トンノの話、その4。
サルデーニャのマグロ漁の島、サン・ピエトロ島は、ビーチリゾートの島でもあります。
リグーリア風の家が並ぶカルロフォルテの海岸通り, photo by Alessandro Cani
普段は約7,000人の島の人口が、夏には4~5万人になるそうで。
でも、この島でマッタンツァを見て生のクロマグロを食べることができるのは、5月から6月の間だけ。
この期間には、「ジーロトンノ」というマグロ祭りも開催されます。
今年は5月29日から6月1日まで開催されるこのイベント、29日にはマッタンツァも予定されていますよ。
なんだか楽しそうですね。
Girotonno 2008のhpはこちら。
島でマグロを食べるなら、大トロのイタリア語、ヴェントレスカ ventresca は覚えておかなくてはならない単語。
ヴェントレスカ, photo by encantadisimo
中トロはタランテッロ tarantello で、血合いはブッゾナッリア buzzonaglia 。
あと、ボッタルガ bottarga ぐらいは問題なし。
でも、カルロフォルテのレストランのメニューには、これ以外にも、意味不明のマグロ用語がずらっと並んでいます。
どの店も、hpには料理の詳しい説明を載せているので、『ラ・クチーナ・イタリアーナ』に登場した店のメニューをちょっと見てみますか。
まずは、アル・トンノ・ディ・コルサ Al tonno di corsa 。
店のhpはこちら。
このページの写真の料理は、
・Tonno di corsa all'olio d'oliva
マグロ網漁で捕ったマグロのオイル漬け
・Musciamme di tonno
赤身を塩漬けにして30日間干したもの
・Tonno affumicato
赤身のスモーク
・Cuore di tonno
マグロの心臓に塩をして干したもの
・Bottarga di tonno
マグロのボッタルガ
・La cappunnadda
元々は航海用の乾パンを使った夏の料理で、湿らせた乾パンにマグロとトマトをのせた一品
・Cassulli
マグロ、トマト、パルミジャーノのサルサのパスタ
・Cascà
豆と野菜のクスクス
・Bobba
乾燥空豆と野菜のクレーマ
・Tonno alla carlofortina
マグロのブラザート、デミグラス風味
・Il belu
マグロのトリッパ(胃袋)
ダ・ヴィットリオ Da Vittorio のhp(こちら)には、
・マグロの塩漬け、musciame(ムッシャーメ)は、元々はイルカの赤身で作っていたと書いてありますねえ。
いわば“マグロの生ハム”なんだそうです。
サルデーニャ以外でも作っています。
こんなもの。
標準語ではmosciame(モッシャーメ)。
・“マグロのトリッパ”ことbelu(ベール)は、島の人の大好物。生のものをゆでて、バジリコ、トマト、じゃがいも、玉ねぎで煮たり、干して冬用の干物にするそうです。
・ マグロの白子、lattume(ラットゥーメ)は、ゆでてスライスしてトマトにのせ、オリーブオイルをかけます。
・tonno salato(トンノ・サラート)はマグロの塩水漬け。水で戻して調理します。
マグロの生ハム、マグロのトリッパ、マグロのボッタルガ、マグロの白子、マグロの心臓、マグロのブラザート・・・。
面白そうなものがたくさんありますねえ。
お土産には缶詰もどうぞ。
カルロフォルテのマグロの缶詰, photo by Charles Roffey
次は、生のマグロのリチェッタです。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“カルロフォルテ~サルデーニャのマグロ漁の島”の記事は「総合解説」P.2に載っています。
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2008年5月22日木曜日
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2 件のコメント:
こんにちは
まぐろの生ハムというのは世界中さがしても2004年以前にはなかったはずですが・・・
日本での俗名の事ではないでしょうか?
匿名さん
“マグロの生ハム”という言葉は、リストランテ・ダ・ヴィットリオのhpの中にある“una sorta di prosicutto crudo”という一文を訳したものです。
こちらのページ→http://ristorantedavittorio.carloforte.it/vittorio.htm
の“il MUSCIAME”の説明の中に出てきます。
あくまでも、「ムシャーメは“いわゆる”生ハムです」、という意味であって、マグロの生ハムという商品ではありません。
ブログでもそのつもりで書きましたが、説明不足だったでしょうか。
日本にそういう俗名があるのかどうか、私は知りません。
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