2020年6月24日水曜日

新入荷『ペッシェ・アッラ・シチリアーナ』から、ツナのパテのブルスケッタ、アンチョビのクリスペッレ

今日は新入荷の本のご案内。
ペッシェ・アッラ・シチリアーナ』です。

このシリーズは、とにかくミニサイズ。
いかに経費を削って料理書を作るか、をつきつめたような、その割には載せたい料理と写真が多すぎて、わずかなページにギュウギュウに詰め込んじゃった、という作り手の意図が丸わかりの、愛すべきシリーズです。
ん?これはひょっとすると、シチリア料理の特徴にも言えることかも。
とにかくシンプルで経済的で、お母さんが毎日家で作っているような料理ですが、伝統に裏打ちされていて、すごく考え込まれています。
シチリアの海岸は、カンパーニアのアマルフィのような華やかさはなくても、ビーチ、岩場、遺跡と、スケールが大きくてバリエーションが豊か。
海の先が神話の世界とつながっているような感覚。
豊富な自然と伝統が背景にあり、とにかく広いシチリア↓

これはシチリアの魚料理にも言えること。
島の西と東では食文化も捕れる魚の種類も違う。

それにしてもこのシリーズ、基本は『シチリア・イン・ターヴォラ

という本。
シチリアの基本的な伝統料理を集めた本で、魚料理もある。
多分、最初にこの本から作り始めて、小さくしすぎて載せきれなかった料理の中から魚料理を集めて「ペッシェ」を作ったんだろうと、想像できちゃう(www)。
『ターヴォラ』はパスタとディープな伝統料理が充実した本。

シリーズは全4冊で、どれもお手軽な読みやすい本なので、イタリア語はちょっと・・・という人にもお薦めです。

その中から、お手軽そうな料理のリチェッタを訳してみます。
まずはツナのパテのブルスケッタ/Bruschetta al pate di tonno
ツナのムースやパテはシチリアではポピュラーな前菜のようで、バリエーションも豊富です。
下の動画ではツナ400g、ゆで卵4個、リコッタ150g、ブランデー(好みで)大さじ3、殻剥きピスタチオ40gをミキサーにかけてトーストしたパンに塗り、クロスティーニにしています。



ツナのパテのブルスケッタBruschetta al pate di tonno
材料/4人分
オイル漬けツナ・・200g
塩漬けアンチョビ・・1尾
イタリアンパセリ・・1房
にんにく・・1かけ
塩漬けケッパー・・大さじ1
EVオリーブオイル
フィロンチーノ(細いバゲット)・・1本
こしょう

・アンチョビを塩抜きして骨を取り、にんにく、イタリアンパセリと一緒に
乳鉢ですりつぶす。
・油を切ったツナ、塩をすすいだケッパー、アンチョビのペースト、油をミキサーにかけてこしょうを散らす。なめらかなクリーム状にする。
・パンをスライスしてトーストし、ツナのパテを塗る。

料理の写真を見ると、トマトとレモンの薄いくし切り、パセリの小房をのせて飾っています。

おまけの1品。

アンチョビのクレスペッレCrispelle con le acciughe
材料/4人分
小麦粉・・500g
イースト・・25g
塩漬けアンチョビ・・5尾
ラードかEVオリーブオイル、塩

・振るった小麦粉、崩したイースト、ぬるま湯350mlをボールに入れてこね、柔らかい生地にする。
・塩一つまみを加えて数分こねる。布巾で覆って1.5時間発酵させる。
・アンチョビを塩抜きして骨を取り、小さく切る。
・たっぷりのラードかオイルを熱し、スプーンをさっと油に浸す。
・生地を1杯すくい取り、アンチョビを1片埋め込んで閉じる。
・油できつね色に揚げる。
・シートに取って油を切り、熱々をサーブする。

この料理はカラブリア料理としても知られている。
ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』によると、村の収穫祭には欠かせない1品で、できたての新ワインと一緒に食べる。
カラブリアではクリスマスイブの料理でもある。
ドルチェ版もある。




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シチリア出身のシェフがミラノで出した店は、その名もイカの卵。イカの卵はベネチアのチケッティの珍品中の珍品でした。

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