2008年4月1日火曜日

フィオレンティーナの復活

きのう書いたモッツァレッラの問題もそうですが、食の分野は、何か事が起こると社会全体を巻き込んだ大きな問題に発展するケースが多いですよねえ。
日本でも、餃子だ、偽装だと次々に事件が起こるのですっかり忘れてしまった感がありますが、ちょっと前までは、世界は鳥インフルエンザ問題に揺れていましたよね。
その前は、どんな問題が世界中を騒がしていたか、覚えていますか。
BSEです。
牛丼が消えると言ってマスコミが大騒ぎしたあの問題は、今はどうなっているのでしょうか。

日本で牛丼を直撃したBSEは、イタリアでも、ある有名な料理をイタリアから消してしまいました。
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナです。


Bistecca Fiorentina
Originally uploaded by laauuren



背骨付きのTボーンステーキ、フィオレンティーナは、2001年3月31日にイタリアでの販売が禁止されました。
骨が付いていなければOKだったのですが、それでは本物のフィオレンティーナではないと、トスカーナの食品業界は大反発。

以前、このブログにも書いた世界一有名なキアンティの肉屋さん、ダリオ・チェッキーニさんに至っては、フィオレンティーナの消滅を悼む碑まで作ってしまいました。
(以前のチェッキーニの話はこちら


in memoria della bistecca alla fiorentina // panzano
Originally uploaded by dottorpeni



このプレート、よく見るとわかるのですが、下のプレートは、フィオレンティーナの復活を祝う文章です。
そうです。
2006年1月1日に、24ヶ月齢以下の牛のフィオレンティーナが解禁されたのでした。
この時は、あちこちの料理雑誌でフィオレンティーナの特集が組まれていたなあ。
『サーレ&ぺぺ』2006年3月号(クレアパッソの今月配本号)の「骨付き肉」の記事では、そのトップを飾ったのがフィオレンティーナです。

そして2008年2月、EUは30ヶ月齢までの牛のフィオレンティーナも解禁しました。
これでようやく本物のフィオレンティーナが戻った、とイタリアでは報じられています。

BSE問題で消えたフィオレンティーナが完全に復活するまでには7年かかったわけですね。
時間はかかっても、安全が戻ったのだからよかったよかった。
ヨーロッパではこうやって徐々にBSE以前の状態に戻っているようですが、日本はどうなんでしょうかねえ。


-------------------------------------------------------

関連誌;『サーレ&ぺぺ』2006年3月号(2008年3月現在クレアパッソで販売中)
「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」のリチェッタは「日本語訳/サーレ&ぺぺ」に載っています。


[creapasso.comへ戻る]

==============================================

2 件のコメント:

青 さんのコメント...

こんばんは。
古い記事にコメントして申し訳ないです
日本だと牛骨は販売が昨年あたりからすこしずつ再開されていますが、Tボーンとか背骨はまだまったく音沙汰ないです・・
2008年に1匹見つかってしまったので仕方無いと言えば仕方ないのですが、早く骨も手に入るようになるとうれしいです。

prezzemolo さんのコメント...

青さん
コメントありがとうございます。
Tボーンはまだだめなんですか!
かなり長い間制約を強いられているんですねえ。
牛肉の規制は、骨付き肉を食べると病気になる、的な発想が広まっている元凶のような気がして、なんだかなあといつも思っています。

バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...