ホロホロ鳥, photo by Auntie P
こんな派手な柄のホロホロ鳥ですが、卵は意外と普通。
大きさも、全然大きくないんですね。
1個45gぐらい。
ということは、日本の鶏卵だとSSサイズ。
殻はとても硬いんだそうです。
ホロホロ鳥の卵, photo by Brian Boucheron
卵だけ見ると鶏と区別がつかないホロホロ鳥ですが、鶏と違って2日ほど寝かせて肉を軟らかくしてから食べるんだそうで。
イタリアでは、生後20週以下で重さ1kg強の若いものが好まれるようですが、もっと成長したものは煮込みにします。
ホロホロ鳥を使った地方料理は、それほど有名なものは多くないような気がしますが、どうでしょう。
そんな中で、比較的知られている2品、ヴェネトの「ホロホロ鳥の赤ワイン煮」と、トスカーナの「ホロホロ鳥のカルトッチョ」のリチェッタをどうぞ。
原文は、アントニオ・ピッチナルディ著『La grande cucina d'Italia』から。
ホロホロ鳥のカベルネ煮 Faraona al Cabernet
材料; ホロホロ鳥・・1羽 小玉ねぎ・・150g 乾燥ポルチーニ(15分戻す)・・20g バター・・60g 小麦粉・・20g カベルネ・・2カップ 塩、粗びきこしょう ・ホロホロ鳥に小麦粉をつける。 ・玉ねぎのみじん切りをバター30gでソッフリットにし、ホロホロ鳥を入れて焼く。ワインをかけて塩、こしょうをし、蓋をしてとろ火で1時間煮る。 ・ホロホロ鳥を取り出す。煮汁を漉し、ポルチーニを加えて煮詰めてバターでつなぐ。 ・ホロホロ鳥を切り分けて熱いサルサをかける。 |
出来上がりはこんな料理。
ホロホロ鳥のカルトッチョ Faraona al cartoccio
材料; ホロホロ鳥・・1羽 薄くスライスしたパンチェッタ・・80g セージ・・3枚 ローズマリーの葉・・大さじ1 にんにく・・1片 豚の網脂 EVオリーブオイル・・大さじ2 塩、粗びきこしょう ・にんにく、セージ、ローズマリーをみじん切りにし、塩、こしょうを加える。 ・これをホロホロ鳥の中にたっぷりまぶし、パンチェッタで巻く。 ・網脂(1分ゆでる)で包み、油紙(油を塗る)にのせてカルトッチョに閉じる。 ・170度のオーブンで1時間焼く。 ・テーブルでシートを開く。 |
ホロホロ鳥のカルトッチョを粘土で包んだのが、ホロホロ鳥の料理の中でも一番ワイルドな粘土焼き Faraona alla creta。
この料理をイタリアに伝えたのはロンバルド族だと言われています。
ロンバルド族とは、「ゲルマン民族の大移動」で知られる人たちの一派で、568年にイタリアに侵入して、一時ロンバルド王国を築きました。
彼らは、優雅さや上品さとは無縁の、かなりワイルドな民族。
ホロホロ鳥の粘土焼きも、羽根をむしらないで丸ごと粘土で包み、焼き上がったら粘土ごとひっぺがす、という荒っぽい料理だったんですねー。
今はホロホロ鳥は羽根を取った状態で売られているから、羽根を取るために粘土で包む、という意味は失われました。
その代わりに、一度シートで包むわけですね。
むしった羽根は、どうなるのかなあ。
粘土焼きのリチェッタは、『サーレ&ぺぺ』2003年2月号で取り上げていました。
その記事によると、粘土は工芸用の、オーブンで焼き固めるものでいいようです。
・パンチェッタ、ローズマリー、にんにくなどを叩いて塩、こしょうを加え、ホロホロ鳥の中と外にまぶす。 ・胸をパンチェッタで覆い、糸で縛って全体をひとまとめにしてからシートでカルトッチョに包む。 ・粘土は2kgを2枚に伸ばしておき、ホロホロ鳥の上下を覆って手にぬるま湯をつけて閉じる。 ・200度のオーブンで2時間焼く。 ・数分休ませてからテーブルに運び、麺棒で中央を叩いて割る。 |
この料理は、イタリア北部、特にロンバルディアやエミリア・ロマーニャあたりの料理。
こちらはホロホロ鳥の塩生地焼き。
こういう料理は演出効果抜群ですね。
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関連誌;『サーレ&ぺぺ』2003年2月号(在庫なし)
「ホロホロ鳥の粘土焼き」のリチェッタと写真は「総合解説」P.19に載っています
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