2022年4月10日日曜日

イタリア地方料理の基本は残り物で造るご馳走。

エミリア・ロマーニャの話題多めの今月号ですが、リチェッタ2品めは、“バルサミコ酢入マヨネーズ”。手作りのマヨネーズにモデナの名物、バルサミコ酢を加えただけの、超シンプルなソース。なのに、モデナという強い地方色と高級品感が爆上がり。すべてはモデナ人御用達ビネガーから世界的な食材になったバルサミコ酢のおかげです。



バルサミコ酢は重いビネガーなので、他のフレーバー・ビネガーのようにサラダや白肉にかけるものではなく、ゆでたじゃがいも、鳩肉、牛肉などの赤肉にかける、と上の動画では言っています。
バルサミコ酢についてはこのくらいで、今回は、エミリア・ロマーニャのパスタの話。
パッサテッリです。リチェッタは今月の(CIR)、P.4にあります。
“ノンナ・アンチェッラのパッサテッリ”と料理名にありますが、このノンナはボッツゥーラシェフのおばあちゃんのこと。つまり、おそらくシェフはこの味を食べて育ったのですね。
“パッサテッリ”は個性的なロマーニャ地方のパスタ。イタリア地方料理の基本を網羅した本、

1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』によると、ロマーニャ地方の田舎で生まれた料理で、固くなったパンと干からびたチーズ(残り物)で作る創意工夫にあふれた料理で、厩から生まれたレストラン料理、なんて呼び方もします。パッサテッリの型がない時はポテトマッシャーで代用します。定番はスープパスタ、(in brodo)ですが、最近のシェフは、ラグーをかけたり、アサリやエビのソースをかけた乾麺のパスタのような1品にするのがトレンドです。
“残り物で造るご馳走”というのは、イタリア地方料理の大切なキーワード。
主婦たちが、創意工夫をこらしてやりくりした結果生み出された料理です。



スローフードのオステリア・ディ・イタリアのガイド兼地方料理書、『イタリア・イン・クチーナ


のパッサテッリのリチェッタは、ボローニャのオステリア・ボッテガのものです。


 
リチェッタは、パッサテッリのラグー。Passatelli al ragù

Osteria Bottega, Bologna

材料/4人分
《パスタ》
パン粉・・120g
卵・・2~3個
パルミジャーノ・・100g
レモンの皮・・1/2個、塩
《ソース》
子牛肉・・250g
ミニトマト・・5~6個
にんじん・・2本
ズッキーニ・・小2本
にんにく・・2かけ
セージ・・2枚
セロリ・・1本
セルフィーユ・・1束
白ワイン、EVオリーブオイル、塩
《その他》
ブロード・・1.5ℓ

・トマトを4つに切って水気を切り、種を取る。
a.にんにくとセルフィーユをみじん切りにする。
・トマトを油とaで調味して冷蔵庫で3時間マリネする。
・パン粉とおろしたパルミジャーノをこねて卵、塩少々、レモンの皮のすりおろしを加える。閉まった生地になったら低温の場所で休ませる。
・肉を小角切りにする。セロリ、セージ、にんじんをみじん切りにする。
・香味野菜のみじん切りとにんにく1かけを油でソッフリットにする。
・肉を加えて炒め、塩、こしょうする。ワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・ズッキーニを小角切りにして小さく切ったトマトと混ぜる。ラグーに加えて混ぜ、取り出す。
・生地を穴の大きな型を通してパッサテッリにし、ブロードでさっとゆでる。浮かび上がったら取り出してラグーのフライパンに加え、よく混ぜる。

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よもぎはドイツ語ではベアムート。かっこよくてお餅につける名前じゃないよね。トリノでパティシエが白ワインとよもぎから作りだしたのがベルモット。

今日のお題は、メイド・イン・イタリーの食材です。(CIR2022年1月号P.37の記事) その食材は、ベルモット。ピエモンテ州トリノで誕生したフレーバード・ワインです。 白ワインにスパイスとハーブを加えて香りをつけたもの。 ところで、ベルモットはドイツ語の“ヨモギWermut”が...