2021年7月21日水曜日

液体窒素のジェラート

こう毎日暑いと、へろへろです。
なるべく冷たいものが見たい、ということで、今日は、液体窒素のジェラートのお題なんかどうでょう。
液体窒素の調理が流行ったのはもうふた昔ぐらい前のことになるのでしょうか。


イタリアはもちろんジェラートの消費量が多い国ですが、実は北のほうが南より消費量が多いのです。
ジェラートの輸出量が増えるに従って新製品がどんどん登場しましたが、人工的なフレーバーより、地元の季節の食材を使ったものが人気です。
人工的なフレーバーの次は伝統食材、次は奇抜さを競ったフレーバー作り、とトレンドは移り変わっていきました。

下の動画では、ローマのあるジェラテリーアをガンベロ・ロッソが1位に選んだ店として紹介していますが、実はこの店、ローマで最初に液体窒素のジェラートを出した店でもあるんです。
ジェラテリア・トルチェ↓

店主のクラウディオ・トルチェさんは液体窒素に魅せられて、独学でジェラート作りをマスターし、今ではあらゆるものを凍らせているそうです。
彼は、液体窒素は普通のジェラートマシンでは凍らせることができないワイン、ビール、カクテルなどのアルコール飲料も凍らせることができる、と語っています。
-196℃の窒素で冷やすと、粒子がとても小さくて均一のジェラートになり、普通のジェラートよりクリーミーで香りが強いジェラートになるのだそうです。
口に入れた時の冷たさは穏やかで、少量でも作れます。
特殊な設備もいりません。増粘剤を必要としないのでより自然なジェラートと言え、脂肪分を少なくすることも可能です。
正しく扱えば、液体窒素は沸騰した揚げ油より安全だそうです。
ただ、なんでも簡単にあっという間に雲のような軽さのジェラートにすることができるので、ジェラートにする前に食材の組み合わせが生み出す味のバランスなど、食材をよく知ることが大切。



そして最近気になりだしたりが、わさびに対する外国人の認識。
値段の高さと栽培の難しさと、体験したことのない辛さが知れ渡って、とても不思議な食べ物になっているようです。

お悔やみ申し上げます。

ローマの人気ジェラテリア・ヴェンキ↓


ジェラートの本のお勧めは『ジェラーティ』 

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「日本語解説(CIR)」
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2021年7月20日火曜日

カチョカバッロ、番外編。

今日は、カチョカバッロの動画を探している間に見つけた動画。
夏休みに入ったということで、番外編です。
その1。
名前が不気味な、カチョカバッロの絞首刑。
ダイナミックにグリルしてとろけさせるのがカチョカバッロの食べ方。
グリル用のセットが販売されてた。

下の動画は、映画『あしたのパスタはアルデンテ』。
映画はカンパーニアのパスタメーカーの経営者一族という、南イタリアを象徴するアルティジャナーレの伝統を守る職人の家族が、時代の波にもまれながら乗り越えていく姿を描いたもの。
アルティジャナーレのパスタを守る食べながら観ると最高。
挿入歌は歌詞がわかりやすくていい感じ。



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2021年7月19日月曜日

モッツァレラのいとこたち、パスタ・フィラータのチーズ。

プローボラの締めは、
パスタ・フィラータのチーズについて。


プローボラにはモッツァレラという人気者のいとこがいます。
ここでちっょと初心に帰って、モッツァレラ造りの様子でも。


モッツァレラは、“パスタ・フィラータ”と呼ばれる、製造過程の中でフィラトゥーラと呼ばれる独特の製法を用いるチーズです。
このタイプには、カチョカバッロ、プロボローネ、スカモルツァ、ブッラータなども含まれます。
モッツァレラのフィラトゥーラ↓


フィラトゥーラは、レンネットを加えて固まったミルクの塊を砕いた後、レンネットの酸が含まれた高温のホエイの中に数時間漬けて生地のミネラルを落とし、弾力を加える製法です。
弾力を加えた生地を手で伸ばして(フィラート)、カチョカバッロのような洋ナシ型、ラグザーノ・シチリアーノのような立方体、フィオル・ディ・ラッテのような三編み型など、様々な形にします。

モッツァレラはカンパーニアとラツィオの南部産の水牛のミルクを使ったモッツァレラのみが使うことができる名称。牛乳から造られたモッツァレラはフィオル・ディ・ラッテと呼びます。
ブッラータはモッツァレラにストラッチャテッラを詰めたもの。

北イタリアで唯一のパスタ・フィラータのDOPチーズ、プロボローネ・ヴァルパダーナ。

南イタリアで造られているカチョカバッロ・シラノ↓

地元のモディカーナ種のミルクのものが最高とされているラグザーノ↓

スカモルツァ↓

ナポリ料理のお勧め本、“GT地方料理シリーズ”『クチーナ・ディ・ナポリ』

ルチアーノ・ピーニャターロの『リチェッテ・ディ・ナポリ』

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2021年7月18日日曜日

プローボラよりカチョカヴァッロという名前が愛されている南イタリアを代表するチーズ。

プローボラ料理、今日はまずピッツァイオーラです。
リチェッタは今月の(CIR)のP.38。


リチェッタで使ったプローボラはプローボラ・デッレ・マドニエ。
スモークタイプのシチリアのチーズです。

にんにくをソッフリットにしたオイルにトマトのパッサータ(生が手に入る時期なら生のトマト)とオレガノを加えたソースでスライスしたプロボローネを煮ます。
このチーズが肉と同じ扱いを受けていたことがわかる料理です。

プローボラ・デッレ・マドニエ。

マドニエはこんなとこ。パレルモ県の国立公園に指定されている、地中海の大自然を体験できる山。

さらに、ズッキーニとプローボラのパルミジャーナ(P.39)や、プローボラとなすのスカペーチェ(P.41)など、野菜やナポリ料理との相性が抜群のチーズ。

ズッキーニのパルミジャーナ↓

ナスのスカペーチェ↓

プローボラはマリネする時に加えます。
イタリア料理アカデミーの地方料理のソースの本、『スーゴとソース』

には、モリーゼのソースとしてカチョカバッロのソースというのが載っていました。
あれこれ調べて実感しました。南イタリアでは、プローボラよりカチョカヴァッロのほうが身近な呼び方。
しかもモリーゼではカチョカヴァッロは州を代表する食材としてとても愛されています。

それでは、本のリチェッタを訳してみます。
salsa al caciocavallo/カチョカバッロのソース
材料/
ベシャメル・・250ml
カチョカバッロ・モリザーノ・・200g
おろしたパルミジャーノ・・大さじ3
塩、こしょう、ナツメグ(好みで)

・ベシャメルを小鍋に入れてとろ火で沸騰させずに熱し、カチョカバッロの小角切りを加える。
・塩、こしょう、パルミジャーノを加えてよく混ぜ、カチョカバッロが完全に溶けたら火を止める。
カチョカバッロはグリルして溶かして食べる。ストリートフードとしても人気のチーズ。カチョカバッロのフォカッチャだって。

シチリアのアグリジェント県のチーズ祭り↓

北イタリアのブラのグルメが集まるチーズ祭りとは、雰囲気もチーズもだいぶ違う。


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2021年7月17日土曜日

プローボラ・デル・モナコ、カチョカバッロ・ラグザノなど、南のチーズも個性的。

プローボラのお題、続けます。
プローボラには様々な種類があります。
(CIR)に訳を載せたリチェッタは、まず、ネラノ風スパゲッティ(CIRP.36)。

ネラノの星付きレストラン、タベルナ・デル・カピタノのアルフォンソ・カプートシェフのネラノ風スパゲッティ↓

リチェッタではチーズは、おろしたプローボラ30g(大さじ3強)と(または)カチョカバッロ30g、おろしたペコリーノ大さじ1。

ネラノ風に欠かせないプローボラは、ソレント半島のネラノで造られているプローボラ、プロボローネ・デル・モナコ。

次のリチェッタはプローボラのフリットのオレンジのジャム添え(CIRP.37)。
プローボラはプローボラ・イブレア。

シチリアの歴史の古いチーズ。ラグーザの代表的な牛、モディカ種のミルク100%のチーズ。
モディカ種の牛↓
ハーブの香りの甘くてデリケートなミルクが特徴。

モディカ種のミルクのチーズは上質のチーズとして知られる。
カチョカバッロ・ラグザノにも使われている。
ラグザノ↓


ブローボラのフリットは、プローボラの小角切りに、パンや小麦粉の生地の衣をつけて揚げ、ビターオレンジのジャムをのせてローズマリーのみじん切りを散らす、というもの。

シチリア料理のミニシリーズ、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”の『シチリア・イン・ターヴォラ』
には、カチョカバッロが入るラグーザの料理がありました。
スカッチャ・ラグザナscaccia ragusanaという料理です。
ラグーザのパン屋のスカッチャ↓


各種の具が入るピッツァのようなパン。

材料/4人分
《生地》
セモリナ粉・・1kg
重曹・・小さじ1
EVオリーブオイル・・デミカップ1杯
生イースト・・50g、塩
《詰め物》
新プチオニオン・・小2個
リコッタ・・400g
卵・・1個
おろしたカチョカバッロ・・100g
塩、こしょう

・イーストと塩をぬるま湯1/2カップで溶く。
・小麦粉をフォンタナに盛り、溶いたイーストを加えてよくこねる。
・丸めて打ち粉をし、布巾に包んで1時間発酵させる。
・生地をガス抜きして重曹と油を加え、混ぜ込む。
・生地を少量ずつ丸めて薄く伸ばす。
・リコッタ、薄く切った小玉ねぎ、溶いた卵、チーズを混ぜる。
・これを生地にのせて巻き、端を閉じる。油を塗った手にのせ、高温のオーブンで25分焼く。

“グイド・トンマージ”の地方料理シリーズの『クチーナ・シチリアーナ』

には、カターニア風スカッチャのリチェッタもあります。



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「総合解説」
『シチリア・イン・ターヴォラ』『クチーナ・シチリアーナ』
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2021年7月16日金曜日

プローボラと人気者のいとこ、モッツァレラは何が違うのか。

今日のお題は“プローボラ”。
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事です。日本語訳は、今月の(CIRP.35)。



プローボラは、正直言ってあまりなじみのあるチーズではありませんが、
『サーレ・エ・ぺぺ』の記事は、いきなり、こんな文章から始まります。
かなり正確に言い当てていて感心します。

「プローボラは失敗したモッツァレラではないが、基本的には人気者のいとこ、モッツァレラと同じ製法で造られている」

モッツァレラはパスタ・フィラータpasta filataのチーズです。
プローボラは最も古いパスタ・フィラータのチーズ。
材料は、牛か水牛の全乳、レンネット、加熱した乳清、自然発酵させた乳清。

プローボラの製法を見る時、モッツァレラとどこが違うのか、という観点で見ると面白いですよ。

一番違いがよく分かるのは形。プローボラがあの形になるには理由があり、それがモッツァレラとの大きな違いの理由の一つです。
下の動画がヒント。そう、答えは熟成です。


フレッシュチーズのモッツァレラは傷みやすいので自家消費用として用いられましたが、プローボラは保存ができたので流通向き。毎日食べる食糧として市場でも売られていて、価格も安定していたので、早くから広まりました。ナポリでは、スモークタイプ、プローボラ・アッフミカータが人気で、シチリアやパダナ平野でも造られていました。カチョカバッロもプローボラの進化形です。
ナポリ料理にもたっぷり使われたプローボラ・アッフミカータ・ディ・アジェローラprovola affumicata di agerola。

甘くて軽い酸味があり、デリケートな風味のカチョカバッロは、ナポリでは肉の代用品として貴重なタンパク源でもあったそうです。

ナポリの代表的なプロボローネの料理といえば、ズッキーニのパスタ、スパゲッティ・アッラ・ネラノspaghetti alla nerano(リチェッタはCIRのP.36)
ネラノ風で使われるプロボローネはプロボローネ・デル・モナコprovolone del manaco↓
モナコのチーズではなく、ナポリのスモーク・プロボローネ。
プロボローネ・デル・モナコの産地、モンティ・ラッターリ。


ナポリ料理のお勧め本、“GT地方料理シリーズ”の『クチーナ・ディ・ナポリ』

この本では、パスタと職人を紹介した後に、プロボローネ・デル・モナコを誇らしげに掲げる
職人の写真を載せています。
すべての写真に物語を感じる演出です。

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2021年7月15日木曜日

ポルチーニはマーレ・エ・モンティのモンティ代表。

ポルチーニのリチェッタ、次はパスタです。
まずはリストランテ・マヌビオラのタリオリーニ。

Tagliolini con funghi porcini


そう言えば、マヌビオラはトスカーナのレストランでした。
トスカーナのパスタというと、いつもバリエーションが少なく感じるのですが、このタリオリーニは、ピエモンテのタヤリンに代表される北イタリアの代表的手打ちパスタの一種。
ちなみに、アペニン山地のポルチーニの産地、ボルゴタロはトスカーナですが、食文化は隣のウンブリアの影響も受けています。
マヌビオラのシェフはポルチーニもタリオリーニもフレッシュで、と自らパスタを打ち、栗の木の下に生えたポルチーニを採ってきます。

材料/6人分
小麦粉・・3カップ
セモリナ粉・・3カップ
卵・・5個、塩
《ソース》
EVオリーブオイル・・大さじ3
にんにく・・1かけ
汚れを落として薄くスライスしたポルチーニ・・3カップ、塩
イタリアンパセリのみじん切り

・2種類の小麦粉を混ぜてフォンタナに盛り、卵を割り入れてフォークで溶きながら小麦粉と混ぜる。手でこねてなめらかな生地にし、打粉をした細長い麺棒で透き通るくらい薄く伸ばす。生地を巻いて細く切る。生地をほぐしてさっと乾かす。
・鍋に大量の水を沸騰させ、塩を加える。
・ソースを作る。ソテーパンに油とにんにくを入れて中火にかけ、にんにくに色がついたらポルチーニを加えてこんがり炒める。塩をして火を弱める。
・パスタをアルデンテにゆでる(約3分)。
・ポルチーニにパスタのゆで汁を加える。
・パスタをポルチーニのソテーパンに加えてなじませる。イタリアンパセリを散らす。

今月の(CIR)ではポルチーニのスパゲットーニのリチェッタを訳しています(P.24)。
乾麺とポルチーニの組み合わせは意外とレア。
これはスパゲットーニとペコリーノ・ロマーノを組み合わせたちょっと異色のパスタ。
次は、珍しいスパゲッティの本、『スパゲッティ・アモーレ・ミオ』

から、スパゲッティ・マーレ・エ・モンティです。著者はトスカーナ料理の権威、イタリア料理アカデミー元会長の、パオロ・ペトローニ氏。
ポルチーニはシーフードとも相性がいいようで、マーレ・エ・モンティのパスタのモンティ代表として多用されている。
スパゲッティ・マーレ・エ・モンティSpaghetti Mare e monti。

材料/4人分
スパゲッティ・・350g
アサリ・・500g
ムール貝・・500g
フレッシュのポルチーニ・・100g
皮むき完熟トマト・・200g
にんにく・・2かけ
イタリアンパセリ・・1房
塩、こしょう、オリーブオイル

・ムール貝を下処理する。アサリは砂抜きする。フライパンに入れて強火にかけ、開いたら全部殻から出す。汁は濾す。
・フライパンに油大さじ6、イタリアンパセリとにんにくのみじん切りを熱し、にんにくに色がつく前に薄切りや小角切りにしたポルチーニを加えて2分炒める。
・トマト、塩、こしょうを加えて強火で10分煮る。
・アサリ、ムール貝、貝の汁1/2カップを加える。

11月の森はポルチーニが大量発生中。ポルチーニによく似た毒キノコもあるらしいので、素人だけでは採らないでね。


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ピッツァは世界的に最もよく知られているイタリア語。ナポリで最高のピッツァと言えば、世界一のピッツァということ。

(CIR)1月号から、今日はピッツァの話です。 1月17日は世界ピッツァの日 ピッツァは世界的に見ても愛されている食べ物。年間500万枚注文されるイタリア料理のエンブレム。外国で一番知られているイタリア料理で、ピッツァは翻訳することができない世界共通語で、世界的にもっとも知られて...