け継がせることに、モデナのノンナたちはとても熱心ですが、マッシモ・ボットゥーラのようなモデナの名士も熱心に活動しています。
ボットゥーラシェフは、自閉症の長男の存在が大きいのでしょうが、自閉症児のためのボランティア団体を支援して、子供たちがトルテッリーニを作る共同研究所、トルテッランテtortellanteを創設しています。
トルテッランテ。

ラ・サン・二コラはモデナのノンナたちが若者に技術を伝える場にもなっているカルチャーセンター。カステルフランコ・エミリアのトルテッリーニ祭りの中心でもある。この団体もボットゥーラシェフが作ったボランティア団体。


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