2020年3月13日金曜日

サルデーニャの神の毛玉のパスタ、フィリンデウ

さて、そうめん級に細いパスタ、マッケロンチーニ・ディ・カンポフィローネですが、もっと細いパスタがありました。正確に言うと、普通のパスタとは違いますが・・・。
一応、ニックネームがありまして、“capelli di Dio”神(ディオ)の髪の毛と言います。
サルデーニャのパスタです。
名前はフィリンデウと言います。
サルデーニャの方言で神の毛糸という意味です。
その後のスペイン支配の影響でカスティリア語も混ぜってこうなりました。
そうそう、サルデーニャ料理には、シチリアやリグーリア料理の影響も見られます。
海から伝わりました。



サルデーニャの羊飼いの本場、ヌーオロのバルバージャ地方の料理です。
元々は、羊のミルクやチーズのスープ用のパスタで、羊のスープに割り入れて一緒に煮て食べました。
サルデーニャでも作っているのはたった3人という超珍しい食べ物。

生地はセモリナ粉と水。
細い糸状に伸ばした生地を3段重ねて板状にします。
細い麺という点がビーフンに似ていますが、
ビーフンてどうやって作るか知ってますか?

完全機械化のタイのビーフン工場

面白~い♪
風通しと日当たりのよい場所で乾燥させることができないアジアの麺は、砂漠でカラカラに干すことの出来たアラブの麺、スパゲッティとは進化の仕方が違いますね~。

最後は日本の素麺。


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「総合解説」
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2020年3月12日木曜日

低温乾燥の極細麺、マッケローニ・ディ・カンポフィローネ/カペッリ・ダンジェロ

マルケの極細パスタ、マッケローニ・ディ・カンポフィローネの話、続けます。

カンポフィローネはフェルモ県の街。

カンポフィローネでは、毎年8月の最初の週末に、祭りが開かれます。

sagraのwebページはこちら
2013年にはIGP(Indicazionte Geogrfica Protetta)製品に認定されています。

そうそう、カンポフィローネはアスコリ・ピチェーノ県の北部が別れて出来た街でした。
だから当然、こういうお祭りにはアスコリのオリーブのフリット、登場します。

このパスタは、別名、カペッリ・ダンジェロcapelli d'angelo/天使の髪の毛とも呼ばれるパスタで、
特徴は、卵をたっぷり加えること(小麦粉1kgにつき卵10個)、水は加えない。
そもそも、農家で母から娘へと受け継ぎながら作られてきた歴史の古いパスタで、大量の卵を保存する方法として考え出された。
乾麺に練り込んで乾燥させると、1年は保存できたのだった。

低温でゆっくり乾燥させると(30~35度で24~36時間)、
その結果、多孔質のソースをたっぷり吸う麺になります。
麺は厚さ0.3~0.6mm、幅1.2mm以下と極細。

デチェッコのスパゲッティの乾燥

美味しいパスタの秘密は低温でゆっくり乾燥させること、長いもので40時間と言ってます。

グラニャーノのパスタを有名にしたのも、送風法や乾いた気候による乾燥方法


カンポフィローネのパスタの伝統的なソースは、豚と子牛の挽肉、レバー、骨髄、香味野菜、トマト、ワイン、ペコリーノのラグーですが、EVオリーブオイルとパルミジャーノ、魚のソースでも美味しいそうです。
マルケはトリュフも採れる地方なので、トリュフとの組み合わせもよくあります。

マッケロンチーニ・ディ・カンポフィローネ


こちらのページのリチェッタは、
パスタ;
セモリナ粉(軟質小麦粉のリチェッタもあります)・・300g
卵・・3個

スーゴ;
トマトのパッサータ・・700g
一口大に切った煮込み用牛肉・・250g
挽肉・・200g
サルシッチャ・・2本
白ワイン・・1カップ
おろしたペコリーノ・・50g
セロリ・・1本
玉ねぎ・・1個
にんじん・・1本
クローブ・・2個
ナツメグ
塩、こしょう
EVオリーブオイル

・小麦粉をフォンタナに盛って中央に卵を割り入れ、フォークで溶きながら混ぜ始める。手でこねて弾力のある生地にし、湿らせた布巾で包んで30分休ませる。
・厚さ0.3~0.7mmに伸ばし、巻いて幅0.8~1.2mmに切る。
・2つにたたんでシートにのせ、24~36時間乾かす。
・スーゴを作る。玉ねぎ、にんじん、セロリをみじん切りにして油大さじ数杯でソッフリットにする。
・煮込み用牛肉、スパイス、塩、こしょうを加えて弱火で炒める。
・トマトのパッサータと水2カップを加えて蓋をし、弱火で1.5~2時間煮る。
・ペコリーノの半量を加えて塩味を整える。
・パスタを約2分ゆでて取り出し、スーゴであえる。必要ならゆで汁少々を加える。
・皿に盛り付けて残りのペコリーノを散らしてサーブする。


素麺は太さ1.3mm未満だそうなので、あえて言うならひやむぎですかね。
イタリアの細い麺、まだありました。次回に続きます。


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2020年3月11日水曜日

マルケのパスタ

今日はマルケの話です。
観光客にはあまり知られていないようなイタリア中部でも、料理はなかなか個性的です。

イタリアのハート、マルケ

アドリア海とアペニン山脈にはさまれた丘の州、マルケ。
名物の産物はアドリア海の幸、トリュフ、オリーブ、豚肉、ジビエといった平野と森の恵み。

マルケ料理

アラブ人もブルボン家も来なかったマルケにも、大きな影響を与えた一大勢力がありました。
ローマ教皇です。

教会がらみのパスタと言えば、ストロッァプレーティstrozzapreti。

司祭の首を絞めるという、物騒な名前で、一度聞くと忘れられなくなるパスタ、ストロッツァプレーティstrozzzapreti。

逆に思い切りファンタジーなのが、極細パスタで通称天使の髪の毛、エンゼルヘアーこと、マッケローニ・ディ・カンポフィローネmaccheroni di Campoflilone。


地方料理書の名作、“グリバウド”のグランデ・クチーナ・イタリアーナシリーズの『マルケ』には、
マルケが生んだ偉人、ロッシーニの名を取ったロッシーニ風パスタ、マッケローニ・アッラ・ロッシーニもMaccheroni alla Rossini。

さらに、今月の「総合解説」の記事、マルケのパスタによると、とうもろこしの粉のパスタや、ソラマメの粉のパスタなど、高い小麦粉を使わないでいかに美味しいパスタを作るかを倹約家のマルケ人が工夫して考えだしたパスタが山のようにあります。最終的には、貯蔵庫に残った最後の小麦粉で作るパスタなど、徹底してます。
マルケのパスタの話、次回に続きます。

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「総合解説」
“グリバウド”のグランデ・クチーナ・イタリアーナシリーズ
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2020年3月10日火曜日

復活祭のピッツァ・アル・フォルマッジョ+イタリア便り

前回紹介したゴリツィアのピンツァpinzaですが、これは復活祭の朝食の伝統的な食べ物の1つ。
ピンツァ

小麦粉、砂糖、卵、バター、牛乳をこねて一晩発酵させ、翌日、再びこねてクープを入れ、ワッフルシュガーを散らして焼きます。
今月の「総合解説」では、ウンブリアの“トルタ・アル・フォルマッジョtorta al formaggio、を取り上げていますが、これも復活祭用に作る料理です。
トルタといっても、別名ピッツァ・アル・フォルマッジョpizza al formaggioとも呼ばれる、パンのようなケーキ。

トルタ・アル・フォルマッジョ

実は以前、イタリアに嫁いだ方から、手作りのトルタ・アル・フォルマッジョを、帰省のお土産としていただいたこととがありました。
その時は、この料理にどんな背景があって、どうやって作るのか何も知らずに、無邪気にパクパク食べてしまいました。
数十年後の今も覚えていますが、素朴な外見と大きさに似合わず、衝撃的な美味しさでした。
こんなにもワインに合うケーキ、食べたことない!!
とにかく美味しくて、それ以来、ウンブリア料理をまじリスペクトしているのでした。

で、今月の「総合解説」を訳しながら、私は、背景を何も知らずに食べてしまったことを大いに後悔したのです。
このことを知っていたら、あの時の10倍感謝したのに。
上の動画でもわかるようにリッチな発酵生地なので、とにかく手間がかかるのです。
それにしてもここまで大変だとは。
あの大きさだから材料も多量だろうとは思いましたが、家族の伝統もたっぷり込められていたのですね。

そもそも、ピッツァ・アル・フォルマッジョは、断食の期間である四旬節の終わりと復活や再生、春を祝う食べ物として生まれました。
家族に代々受け継がれているリチェッタで聖金曜日に作り、復活祭の日に食べる卵と一緒に教会に持っていって祝福を受けるとか。
一晩かけて膨大な数をたっぷり発酵させるなんて、
ウンブリアに嫁いだ仏教徒には、ハードル高いよねえ。
それをお姑さんに教わりながら作ったのかと思うと、涙出てくるよー。


復活祭の朝食

子どもたちは、親が毎年頑張って作っている姿を見て、子供時代の思い出として記憶にとどめているんですね。
クリスマスと復活祭の料理づくりは嫁の負担が多そうで大変。
まあそれは日本も一緒だよね。
いつの間にかお孫さんがいてもおかしくない年齢になりましたが、今はお嫁さんに教えていたりして!!
リチェッタは「総合解説」にあります。

そうそう、イタリアに嫁いで頑張っている仲間がもう一人います。
このところ、心配なニュースばかりですが、みんな落ち着いて、たくましくやっているようです。
こんな近況連絡がありました。

ここのところ毎日状況が変わっていくので、なんと言っていいのか分かりませんが
みんな落ち着いてることは確かです。
昨日までは、ZONA ROSSAだと言われて、ゆるい封鎖なのかと思っていたら
今日になって、ROSSAではない、ZONA ARANCIONEだという事になり
今日の夜中を過ぎて日付が変わったら、イタリア全土に移動制限がかかる事になりました。
日常生活に必要な移動は認められているので、今のところ特に不便はありません。
昨日の朝は、近所のバールでカフェとブリオッシュの朝食をとりましたし
今日は、郵便局とスーパーへ買い出しに行きました。買占めもありません。
いつもと違うのは、他人との距離を最低1mは保つようにとの政府からのお達しで
狭い店舗や大きな店でも混雑の際は、一度の入店人数を制限しています。
よって、タイミングによっては、お店の外にお客さんが間隔を置いて並びます。

人の行き来は少ないですが、地域の電車やバスは通常通り運行しています。
町でマスクをしている人はほとんど見かけません。

政府は、健康な人はマスクをする必要はないと、繰り返し呼びかけています。

連絡、ありがとうございます。
バールでカフェとブリオッシュの朝食もいいなあ。


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「総合解説」
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2020年3月9日月曜日

オーストリアのニース、ゴリツィア

今日は、「総合解説」から、『サーレ・エ・ぺぺ』編集長のエッセイのビジュアル解説です。
今月の話題は、ゴリツィアGorizia。
いきなり、聞いたことがない場所。
イタリアの端っこ、フリウリ=ベネチア・ジューリア州です。
ドローンで見るフリウリ=ベネチア・ジューリア
山から潟まで何でもあり。
ワインの産地の丘陵地はコッリオ。
 ↓


以前、州都のトリエステに行った時、街の雰囲気が他のイタリアの街とは全然違って、とてもドラマチックで、どこを見ても映画の舞台みたいだったことを覚えています。
思えばこれが、中央ヨーロッパ(スラブ)との初接触でした。
それまでずっとフィレンツェにいた身からすると、まったくの別世界。

ゴリツィア

かつて国境の町だったゴリツィアには、今でもその痕跡が残っています。
街はイタリアとスロベニアに分かれていました。
とは言ってもスロベニアのこと何も知らない・・・。

フリウリ=ベネチア・ジューリアの料理

エッセイには、街には冷戦時代に建てられた柵もあるが、現在では2つの言葉と2つの民族が買い物や仕事のために毎日行き来している・・・
とあります。

さらに、この地方は温暖な気候で、オーストリアのニースと呼ばれてハプスブルクの貴族たちに愛され、ドイツの文化も花開きました。
中央ヨーロッパ貴族の御用達の街でもあったのです。

食文化には、ボヘミアとハプスブルクの文化が吸収されています。
これは面白そうですねー。
ハプスブルクの貴族たちに人気だったドルチェが、ピンツァpinzaです。
ゴリツィアだけでなく、フリウリ全体の名物ドルチェ。

発酵させる生地のとても手間暇かかる復活祭のドルチェです。

リチェッタは「総合解説」に日本語訳を載せました。


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「総合解説」
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2020年3月8日日曜日

チェリー・モッツァレラから作るフリットとブッラータ

「総合解説」の今月のリチェッタから、次は“早春の田舎の日曜のプランゾ”というテーマのメニュー。
『サーレ・エ・ペペ』の記事です。

まず前菜は、色合いがとても鮮やかで春らしい1品。
モッツァレッラのズッキーニクリーム詰めです。
新ズッキーニをおろし、塩をして水分を出したら、新ほうれん草、オリーブオイルなどと一緒にミキサーにかけて淡い緑色のクリームにします。
真っ白いチェリーモッツァレラを半分に切ってくり抜き器で中をくり抜き、そこにクリームを詰めます。

ピッツェリアのミニモッツァレラのフリット

パン粉を2回つけて揚げるだけ。
チェリーモッツァレラをくり抜き器でくり抜く、というのは何気ないようで、ポイントとなるナイスアイデア。
中に緑色のクリームを詰めるときれいな前菜になるし、ストラッチャテッラ(裂いたモッツァレラの生地と生クリームを混ぜたクリーム)を詰めるとブッラータになります。

自家製ブッラータのストラッチャテッラ作り

モッツァレラを刻んで湯を加え、なめらかになるまで伸ばし、冷水に取る。
生クリームに塩を加え、割いたモッツァレッラを入れてよく混ぜる。

自家製ブッラータのモッツァレッラの袋作り

モッツァレッラを袋状にして中にストラッチャテッラを詰め、口を閉じる。


ズッキーニのクリームを詰めたチェリーモッツァレラにトッピングするのは
スモークマグロ。

シチリアのマグロの加工品メーカー

ちなみに、モッツァレラのフリットと言えば、モッツァレラ・イン・カロッツァ。
これは前日に残ったモッツァレラを有効活用するために考え出された1品。
この料理には、1日経って水気が飛んだくらいのモッツァレラが最適。

モッツァレラ・イン・カロッツァ

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2020年3月7日土曜日

パスタ・カゼレッチェ

今月の「総合解説」
から、『クチーナ・イタリアーナ』の料理を翻訳しています。
プリーモの1品は、カゼレッチェでした。
これはまた、記憶にないぐらい珍しいショートパスタを出してきたなー。
そもそも、カゼレッチェは、南イタリアに多い、硬質小麦粉の手打ちパスタの一種で。
代表的なのはオレッキエッテやカヴァテッリ。

軟質小麦粉と水の生地は薄く伸ばして板状や細い麺状にすることが容易でした。
でも、硬質小麦粉の生地は、薄く伸ばすことができません。
そこで、ソースを麺に絡めやすい形にするために、指で形を作るパスタが考え出されました。
一番シンプルな方法は、指でくぼみを作るオレッキエッテ。
次にナイフで刻んだり、葦のような細い棒に巻きつけるテクニックが考え出されました。
この棒は、アラビア語で“bus”と言ったので、ここからブジアーテbusiateのようなパスタが生まれました。
南イタリアのフジッリや穴あきロングパスタのルーツです。
指で潰したショートパスタはだいたいともだち。

硬質小麦粉のパスタ

それにしてもカゼレッチェの料理なんて、多分初めて訳します。
どうやって成形するのでしょうか。
カゼレッチェ

プーリアのストラッシナーティによく似ていますが、これはマカロニですね。
さて、『クチーナ・イタリアーナ』が考えたパスタは、パスタの形状に似た具材であえる、という方法。
そしてカゼレッチョによく似ているものとして考え出したのが、カニとアスパラガスとさやつきグリーンピースです。崩れていないカニの身がごろんごろん入っているゴージャスなパスタになりました。
それにしても、カゼレッチェなんてちょっと前は田舎パンのことだったのに、気がついたらネット上にもかなりの数が・・・。
パスタメーカーの販促活動が急に盛んになったようです。
何があったのでしょうか。



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「総合解説」
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サーモンのベルガモットマリネ入りのミカンのリゾット。柑橘果実の活かし方をよく知っているのが南イタリア。

みかんのリゾットの話。まずは米の“ヴィアローネ・ナノ”について見てきましたが、次はみかんです。 みかんは今回はbergamottoと指定されています。 ベルガモットはミカン属の柑橘類。柑橘類を使うリゾットは各種ありますが、ミカンのリゾットは見たことなかったです。それにちょっと食べ...