2020年6月19日金曜日

カストラートのラグーの山のキタッラとシーフードの海のキタッラ。

アブルッツォ料理には、山(マイエッラ)の料理と海(アドリア海)の料理があります。
キタッラは、マイエッラの農民の料理、という意味で山の料理に分類されます。
断面が四角い、形だけならそばにそっくりの麺、キタッラのソースも、山の農民が手に入れやすい食材で作り、カストラート(去勢羊の肉)のラグーなどが代表的。

カストラートのラグー/ragù di castrato

・EVオリーブオイル大さじ2で粗く切った玉ねぎ1個、にんにく2かけ、ラルド50g、唐辛子1本の輪切り、ローズマリー1房をソッフリットにし、小さく切った去勢羊肉1kgを加えて馴染ませる。
・白ワイン1/2カップをかけてアルコール分を飛ばし、ローズマリーを取り除く。
・トマトのパッサータ700gとトマトペースト大さじ1を加えて塩味を整え、1時間煮る。

ちなみにカストラートは、中部イタリアの一部の地方でのみ流通している珍しい去勢羊肉。
去勢した1歳以下の羊の肉は、普通の子羊肉より大型で脂身で覆われていて、放牧地の中部イタリアの香草を食べて育つので風味のよさが知られている。
さらに、魚が美味しいアドリア海沿岸の地方なら、キタッラに魚のソースを組み合わせる。

シーフードのキタッラ


上の動画はリチェッタの説明がないので、2005年4月号の「総合解説」P.3で訳している
魚のソースのキタッラのリチェッタを訳します。

・にんにく2かけをEVオリーブオイル大さじ3でソッフリットにし、小ヤリイカ200gを加えて数分炒める。
・白ワインをかけて刻んだトマト300g、塩、赤唐辛子2本を加える。
・ムール貝300gとアサリ200gを別のフライパンで開けて加える。

次は、今月の「総合解説」でも紹介している肉料理、アッロスティチーニ。

この料理は、有名レストランチェーンのメニューに登場して人気が出すぎて(アブルッツォ料理が!?)品切れになるというセンセーショナルな出来事のおかげで注目を浴びましたが、正真正銘、アブルッツォを代表する料理です。

人気なのは世界的現象。


下の動画ではアブルッツォ人がアッロスティチーニとアブルッツォ料理を熱く語っています。
ちなみに、現在の私の一番の疑問、pecoraとagnelloの違いは何なんだ、の答えは見つからず・・・。
アッロスティーチーニはagnelloより若いpecoraで作るらしいですね。

pecoraのばら肉のアッロスティチーニに豚肉と仔牛肉のパッロッティーネ(小粒のミートボール)、テーラモ風クレープのティンバッロと、このブログでも紹介した料理をアブルッツォの典型的な料理として紹介していますよ。下の動画、高感度爆上がりです。↓



子羊可愛すぎる。
この中にペコレッラとアニェッロとペーコラがいるらしい。


アッロロスティチーニの話しは次回に。


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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...