イタリア料理ほんやく三昧: 山猫のティンバッロ(ティンバロ)

2008年4月11日金曜日

山猫のティンバッロ(ティンバロ)

庶民料理の傑作が多いイタリアで、ティンバッロtimballoは珍しく貴族の血統のゴージャスな料理。

“ティンバッロ”の語源は「太鼓(ティンパノtimpano)」。
つまり、太鼓の形をした詰め物料理のことで、ナポリのティンバッロ・ディ・マッケローニ、お米のティンバッロ、なすのティンバッロなど、バリエーションは様々。
サルデーニャのパナーダもティンバッロの一種。

クリスマスのティンバッロ
お米のティンバッロ
なすのティンバッロ
生ハムで覆ったリゾットのティンバッロ
皮なしティンバッロ
サルデーニャのパナーダ

貴族料理の象徴となったティンバッロもあります。
『山猫』のティンバッロです。

『山猫』はジュゼッペ・トマージ・ディ・ランペドゥーサのベストセラー小説ですが、ルキノ・ヴィスコンティ監督の映画でも有名。

舞台は19世紀末のシチリア。
ラグーザ郊外のドンナフガータの館で、貴族の絢爛豪華なパーティーが繰り広げられます。




その宴席に登場したのがマッケローニのティンバッロ。




今年2008年は『山猫』が出版されてちょうど50年目にあたります。
3月13日には、ローマの4つ星ホテル、ブラック・ホテル(blackhotel.it)で、山猫の宴会を再現するイベントも開催されました。


ランペドゥーサは小説の中でティンバッロのことをかなり詳しく描写しています。
それによると、金色の生地からはシナモンと砂糖の香りが漂い、具にはマッケローニや鶏のレバーの他にトリュフもたっぷり入っていたそうで。

ランペドゥーサがリチェッタを書いた訳ではないのですが、19世紀末のシチリアの貴族料理を元に、このティンバッロを再現したリチェッタもあります。
mangiarebene.comに載っているものを訳してみました。

6人分
スーゴ・ディ・カルネ・・400cc(グラス・ド・ビヤンでも可)
鶏・・1/2羽
きのこ・・100g
鶏レバー・・100g
ハム・・200g(細く切る)
サルシッチャ・・100g
小粒のグリーンピース・・120g(アルデンテにゆでる)
バター
マッケローニ・・500g
おろしたパルミジャーノ・レッジャーノ
ゆで卵・・3個(輪切り)
塩、こしょう
黒トリュフ・・1個

パスタ・フロッラ(タルト生地);
小麦粉・・400g
砂糖・・200g
バター・・200g(室温)

シナモンパウダー
卵黄・・4個

クレーマ・パスティッチェーラ;
砂糖・・大さじ3
卵黄・・3個
小麦粉・・大さじ2

シナモンパウダー
牛乳・・500cc

・パスタ・フロッラの材料を手早くこねて均質の生地にし、布で覆って冷蔵庫で1時間休ませる。
・クレーマ・パスティッチェーラを作る。
・鶏をゆでて200gを挽く。鶏挽肉、卵1個、ハム100g、パルミジャーノ大さじ2、プレッツェーモロのみじん切り、塩を混ぜてヘーゼルナッツ大のポルペッティーネにする。これをたっぷりの油で揚げる。
・フィナンツィエーラ;残りの鶏肉とハムをバター少々で炒める。レパー、サルシッチャ、きのこ、ポルペッティーネ、グリーンピースを加えてさらに炒める。鍋に移し、スーゴ・ディ・カルネ大さじ数杯を加えて数分煮る。
・マッケローニを硬めのアルデンテにゆで、スーゴ・ディ・カルネ、バター、たっぷりのパルミジャーノで和えて冷ます。
・直径30㎝のエンゼル型にバターを塗り、パスタ・フロッラの2/3で内側を覆う。生地が型からはみ出すようにする。
・マッケローニの半量、フィナンツィエーラ、ゆで卵の順で詰めてパルミジャーノとトリュフの剥片を散らし、残りのマッケローニをややドーム形になるようにのせる。その上からクレーマ・パスティッチェーラをかけて吸い込ませる。
・残りのパスタ・フロッラで覆ってふちを閉じ、表面に溶き卵を塗る。
・180度のオーブンで45分焼き、5分休ませて型から出す。すぐにサービスする。


貴族のティンバッロの特徴は、塩味と甘味の組み合わせ。
このリチェッタも、塩味の詰め物を甘い生地で包んでいますね。



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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年2月号
「ナポリのマッケローニのティンバッロ」のリチェッタは「総合解説」P.6に載っています。


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