2021年8月24日火曜日

クラッコシェフがなすを切る時注意するようにとわざわざ本に書いている、ということは、昔、なすで指切ったな(www)。

なすの話、北も南も見たので、次はシェフの本から。
イタリア地方料理の本をたくさん書いている、カルロ・クラッコシェフ。
著書もたくさんありますが、今日は、「クールにしたいならエシャロットを使う。
なにやら意味不明なタイトルで、なんの本か、最初は全然わかりませんでした。
読み込んでいるとだんだんわかってきます。結局、若者のためのイタリア地方料理の入門書だったのでした。
内容はレベル1から3まであって、レベル1の“なすのミント風味”という章の“スクオラ・ディ・クチーナ”レッスンNo.3に、なすの使い方について書かれています。
それでは訳してみます。
なすのミント風味melanzane alla menta
「なすはズッキーニの花のように私にとっては太陽と夏を象徴する野菜だ。
どこかりんごのようで、なすもりんごもドルチェにもサラータにもなる。唯一の違いはなすは生では食べられないこと。」

材料/4人分
なす(長くて太すぎないタイプ)・300gが2本
ミント・・2枝
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル、粗塩、こしょう

・なすの新鮮さは実が締まっていることで分かる。味の強い皮が好きでないなら、完全に取り除いてもよい。
・なすは縦に半分に切って(カーブしているので包丁の扱いには気をつける)、実の中央にひし形の切り込みを入れる。塩、軽く潰した皮付きにんにく、油で調味し、小さな穴を開けたアルミ箔で覆って160℃のオーブンで約1時間焼く。
・実をくり抜く(火が通って美味しくなっている)。皮は容器として取っておく。
・実を包丁で刻む、またはミキサーにかけて皮に戻す。
・ミントは大きな葉を選んでジュリエンヌに切り、なすにのせる。
・なすの周囲にはミントの穂先を散らす。好みでなすの上ににんにく、塩少々、油を加える。

“スクオラ・ディ・クチーナ”レッスン3(なすの使い方)
紫色で小型のなすや、丸くて皮が黒いもの、長くてカーブした紫色のものなど、白いものなど、なすには少なくとも6、7品種が出回っており、昔は長いタイプのものをグラティナーレすることが多かった(現在は減っている)。半分に切って実に切り込みを入れ、パン粉、チーズ、オイル、にんにくで覆ってオーブンで30分グラティナーレすると完成。もっと大きいなすはカポナータcaponataかフンゲットfunghettoが適している。
紫色の丸いなすは薄い輪切りにして鉄板で焼き、トマトの輪切り1枚、生ハム1枚、チーズ1枚をのせてオーブンで焼くと美味しい。
小さな物は沸騰した酢水で3分下ゆでして色止めしてオイル漬けにしすると冬中食べることができる。

なすはジョーカーのような万能選手で様々な料理に使うことができるが、ルールが1つだけある。大きく膨らんだなすは水分が多いので、味が弱い。このタイプのなすは余分な水気を抜いてから使う。新鮮で質のよいなすは小型で種がない。

クラッコシェフは、昔から若手の先生のような人ですが、それてにしも、手取り足取り、詳しく解説しています。
なすがカーブしているから気をつけて、なんてアドバイスは、かつて滑って指でも切ったことがあるのではと想像してしまいます。
クラッコシェフがなすを切る。↓
それにしても、若手料理人のアニキのような性格で豊富な知識を惜しみなく次世代に伝えています。
本からの翻訳、明日に続きます。

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