2008年5月15日木曜日

オステリーア・ジャ・ソット・ラルコ

ブッラータの話、その2です。

プーリアでブッラータを食べようと思っている人に、情報を1つ。
プーリアを代表する有名レストラン、オステリーア・ジャ・ソット・ラルコ Osteria già sotto l'arcoで、独創的なブッラータ料理を出していますよ。


Sotto l'arco
店からの眺め?、下は魚のカンネッローニ, photo by mafe de baggis


店のhpはこちら


テレーザとテオドジオ・ブオンジョルノ夫妻の店で、シェフはテレーザさん。
カロヴィーニョという町にあります。
オストゥーニとブリンディジの中間ぐらいの所。

テオドジオさんの家族は代々飲食店を経営していて、テレーザさんは結婚してから独学で料理を勉強したんだそうです。
今やプーリアでも指折りのシェフとして知られているんだから、すごいですねえ。


hpの店のメニューを見てみると、前菜の一番最初に載っているのがブッラータ料理です。

「ブッラータのカダイフ包み、トマト、マルティーナ・フランカ産カポコッロ、オリーブのクレーマ、ドライトマト添え」

こんな料理

80g程度のブッラータを、カダイフで包んでオーブンでさっと焼いた1品です。
カダイフは、トルコやギリシャの極細麺。

Kataifi - Καταϊφι
カダイフ, photo by

外側は麺がこんがり香ばしく、内側はブッラータがとろーりトロトロ。
ドライトマトの酸味がよく合いそうですねえ。

この他に、プーリアでは一般的なキノコ、カルドンチェッリ(エリンギの一種)を使った料理や、プーリアならではの素朴でおいしい1品、空豆とチコーリア、定番のオレッキエッテ、やはりプーリアではよく見る馬肉料理、新鮮な魚料理などもあります。

ワインはプーリアのものを中心に500種類。

この店は雑誌でも時々取り上げられています。
たとえば『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2005年8月号でも、ブッターラのカダイフ包みを紹介しています。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2005年8月号(在庫なし)
テレーザ・ブオンジョルノシェフの記事は「総合解説」P.15に載っています。


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2008年5月14日水曜日

アンドリアのブッラータ

昨日は、バーリ在住のミステリー作家、ジャンリーコ・カロフィーリオの話を書いたので、その流れで、今日はプーリアの話です。

プーリアにも、おいしいものがたくさんありますよねー。
実は私、『ア・ターヴォラ』2003年5月号で、最高のブッラータの作り手と言われている店の記事を読んで以来、その店のブッラータを食べてみたい!と思い続けていました。

ブッラータは、モッツァレッラ状のチーズでできた薄い袋に、ほぐしたチーズと乳酸発酵体入り生クリームを混ぜた“ストラッチャテッラ”を詰めたチーズ。
1920年代(30年代という話もあり)に、アンドリア郊外のカステル・デル・モンテのピアーナ・パドゥーラ農園で、ロレンツォ・ビアンキーノ・キエッパという人が、モッツァレッラを作る時に出る残り物を有効利用しようと考え出したもの。


切る前のブッラータ

クリームがパンパンに詰まってます。


中からクリームがとろ~り

切ると中からとろ~り。


アンドリアにあるその店は、ヴィッサーニも毎週仕入れているとか。
うーん食べてみたい。

思い続けて幾歳月。
そしてとうとう、アンドリアまで買いに行っちゃいましたよー。
いや~、面白い体験だった!

その時のことは別のブログにも書いたので内容が重複してますが、あしからず。


そのチーズ屋は、客が10人も入ると身動きが取れなくなるような小さな店でした。
ところが、客が切れ目なくやってくるので、ほぼいつも満員状態。
みんなじっと自分の番になるのを待ちます。

店に入った時から気付いていました。
『ア・ターヴォラ』に写真が載っていた店員さんだあ。

それにしても、この店の人たちはニコリともしません。
ちょっと怖い。

そしていよいよ私の番。
その時まで、ブッラータはショーケースの中に並んでいるのだとばかり思っていましたが、違いました。

「ブッラータください」
「大きさは?」
「(え、大きさって言われても・・・)???」
「何人で食べるんですか?」
「3人です」
「今日食べるんですね?」
「そうです・・が?(ここで違うなんて言ったら売ってくれない雰囲気)」

それを聞くと、店員は店の奥に引っ込んでいきました。
客にあいまいな態度を許さない無愛想な職人気質にどきどきしながら待つことしばし。

「これでいいですか?」

さっきの店員が、ブッラータを1個手にして奥から出てきました。
その時点で、ようやく理解しました。
奥で、モッツァレッラの袋に3人分のストラッチャテッラを詰めていたんです。
出来立てほやほやです。

「ハイ!」
「冷蔵庫に入れちゃダメですよ!」
「は、はい?」
すると私の隣にいた客が、
「冷蔵庫に入れちゃダメだよ」
さらに店員も繰り返して、
「絶対冷蔵庫に入れちゃダメですよ!」
「は、はい」
「今日中に食べるんですよ!」
「はい・・・」
「3ユーロです」
「ひえ、やす!」

店を出た私の頭の中で、「冷蔵庫に入れてはいけない」、「今日中に食べろ」という言葉がぐるぐる回ってました。

結局その日は、ブッラータを抱えたままあちこち観光してまわり、いよいよブッラータを食べよう、ということになった時はすでに夜。
冷蔵庫に入れてはいけないという命令はしっかり守りました。

パーネ・ディ・アルタムーラと赤ワインも用意して、さあ、いよいよいただきま~す。

モッツァレッラの袋は、3人分にはちょっと大きすぎたようで、上の写真のようなパンパンに膨らんだ姿ではなく、ビニール袋のようにふにゃふにゃです。
そこで、ちょっと切り込みを入れて、その間からストラッチャテッラをすくってみました。


いよいよ


生地の固形部分はモッツァレッラのような繊維状なんですが、とろーんとして完全に固まっていないので、フォークに巻きつけることができます。
あたりにはミルクのフレッシュで甘い香りが広がってきました。

そして一口。

おー、なんだこれは!
こんな濃厚なもの、食べたことな~い!
今まで食べたブッラータと、全然違いますよー。
一番上の写真のブッラータと比べても、濃厚さが違うことが分かりますよね。
第一印象は、とにかく濃い!

モッツァレッラはよく豆腐に例えられますが、ブッラータは、例えるならやっぱりバター。
でも、脂肪じゃないんです。
クリームなんです。
なおかつチーズなんです。
濃厚でなめらかでこくがあって、でもミルクのようにフレッシュで、草原の風が感じられそうなチーズ。

農場で湯気を立てている搾りたてのミルクが目に浮かんでくるなあ。
いったい何を食べたら、こんなに風味が詰まったお乳が出るんだろう。
こんなにおいしいミルクで育つ子牛は幸せ者だあ。
ちなみにこの店では、イタリア種とオランダ種の牛のミルクを使っていて、オランダの牛のミルクは脂肪分が多いんだそうです。

ブッラータとは、ストラッチャテッラを食べるもの、ということを実感しました。
それにしても、このとろとろ具合を保つには、確かに冷蔵庫に入れてはだめですね。
だからその日のうちに食べないといけないわけだ。
ということは、地元でないと体験することができない味。
たとえ3ユーロでも、足を延ばす価値はありますよ。

アンドリアの町の中には、ブッラータを売っている店がたくさんあります。
バーリからは電車で行けるし、町はそれほど大きくないので歩いて回れます。

郊外に足を延ばせば、世界遺産のカステル・デル・モンテもありますよ。

Castel del Monte 01
カステル・デル・モンテ, photo by Federico Filacchione


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関連誌;『ア・ターヴォラ』2003年5月号(在庫なし)
“ブッラータ”の記事は「総合解説」P.31に載っています


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2008年5月13日火曜日

本の街ポントレーモリとバンカレッラ賞

昨日に続いて、ルニジャーナ地方の話をもう1つ。

ルニジャーナの中心地、ポントレーモリは本の街として有名で、その業界では世界的にも知られた「バンカレッラ賞」というのを毎年発表しています。
日本の直木賞のような感じでしょうか。

Dawn on Pontremoli Castle
ポントレーモリ, photo by Mahtab


日本で本の街というと神田あたりですよね。
神田の場合は、周囲に大学があったりして知識階級が多かったことがその成り立ちの要因とか。
ポントレーモリの場合は、イタリアならではの歴史があります。
ポントレーモリと言うより、ルニジャーナ地方の歴史です。

ルニジャーナにも、イタリアの他の地方同様、羊飼いがたくさんいました(今もいます)。
でも、他の地方と違ったことが1つあります。
ルニジャーナの羊飼いたちは、本の行商を始めたんです。
この地方は、イタリアの本の行商の発祥地なんだそうです。

その昔羊飼いたちは、ポントレーモリの街まで行ったら出版社で売れ残った本を安く買い、田舎に戻ってそれを安い値段で売っていました。
やがてそれが本格的な仕事になり、北イタリア各地に行商に行くようになります。
政府が出版禁止にした本もこうやって広まり、イタリア統一運動の思想が大衆に伝わる手段にもなったとか。

これは、モンテレッジョという町にある本の行商人の記念碑。

でも、重い本を持って遠くまで行くのはやはり大変。
そのうち、大きな町で店を出すようになり、中には出版社を始める人もいました。
こうしてイタリアには、ルニジャーナ出身の書店や出版社があちこちにできたのです。
そんなこんなで、イタリア本業界のルーツ、ポントレーモリは、イタリアの「本の街」となったのでした。

バンカレッラ賞については、「大阪ドーナッツクラブ」というサイトに分かりやすい解説がありました。
こちら

2005年に『Il passato è una terra straniera』で受賞したジャンリーコ・カロフィーリオですが、ちょっと前に、『ヴィエ・デル・グスト』が彼を取り上げていました。

彼はバーリ出身。
ベストセラーミステリー作家で、しかも現職検事。

その彼、バンカレッラ賞の発表当日は、ポントレーモリにいました。
受賞した時のことは、あまりにもびっくりして覚えていないそうですが、その数時間前に何をしていたかは、よーく覚えているそうです。

「発表の数時間前、ルニジャーナ名物のテスタローリを食べた。
地元の人たちみんながこれを注文するように勧めるんだ。
賞の主宰者たちに至っては、もしこれを食べなかったら悪運に見舞われるぞ、とまで言い出した。
おかげで、受賞した今では忘れられない料理になったよ」

きっと今年も、7月20日の発表の日には、ポントレーモリのどこかで、緊張した作家がテスタローリを食べるんでしょうねえ。

ちなみに、カロフィーリオの主な作品はバーリが舞台で、料理の話も時々出てきます。

『無意識の証人』 『眼を閉じて』


バンカレッラ賞には最近、料理本部門と言うのができました。
今年で3回目になります。
5冊がノミネートされていて、発表は10月5日です。

2007年の料理書部門のポスター



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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2006年1月号(在庫なし)
カロフィーリオと巡る「バーリ」の記事は総合解説2005年1月版P.35に載っています。


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2008年5月12日月曜日

テスタローリ

今日はトスカーナのパスタ、テスタローリ testaroliの話。
関連記事は、『サーレ&ぺぺ』 『サーレ&ぺぺ』2006年4月号 に載っています。

テスタローリは、古代ローマ時代に生まれたと考えられていて、イタリアでも最古の部類の粉物。
小麦粉と水を混ぜた生地を浅鍋で焼いた、いわば厚焼きクレープ。
でも、焼いてから切ってゆでる、というのがクレープとは違うところ。

焼いてゆでたテスタローリ

テスタローリにかけるサルサの定番は、バジリコのペースト

トスカーナ料理なのに、サルサはジェノヴァ名物のペースト。
それは、テスタローリがルニジャーナ地方の料理だから。

ルニジャーナ地方はトスカーナの北の端にあります。
ここ
直線距離ならフィレンツェよりジェノヴァの方が近い。
すぐ西にはチンクエテッレもあります。

海には近いけれど、ルニジャーナ地方自体は山の中。
西はリグーリア、北と東はエミリア・ロマーニャの山に囲まれています。

一番大きな町はポントレーモリ。
 ↓

大きな地図で見る


ルニジャーナは、紀元前177年にローマ人が作った町、ルーニがルーツ。
ローマへの巡礼が通る街道もあり、トスカーナとエミリア地方を結ぶ交通の要所でした。
森に囲まれたこの地方は、ポルチーニや栗の産地。
そして一番有名な料理が、素朴なテスタローリ。
うーん、ちょっと地味かな。


ルニジャーナ観光協会が作ったPVがありました。
約15分と、かなり長いです。
歴史の古い地方で、山に囲まれているのがよく分かります。
6分35秒あたりから料理の話も出てきます。
テスタローリは7分頃に登場。




テスタローリは、テストという蓋付きの鋳鉄の浅鍋で焼きます。
こういう道具
この鍋、昔はテラコッタ製だったそうで。
熱した炭や薪の上に脚付きの土台を置き、その上に浅鍋部分をのせます。
そして蓋をしたら、熱い灰や炭をかぶせて焼きます。
焼き上がりはこういう状態

ルニジャーナ地方を紹介するサイト、bagnonemia.itのテスタローリのページでは、「本物のテスタローリはテストに入れてかまどで焼くもの。
フライパンに入れてコンロで作るなんて論外」、と、熱く語ってます。
「スーパーには工場で作った大量生産のテスタローリも並んでるけど、私に言わせれば、あれは美味しい物を知らない人が食べるもの。
ルニジャーナには、テラコッタのテストで美味しいテスタローリを作る人たちがいるから、ぜひそういうものを食べてください!」
だそうです。

それでは、この人のリチェッタをどうぞ。

テスタローリ testaroli
材料;2人分
0番の小麦粉・・200g
水・・1.5カップ


・テストを熱する。
・材料を混ぜてなめらかな生地にし、レードルでテストの浅鍋部分に広げる。厚さは3㎜以下。
・蓋をかぶせて数分焼く。
・取り出したら焼き上がったものから重ねていき、ゆっくり冷ます。
・幅4~5㎝に切り、さらに四角く切る。
・沸騰した熱湯に塩を加えて火を止める。テスタローリを入れ、柔らかくなって浮かび上がったら味を見て取り出す。
・皿にサルサを敷き、その上に水気を切ったテスタローリを重ねていく。全部盛り付けたら残りのサルサをかけてチーズを散らす。


サルサは色々あるけれど、やっぱりジェノヴェーゼのペーストが定番、とこの人も言ってます。


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関連誌;『サーレ&ぺぺ』2006年4月号(クレアパッソで販売中)
“ペーストのテスタローリ”のリチェッタは「総合解説」P.8に載っています。


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2008年5月9日金曜日

ヴェネトの潟の名物、モレーケ

数日前、TVでモレーケを見ましたよー。
5月4日放送の「世界ウルルン滞在記」でした。
そこで今日は、モレーケmoleche(TVでは“モレッケ”と呼んでましたね)の話。

これがモレーケ。
脱皮したての、小さくて柔らかいカニ、ソフトシェルクラブです。




カニはチチュウカイミドリガニという種類。
これが年に2回脱皮します。
その脱皮したての柔らかいオスのカニを、モレーケと呼びます。

カニ1匹丸ごと脱皮

昔は、トスカーナのセスト・フィオレンティーノあたりでも、淡水ガニのソフトシェルクラブが獲れたんだそうですが、環境汚染で姿を消し、今ではイタリアではヴェネトの潟地方だけの特産物。
カニが脱皮する1月末~5月と、9月末~11月末の期間だけ食べることができます。

モレーケの漁は、キオッジャ、ブラーノ島、ジュデッカ島あたりで行われています。
まず、浅瀬に網を仕掛けてカニを獲ります。
その中から、これから脱皮するものをより分けて箱に移し、脱皮するまで待って、脱皮したらすぐに出荷する、という方法。

脱皮するモレーケを入れる箱

モエーケ moecheとも言います。

カニは、「2日以内に脱皮する脱皮寸前のもの」、「約20日の間に脱皮するもの」、「すでに脱皮したもの」、「メス」の4種類に分類します。
これから脱皮する2種類以外は海に戻して(メスは卵を抱く秋だけ獲ります)、脱皮寸前のものは1日に2回チェック、脱皮まで時間があるものは4~5日に1回チェックして、脱皮していないか見張ります。

カニの状態を見分ける技は、父から息子へ代々受け継がれてきたもの。
TVでもやってましたが、シロウトにはまったく区別がつかないですよねー。
最近では、後継者が減っているそうです。
しかも、アサリの養殖場に押されて、現在モレーケ漁をしている漁師は約50軒。
漁獲量は年間約3トン。
スローフードの後援食材にもなっています。

そんな貴重なモレーケですが、ヴェネチアのレストランでは名物料理。
特にフリットは人気のメニュー。

モレーケのフリットのリチェッタは、ちょっと前の『ラ・クチーナ・イタリアーナ』(2005年3月号)で紹介しています。
この料理の特徴は、TVでもやっていた通り、活きたモレーケに卵を吸わせてから揚げる、というもの。
別名、「モレーケ・コル・ピエン」とも呼ばれます。
“ピエン”とは、“ピエーノ pieno”、つまり、「満腹」とか、「ぎっしり詰まった」という意味。
ここでは、『Grande Enciclopedia Illustrata Della Gastronomia』という本のリチェッタをどうぞ。

モレーケ・コル・ピエン Moleche "col pien"
4人分
・卵2個とパルミジャーノ少々を溶き、活きたモレーケ800gを入れる。カニが飛び出さないように皿をかぶせて軽い重石にし、2時間半置いて卵を吸わせる。
・カニが卵をたっぷり吸ったら小麦粉をつけて油で揚げる。
・油を切って塩を振る。


出来上がり

パルミジャーノを加えるリチェッタは、少数派かもしれません。
冷えたスプマンテや軽い赤ワインと一緒にどうぞ。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2005年3月号(在庫なし)
「モレーケ」の記事と「モレーケ・フリッテ」のリチェッタは「総合解説」P.35に載っています。


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2008年5月8日木曜日

ホロホロ鳥料理

きのうのリストランテ・アンバッシャータのメニューにあったホロホロ鳥の卵料理のおかげで、ホロホロ鳥の卵ってどんな味か、まだ気になっています。

Guineafowl
ホロホロ鳥, photo by Auntie P


こんな派手な柄のホロホロ鳥ですが、卵は意外と普通。
大きさも、全然大きくないんですね。
1個45gぐらい。
ということは、日本の鶏卵だとSSサイズ。
殻はとても硬いんだそうです。

Guinea Egg Study
ホロホロ鳥の卵, photo by Brian Boucheron


卵だけ見ると鶏と区別がつかないホロホロ鳥ですが、鶏と違って2日ほど寝かせて肉を軟らかくしてから食べるんだそうで。

イタリアでは、生後20週以下で重さ1kg強の若いものが好まれるようですが、もっと成長したものは煮込みにします。

ホロホロ鳥を使った地方料理は、それほど有名なものは多くないような気がしますが、どうでしょう。
そんな中で、比較的知られている2品、ヴェネトの「ホロホロ鳥の赤ワイン煮」と、トスカーナの「ホロホロ鳥のカルトッチョ」のリチェッタをどうぞ。
原文は、アントニオ・ピッチナルディ著『La grande cucina d'Italia』から。


ホロホロ鳥のカベルネ煮 Faraona al Cabernet
材料;
ホロホロ鳥・・1羽
小玉ねぎ・・150g
乾燥ポルチーニ(15分戻す)・・20g
バター・・60g
小麦粉・・20g
カベルネ・・2カップ
塩、粗びきこしょう

・ホロホロ鳥に小麦粉をつける。
・玉ねぎのみじん切りをバター30gでソッフリットにし、ホロホロ鳥を入れて焼く。ワインをかけて塩、こしょうをし、蓋をしてとろ火で1時間煮る。
・ホロホロ鳥を取り出す。煮汁を漉し、ポルチーニを加えて煮詰めてバターでつなぐ。
・ホロホロ鳥を切り分けて熱いサルサをかける。


出来上がりはこんな料理


ホロホロ鳥のカルトッチョ Faraona al cartoccio
材料;
ホロホロ鳥・・1羽
薄くスライスしたパンチェッタ・・80g
セージ・・3枚
ローズマリーの葉・・大さじ1
にんにく・・1片
豚の網脂
EVオリーブオイル・・大さじ2
塩、粗びきこしょう

・にんにく、セージ、ローズマリーをみじん切りにし、塩、こしょうを加える。
・これをホロホロ鳥の中にたっぷりまぶし、パンチェッタで巻く。
・網脂(1分ゆでる)で包み、油紙(油を塗る)にのせてカルトッチョに閉じる。
・170度のオーブンで1時間焼く。
・テーブルでシートを開く。



ホロホロ鳥のカルトッチョを粘土で包んだのが、ホロホロ鳥の料理の中でも一番ワイルドな粘土焼き Faraona alla creta。

この料理をイタリアに伝えたのはロンバルド族だと言われています。
ロンバルド族とは、「ゲルマン民族の大移動」で知られる人たちの一派で、568年にイタリアに侵入して、一時ロンバルド王国を築きました。

彼らは、優雅さや上品さとは無縁の、かなりワイルドな民族。
ホロホロ鳥の粘土焼きも、羽根をむしらないで丸ごと粘土で包み、焼き上がったら粘土ごとひっぺがす、という荒っぽい料理だったんですねー。

今はホロホロ鳥は羽根を取った状態で売られているから、羽根を取るために粘土で包む、という意味は失われました。
その代わりに、一度シートで包むわけですね。
むしった羽根は、どうなるのかなあ。

粘土焼きのリチェッタは、『サーレ&ぺぺ』2003年2月号で取り上げていました。
その記事によると、粘土は工芸用の、オーブンで焼き固めるものでいいようです。

・パンチェッタ、ローズマリー、にんにくなどを叩いて塩、こしょうを加え、ホロホロ鳥の中と外にまぶす。
・胸をパンチェッタで覆い、糸で縛って全体をひとまとめにしてからシートでカルトッチョに包む。
・粘土は2kgを2枚に伸ばしておき、ホロホロ鳥の上下を覆って手にぬるま湯をつけて閉じる。
・200度のオーブンで2時間焼く。
・数分休ませてからテーブルに運び、麺棒で中央を叩いて割る。


この料理は、イタリア北部、特にロンバルディアやエミリア・ロマーニャあたりの料理。


こちらはホロホロ鳥の塩生地焼き
こういう料理は演出効果抜群ですね。


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関連誌;『サーレ&ぺぺ』2003年2月号(在庫なし)
「ホロホロ鳥の粘土焼き」のリチェッタと写真は「総合解説」P.19に載っています


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2008年5月7日水曜日

リストランテ・アンバッシャータ

今日はレストランの話。

『クチーナ・エ・ヴィーニ』 『クチーナ・エ・ヴィーニ』2007年4月号 でリチェッタを披露していたクイステッロ(マントヴァ)のリストランテ、アンバッシャータ Ambasciata。


Piatto e nastro ambasciata
アンバッシャータのプレイス皿, photo by Sara Maternini


Candele
キャンドル!, photo by Sara Maternini


Riviste
本!, photo by Sara Maternini


ミシュランでは2つ星の、昔から有名な店です。
この店は、料理、サービス、内装、食器、どれをとっても上品でクラシックでゴージャス。
値段もゴージャス(1人約25000円~)で、特別な日に満足のいくひと時を過ごすための店。


Champagne
シャンパン!, photo by Sara Maternini


ここで食事をした人がブログに、「シェフではなく客が王様の数少ない店」、と書いて高く評価していました。
そうなんです。
この店、こんなにゴージャスなのに、シェフは全然気取りがなくて愛嬌たっぷりの御大なんです。
「どんな客とも方言で話すイタリアでただ一人のグランシェフ」、なんて言われたりもしています。

そんなことをふまえた上で店のhpを見てみると、なかなかおもしろいですよ。
こちら

ハハ、なぜかいきなりハレルヤコーラスでスタート。
そして、顔をパンパンに膨らませてラッパを吹いているのが、シェフのロマーノ・タマーニさんとフランチェスコ(通称カルロ)・タマーニさん兄弟。
どっちがロマーノさんかはすぐ分かりますよね。
いやーそれにしても、店の写真はどれも素晴らしい。

料理はマントヴァの伝統料理から魚料理までさまざま。
ホロホロ鳥の卵の料理なんてのがありますよ。
どんな味か気になるなあ。

アニョーリの去勢鶏のブロードがけ
豚頬肉ときのこの煮込み、ポレンタ添え
チョコレートのサラミとモスカートのザバイオーネがけ
ザバイオーネはロマーノさん自ら7分間ホイップして作る


下の動画はクイステッロ風コトレッタを作るロマーノさん。
子牛ではなく豚肉を使います。
豚カツですね。
骨付きロース肉を顔よりも大きく広げてますよー。
しかもなんだこの取っ手は!
まったく、愛すべきマエストロだなあ。




仕上げに散らしていたのは岩塩。
司会者に突っ込まれて、「レモンはかけない!」、と2回も言ってます。


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関連誌;『クチーナ・エ・ヴィーニ』2007年4月号(クレアパッソで販売中)
アンバッシャータのリチェッタは「総合解説」P.31に載っています。


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クリスマスのドルチェに欠かせないカンディーティ。

(CIR)12月号の記事、今日のお題は“カンディートcandito”です。 形容する名詞の性・数によってカンディータ、カンディーティなどと変化します。 フルーツの場合はフルッタ・カンディータfrutta cantita。 カンディーティ入りのクリスマスのビスコッティ。 カンディ―...