2021年6月12日土曜日

小型にするだけでアランチーニは50年は今どきになる。

サルデーニャの話が続いたので、すっかりサルデーニャにバカンスにでも行く気になってました。
現実に戻らなくては。
「総合解説」ですが、次号の9・10月号は若干時間がかかっていますが、順調に行けばもうすぐ完成予定です。ところで、長い間気になっていた「総合解説」という名前。
雑誌を何種類も販売していたかなり昔の名残で、そのまま放置していましたが、ようやく変えることにしました。
新しい名前は『クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ』です。
イタリア料理の基本は地方料理にあり、ということを改めて初心に戻って、イタリア地方料理、という名前の解説書にました。
イタリアの料理雑誌の記事を日本語に訳すという編集方針は今までのままです。
新しい『クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレCIR』もよろしくお願いします。
新生CIRの第一号は9月号。
前菜の1品目は、ミニ・アランチーニです。
アランチーニはシチリア名物のラグーを詰めたライスコロッケ。
今までにも何度か取り上げてきましたが、バリエーションは非常に豊富です。
今回のアランチーニは、一口サイズのミニアランチーニで、米ではなく雑穀のアワで作ります。
逆に言うと、下の動画のような典型的なラグーのアランチーニは、少なくなっているという印象です。

今月のリチェッタのアランチーニは一口サイズ。
具のモッツァレラの小角切りが1個入るサイズ。

小さくなるだけでだいぶ都会的でモダンになります。


しかも、米の代わりに使ったりのが、アワです。
イタリア語ではmiglio。
さすがにあまりメジャーではない食材です。
なぜ、この雑穀なのでしょうか。
食通には注目されているようですね。


まず、グルテンフリー。
さらに加熱時間が短い。2倍の水で約20分。ゆでる前に浸水する必要がないので、忙しい現代人向き。


アワのモダンな料理2品。
1品目はアワのミニコロッケchrocchette di miglio。
材料/
アワ・・100g
野菜のブロード・・400g
粗塩・・5g

・アワ100gを野菜のブロード200mlで弱火で蓋をして20分ゆで、さっとほぐす。
・ゆでたアワ、粗く下ろしたズッキーニ、乾燥タイム、米粉大さじ1を混ぜる。アワを潰しながら手でこねる。
・1個50gずつまとめて米粉をまぶし、ピーナッツ油で片面3〜4分ずつ焼く。

次はアワと野菜のソテー、ブルーベリービネガーソースmiglio saltato con aceto di lampone 。
・野菜(にんじんとズッキーニ)を小角切りにして、オイル、にんにく、塩、ローズマリー少々、カレー粉でソッフリットにする。ゆでたアワを加えてマンテカーレし、皿の中央に置いたセルクルに詰める。
・ラズベリーを油と塩、ローズマリー(好みで)で1分炒め、リンゴ酢をかけて1分煮詰める。これをセルクルのアワと周囲にかける。ローズマリーとセージで飾ってセルクルを抜く。

シチリア料理のお勧めの本

グイド・トンマージ地方料理シリーズの『クチーナ・シチリアーナ』

ストリートフードの本としても面白い『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』 

シチリア料理のミニシリーズ、“ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ 

シチリアを代表するワイナリー、プラネタのシチリア料理の本、『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ』

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2021年6月10日木曜日

観光客が急増していたサルデーニャの楽園は今後どう変わっていくのか。マッダレーナ群島。

サルデーニャは、イタリアの中でもかなりディープな地
というイメージがあって、食文化も調べれば調べるほど謎が深まって、とてもおもしろそうだけど、簡単には行けない場所というイメージ。
どうせ行けないなら、とびきり素敵な場所の動画でも見て、行った気になるか。
というわけで、今日はサルデーニャの小さなパラダイスと呼ばれる場所の動画をどうぞ。
マッダレーナ群島です。
コスタ・ズメラルダとフランスのコルシカ島の間を飛び石のように結ぶ7つの島々。
1996年に国立公園になりました。
観光客で賑わうエメラルド海岸とは違って、最近まで外界とは孤立した島々。手つかずの自然が残っています。
島へ行くにはオルビアの空港から車で30分ほど移動して、パラウという町からフェリーに乗ります。
現在はモダンな観光地に変化して、観光客も急増中。


島が見渡せる素晴らしいロケーションのレストラン
グリッタはLa grittaは↓、サルデーニャでは珍しい星付き店。
特に、夕陽が小さな灯台の後ろに沈んでいく姿は素晴らしいそうです。
店のwebページはこちら。

奇岩のオルソはホメロスの『オデュッセイア』にも登場する。高さが122mの季節風によって削られた熊そっくりの岩↓

街の中心部。島の住民が夕食前に食前酒を飲みながらおしゃべりする場所。

群島の一つ、カプレーラ島は、イタリア統一運動の英雄、ガリバルディが移り住んだ島としても知られています。
ガリバルディの羊飼いが使っていた家畜小屋を改装したアグリトゥーリズモなんかもあります。
サルデーニャの魅力は尽きないですね。

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2021年6月9日水曜日

パーネ・カラザウがカルタ・ダ・ムジカと呼ばれたのは、戻して柔らかくして具を挟んでくるくる巻いた状態が楽譜みたいだったから。

サルデーニャ料理の締めくくりは、サルデーニャ料理に欠かせないパン、パーネ・カラザウ(カルタ・ダ・ムジカ)の料理、パーネ・カラザウ↓
一度焼いて膨らませたパンを2枚にして再び焼くパーネ・カラザウは、かなり手間をかけて作るパンですが、昔は主婦が早朝から一人で作っていました。
カリカリで、食べるときににぎやかな音がするので楽譜と呼ばれるほどカリッと焼き上げたこのパンをあえて羊のブロードに浸して柔らかくし、トマトソースをかけた料理(バリエーションはたくさんあります)。パーネ・フラッタウ↓。

サルデーニャの農家は小麦を栽培していたので、少量ながら小麦は手に入りました。量は少なくても、質は抜群なのがサルデーニャの小麦です。
パーネ・カラザウの発祥地はバルバージャ地方。羊飼いの暮らしがベースにあります。移牧に持っていくために考え出されたパンでした。
カリカリにしたのは保存のため。
ダヴィデ・オルダーニシェフのモダンなイタリア料理の本、『メイド・イン・イタリー』(売り切れました)によると、

パーネ・カラザウは乾いた状態では“trokeddu”と呼び、ゆでて戻すと“pane infusthu”と呼びました。柔らかくすると、サラミやチーズを挟んで巻いたり、料理のベースとして使うことができました。ちなみに楽譜と読んだのはくるくる巻いた状態が楽譜に似ていたから。
(バリエーションはたくさんあります)
オイル、ソース、塩で調味すると、“pane  guttiau”と呼びました。
よくイタリアでは、パンは捨てるところがない、と言います。
パーネ・カラザウのパンくずは、朝食のカフェラッテに入れて食べるのが伝統的なお作法。
一番シンプルな食べ方は、オリーブオイルと塩で調味します。
移牧に出かけるサルデーニャの羊飼い↓


サルデーニャ料理は質素な羊飼の料理とゴージャスな海の幸で構成されています。

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2021年6月8日火曜日

ホンビノス貝はタルトゥーフィ・ディ・マーレだった。

TVを見ていたら、なんだか見たことがある貝が映っていました。
イタリア語ではタルトゥーフィ・ディ・マーレ   tartufi di mareという貝です。
トリュフに姿が似ているのでこう呼ばれるのですが、日本語にすると名前が長いなあ、といつも思っていました。日本では、ホンビノス貝というそゔてす。日本語の語源はビーナスだとか。
イタリア人よりロマンチックだね。

外来種だけどアサリやはまぐりに似て、味が良い、とのこと。
地中海の各地で採れて、プーリア、カンパーニア、シチリアでは知られている貝。
アサリより存在感が強い貝。


貝を開けるときは半分に切らないように・・・。
イタリアでも人気の貝。両者の学名はMercenaria mercenaria。これは間違いないですね。
アサリに似ているので、タルトゥーフィ・ディ・マーレのスパゲッティは誰もが思いつく料理。
下の料理はさらに誰もが思いつきそうなもの。貝ときのこのタルトゥーフォのスパゲッティ。
確かにアサリとトリュフを組み合わせようとはあまり思わない。
タルトゥーフィ・ディ・マーレは貝柱を切って開けるだけじゃなく、アサリのように熱して開けています。開いたらすぐに取り出して汁は濾します。
この人はナポリ料理に詳しい人で、アルティジャナーレのパスタというときに、いつもブロンズのダイスを通したパスタ、と言います。
半分火が通ったパスタを貝の汁に加えてマンテカーレしパスタがアルデンテになったら火を止めて貝を加えます。
仕上げにイタリアンパセリのみじん切りを散らします。さらにサマートリュフをスライスしてかけて出来上がり。


下の動画はミラノのレストランでのサーブ方法。
大きな貝なので、貝のプラトーの1品にするようですね。食べ方も、どちらかというと牡蠣の扱いに近いかも。

スパゲッティの本なら、イタリア料理アカデミー元会長の気さくな本、『スパゲッティ・アモーレ・ミオ』

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2021年6月7日月曜日

サルデーニャのアリアータはにんにくじゃなくてトマトがポイント。スペイン支配の名残です。

今日のお題はサルデーニャで食べておきたい名物料理、アリアータagliataです。

アリアータはスペインの500年に渡る支配の影響が見られる歴史の古い料理。
タコのアリアータはアルゲーロの名物料理。
タコをドライトマトとフレッシュトマトで煮込みます。
リチェッタは今月の「総合解説」P.42。

アリアータという名前からしてにんにくが利いてる料理かと想像しがちですが、スペインが伝えた食材と言えば、なんと言ってもトマトです。
トマトはアメリカ大陸を発見したコルテスがヨーロッパに伝えた、というのがヨーロッパのトマトの歴史の定説ですが、イタリアでは、その半世紀後にスペイン人がサルデーニャに伝えた、とする説が広まっています。
ちなみにイタリアではトマトはポモドーロですが、サルデーニャではスペイン語由来で、トマテと呼びます。
サルデーニャのトマトのDNAを解析したら、ルーツは16世紀にスペイン人によってサルデーニャに伝わったトマトの子孫、という結果が出たそうです。
北イタリアへはサルデーニャからリグーリア経由でトマトは広まっていきました。

タコのアリアータだけじゃなく、鶏肉のアリアータなども知られています。

地方料理のソースの本、

『スーゴとソース』のサルデーニャのページの主役は意外なことにトマトソースです。
サルデーニャの伝統的トマトソースは、bagna campidanesa という名前で、カンピダーノのパスタ、マッロレッドゥスなどに使われています。


上の動画のソースの部分を訳してみます。

材料
 玉ねぎ・・1/4個
 オリーブオイル
 サルシッチャ・・400〜450g
 トマトソース・・400ml
 粉サフラン・・1袋
 
・玉ねぎを粗いみじん切りにして油でソッフリットにし、皮をむいてほぐしたサルシッチャを加えて炒める。
・塩少々とトマトソースを加えて蓋をして弱火で煮る。

カンピダノ風トマトソースはサルシッチャのラグー。
サルデーニャのソースのもう一つのポイント、サフランは、アラブが支配したスペインから伝わりました。


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2021年6月6日日曜日

サルデーニャの肉料理は羊飼いや農民の野生の心を呼び覚ます。

昔から多くの異文明に侵略されてきたのがイタリア、特にその沿岸部。
サルデーニャも、フェニキア人やカルタゴ、古代ローマといったおなじみのメンバーによって町や道が作られ、言葉や文化が生まれました。
新しいところでは、ピサやジェノバ、スペイン人、ピエモンテもこの島の歴史に関係しています。
そして今でも、大昔の文明や伝統が、かなり現役です。
観光地化したのは、ごく最近の新しいサルデーニャの話。
とらえどころのないこの島の魅力は、そんなことに由来しているのかも。

サルデーニャのパン、パスタ、チーズ、野草、肉は、伝統、特に農民と羊飼いの暮らしに深く結びついています。
そんなサルデーニャの料理の象徴が、ポルチェッドゥporceddu(子豚の串焼き)です。
家から遠く離れた羊飼いが、鍋も使わず、その場にあるものを使って作る料理。


串はミルトという灌木の枝です。
地面に穴を掘って、ミルトの枝や葉と一緒に子豚、猪、山羊を埋めて炭で塞いで蒸し焼きにしたりもします。

庭に穴を掘って子豚を丸焼きにするなんて、殺人の証拠隠滅にしか見えない。サルデーニャ人、たくましすぎる。

サルデーニャの宗教儀式のパン、コッコイ。磔の前にキリストが被せられたいばらの冠や、キリストを叩いたムチなどを表現しています。
手先の器用さゆえか、半端な装飾じゃ特別じゃなくなっちゃったサルデーニャのパン。


サルデーニャ料理の本には
子牛に山羊を詰めて、山羊に子豚を詰めて、子豚に野うさぎを詰めて、野うさぎにうずらを詰めた古代ローマの皇帝の料理みたいなものもあります。
とにかく奇想天外。

豚すね肉とソラマメとキャベツの煮込み料理、ファバータfavataなんて、普通すぎてものたりないかも。
見た目はすごいけど。
サルデーニャの農民になった気分で、手に入る野菜で作ります。

パスタのソースにもなります。
ファバータfavata
材料/
 乾燥ソラマメ
 豚すね肉(肉の多い上部の肉)
 ビエトレ、チコーリア
 フィノッキオ・セルバティコ
 サボイキャベツ、キャベツ
 にんにく、玉ねぎ
 EVオリーブオイル
 ドライトマト
 
・乾燥ソラマメをぬるま湯と粗塩少々で一晩戻す。
・黒い部分を切り落とす。
・たっぷりの油で粗く刻んだイタリアンパセリ、にんにく、ドライトマト、玉ねぎをソッフリットにする。
・ソッフリットに肉を入れ、焦げ付かないように水1/2カップを加えて焼く。
・8割がた火が通ったら水1.5㍑とソラマメを加えてよく混ぜる。蓋をして沸騰させる。
・ソラマメに半分火が通るまで約20分煮る。
・葉野菜と塩を加えて煮る。
・スライスしてトーストしたパーネ・サルドを1枚皿に敷き、その上に煮た野菜と肉(ファバータ)をのせる。脇にソラマメを添えてサーブする。

ファバータはパスタのソースにもなります。
パスタはもちろん、マッロレッドゥスMalloreddus o gnocchetti sardi 。
マッロレッドゥスはカンピダーノの名物。
イタリアの町を紹介する動画は都会の歴史的な町並みと高級リゾートを紹介するものだけど、カンピダーノを紹介する動画は民族衣装の美しいパレード。


一筋縄じゃいかない。

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2021年6月5日土曜日

米の代わりにフレーグラを使うのが今時のサルデーニャのパエリア。

グリバウドの地方料理シリーズの『サルデーニャ』

にあった情報、イセエビはアルゲーロ、フレーグラはカリアリ、子羊はヌオロ、ベルメンティーノはガッルーラ、ビーチならコスタ・スメラルダ、という情報を参考にするグルメ旅、今日のお題は、フレーグラなんてどうでしょう。
フレーグラ(またはフレーゴラ)は御存知の通り、サルデーニャ名物のセモリナ粉がベースの大粒のクスクスの一種。


カリアリにはヨーロッパでも最大級の生鮮食品の市場があります。
新鮮な海産物も豊富な街。
スペインの影響が強いサルデーニャでは、パエリアも各地で作られています。
最近のサルデーニャのパエリアは、米の代わりにフレグラを使うのがトレンド。
フレーグラの具の定番はアサリ。
シーフードにはぴったりのサルデーニャならではのプリーモ・ピアットです。


次は子羊肉ならここ、というヌオロです。
ヌオロがサルデーニャのどこにあるのかも知らないで、とりあえず動画を探してみました。
どうやら島の内陸部にあるようです。
唐突に登場するのが、サルデーニャ名物の極細のパスタ、フィリンデウ。
このパスタもヌオロの名物なんですね。
もう一人、動画で紹介していたヌオロの誇りはグラツィア・デレッダという1926年に、イタリアで最初にノーベル賞(文学賞)を受賞した女性。日本では女性受賞者はまだいないですよね。

ヌオロでインパクトが強いのは、山の上のキリスト像。

この立派な銅像はコルコバードのキリスト像と呼ばれています。
サルデーニャと言えば羊飼い。

サルデーニャのベルメンティーノ・ディ・ガッルーラをテイスティング。

最後の動画はカリアリ。豪華クルーズ船の寄港地なんですね。

サルデーニャ、行ってみたいなあ。

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ピッツァは世界的に最もよく知られているイタリア語。ナポリで最高のピッツァと言えば、世界一のピッツァということ。

(CIR)1月号から、今日はピッツァの話です。 1月17日は世界ピッツァの日 ピッツァは世界的に見ても愛されている食べ物。年間500万枚注文されるイタリア料理のエンブレム。外国で一番知られているイタリア料理で、ピッツァは翻訳することができない世界共通語で、世界的にもっとも知られて...