2022年4月18日月曜日

シチリアのオーブン焼きパスタの傑作、ティンバロには、シチリア以外では見かけない小粒のパスタ、アネッレッティが最適。

“パスタ・ンカッシャーテ”のあまりのボリュームに、見てるだけでもおなか一杯状態だったのですが、
シチリア料理のミニシリーズ、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズの『イン・ターボラ』で、アネッレッティのオーブン焼き、というンカッシャーテを人間サイズにしたような小型のオーブン焼きパスタを見つけました。
一番の違いはパスタです。ンカッシャーテはマッケロンチーニ、またはセダノ・リッシというマカロニで造りますが、アネッレッティは小さな指輪というその名の通り、小型でかわいいパスタ。
ラグーの具も、パスタの大きさに合わせた小角切りやみじん切り、挽肉にします。

アネッレッティのオーブン焼き

アネッレッティはかなり個性的なパスタで、シチリアの名物パスタですが、オーブン焼き以外にはあまり使われません。
ワインメーカープラネタの力作シチリア料理の本、

シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ』によると、

シチリアの外ではあまり見かけないパスタだそうです。
小さいパスタなので周囲を固める必要があり、オーブン皿に入れて焼くオーブン焼きや、生地に包んで焼くシチリア名物のティンバロにするのに最適。
には、米、パスタ、なすの薄切りで固めたティンバロがありますが、パスタのティンバロはかなりの大作になります。
パスタ・ブリゼで覆うパスタのティンバロ↓
祝日に作るかなりのご馳走。


一方、プラネタのアネッレッティのティンバロは、パスタを鍋に入れてパン粉を散らして表面をカリっと焼き上げるという、かなり都会的な洗練されたスタイル。

それでは、プラネタのアネッレッティのティンバッロのリチェッタをどうぞ。
本には、「私たちシチリア人にとって、アネッレッティのティンバロは復活祭の料理だ。外側のパン粉の皮は、もっと厚くすることもできるが、マイルドで軽い料理にしたかったのでパン粉は薄くした。」とあります。

アネッレッティのラグーがけのティンバロ/Timballo di anelletti al ragù

材料/6~8人分
アネッレッティ・・1㎏
ブローボラ・ドルチェ・・150g
パン粉・・150g
おろしたペコリーノ・シチリアーノ・・80g、塩
《ラグー》
豚肩肉・・600g
牛すじ肉・・600g
玉ねぎ・・2個
にんじん・・1本
セロリ・・1本
トマトのパッサータ・・2ℓ
トマトペースト・・大さじ1
水・・1カップ
熟成した赤ワイン・・1カップ
ローリエ、EVオリーブオイル
《グリーンピース》
生のグリーンピース・・400g
玉ねぎ・・小1個
バター・・50g
塩、こしょう

・玉ねぎのみじん切りを水1カップ、油少々で鍋でソッフリットにする。
・小さく切った肉を加えてよく炒め、ワインをかけてアルコール分を飛ばし、10分煮る。
・トマトペースト、パッサータ、ローリエ、塩を加えて弱火で2時間煮る。
・肉が柔らかくなって煮崩れたらラグーの出来上がり。
・玉ねぎのみじん切りを油で炒め、グリーンピースを加えて5分煮る。
・パスタをアルデンテにゆでてラグーであえる。冷ましてブローボラの小角切りとグリーンピースを加える。
・深いオーブン皿に手でバターを塗り、パン粉一握りを入れて全体に広げる。
・中央にアネッレッティを入れて押して均一に平らにし、パン粉とブローボラを散らす。
・180℃のオーブンで30~40分焼く。


組み合わせるお勧めのワインは、プラネタ・エルツィオーネ1614・カリカンテ。
エルツィオーネとは、噴火という意味。1614年の噴火という名前のワインです。名前だけで飲んでみたくなる。さすがのネーミングセンス。

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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

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