2023年3月8日水曜日

モンテプルチャーノのすぐ近くで造られているトスカーナのペコリーノ・ディ・ピエンツァも、サルデーニャから移り住んだ羊飼いが造ったチーズだった。

今日の話はCIR2月号の記事《ペコリーノ》P.16からです。
ペコリーノはペコリーノ・ロマーノしか知らないという人が大半だとは思いますが、イタリアでは各地で数多くのペコリーノが造られています。
ちなみにローマではチーズと言えば牛乳のチーズではなく、羊のミルクのチーズのことだそうです。

今日のペコリーノは、トスカーナのペコリーノ・ディ・ピエンツァpecorino di Pienzaです。羊のレンネット(凝乳酵素)を使うので、とてもクセが強いペコリーノ。

ペコリーノ・ディ・ピエンツァ

トスカーナのヴァル・ドルチャval d'Orciaという地方で半野生状態で飼育されているサルデーニャの品種の羊のミルクから造ります。20世紀になってサルデーニャからトスカーナに移り住んだ農民が造り始めた、歴史の長いペコリーノのわりには歴史の短いチーズ。
同じヴァル・ドルチャのピエンツァのすぐ近くで造られているワイン、モンテプルチャーノのようなトスカーナのタンニンや個性が強いワインによく合い、脂を洗い流すことができるチーズ。

トスカーナのハートこと、ピエンツァとヴァル・ドルチャ。その風景は世界中の人がイメージするトスカーナの姿そのもの。レオナルド・ダ・ヴィンチの絵の背景に描かれていそうな風景。

ヴァル・ドルチャ。

ペコリーノ・トスカーノの一種、ペコリーノ・ディ・ピエンツァの中でも最高のペコリーノの造り手と言われているのがブーカヌオヴァbucanuova。サルデーニャの羊飼いの一家が造っています。どうやらペコリーノのキーワードはサルデーニャ。

ブーカヌオヴァのペコリーノ・ディ・ピエンツァ。


ブーカヌオヴォのwebページはこちら。詳細はCIR2月号P.17をご覧ください。

ペコリーノ・ロマーノたげでなく、ペコリーノ・ディ・ピエンツァもサルデーニャの羊飼いが造ったチーズでした。
下はペコリーノ・ロマーノとペコリーノ・サルドの違いを説明する動画。

最初にペコリーノ・ロマーノとグラナ・サルドを並べて色の違いを見ています。左の白いペコリーノは羊小屋の羊のミルクから造り、塩分の含有量は2~3%。右は放牧地の羊のミルクから造ったチーズで塩分の含有量は6.5%ととても高くなっています。
ペコリーノ・ロマーノはローマ料理のベースとなるチーズですが、パルミジャーノによく似ています。おろしてアマトリチャーナなどのローマのパスタや料理に散らすのに最適です。ピエンツァのペコリーノは食事中に食べたり、赤ワインと組み合わせるのに最適。
ローマ料理に合うように造られたペコリ―ノ・ロマーノ、トスカーナのワインに合うのはペコリーノ・ディ・ピエンツァ。さらに言えば、サルデーニャの羊飼いが造るチーズは製造コストが安く、塩分が多いので保存できる期間も長いチーズでした。一方、トスカーナのチーズは世界的なトスカーナワインの人気と結びついて、世界中に広まりました。塩気のないトスカーナのパン、パーネ・ショッコに合うその甘さも、パルミジャーノに似た味も、世界中の消費者に人気となりました。
ペコリーノの生産者は選択を迫られました。庶民的なローマ風にするか、高級で洗練されたトスカーナ風にするか。クセを残すかマイルドにするかです。

サルデーニャから移り住んだ羊飼いがローマやトスカーナでチーズを造ったが、ローマのパスタもトスカーナの高級ワインも知らない羊飼いは、ペコリーノの癖が強いと言われて消費者が求めるマイルドな味に変えて売った。すると値段の安さもあって大ヒット。造り手のいないローマやトスカーナのチーズは消えていった。

トスカーナでも個性的なペコリーノは造られていた。
その一つがペコリーノ・デッラ・モンターニャ・ピストイエーゼpecorino della montagna Pistoieseです。山の暮し、農民、羊の共同作業が生み出すチーズ。小さな作り手たちが集まって上質のペコリーノを造り出す。ピストイアの山間部では、角が特徴の黒い羊たちを飼育し、チーズや羊毛を造っている。

ペコリーノ・デッラ・モンターニャ・ピストイエーゼ

羊を飼育するということは、村や文化を造り出すことに直結していた。

70年代にサルデーニャから羊の群れと共にマルケ移り住んだカウ・エ・スパーダ家は、現在では上質のペコリーノの造り手として知られている。
カウ・エ・スパーダ。

アブルッツォのグレゴリア―ノは1500頭の羊のミルクから造られる。
Gregolianoのペコリーノ


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羊と牛のミルクは何が違うのか。羊は放牧されて放牧地の草を食べてミルクを出す。つまりミルクが出るのは放牧地に草が茂る季節で、ミルクの味は放牧地に生える草次第。

今日のお題はペコリーノです。
ペコリーノは、羊のミルクというクセの強いミルクから造るクセの強いチーズとして、マイルドな牛乳のチーズに慣れている消費者からは多少敬遠されがちなチーズだが、イタリアでは、長い伝統があるメイド・イン・イタリーの産物として誇らしげに語られています。CIR2月号のペコリーノの記事も、歴史とプライドを感じさせるものでした(日本語訳はP.16~)。
 
 記事は、ポリフェルモという洞窟に棲む一つ目の巨人の話から始まります。
ポリフェルモが何なのか知っている人は、アジアにはほとんどいないだろうなあ。
でも、ヨーロッパでは有名な存在。ギリシャ神話に登場するし、ホメロスのオデュッセイア(ユリシーズ)にも登場します。ポセイドンの息子だそうです。


グロテスクで恐ろし気な一つ目の巨人ですが、なんと彼は、緑豊かな島で羊を飼って洞窟に棲んでする、という設定です。つまり、イタリアの食文化を代表する歴史上もっとも有名なチーズ、ペコリーノを造る羊飼いだったのです。

多分、ポセイドンの息子の一つ目巨人が羊飼いでペコリーノの造り手ということは、ヨーロッパ人の教養の基礎の範囲内なんでしょうねえ。
それにしても、ペコリーノはなぜ特別なのか、というと、かなり野生が残った家畜である羊のミルクのチーズの製造過程が人と自然の関わりを強く感じさせるチ―ズだからです。

ヒツジの飼育。


牛の飼育。

牛との違いは一目瞭然。羊は放牧、牛は小屋で囲って人が餌を与えます。

羊のミルクを絞れるのは放牧されている羊が栄養価の高い餌を探せる春から夏の間。つまりそれが授乳期間で、かなり凝縮されています。
夏の終わりになると羊は妊娠の準備のためにミルクを出さなくなります。
そのためミルクを保存する必要があったのです。
そして創り出されたのが中~長期熟成させるチーズ。
羊のミルクの味は食べている餌や季節によって違います。
つまりチーズは牧草地によって味が違うのです。
そしてちょっと意外だったのが、こう言ったのが、イタロ・カルヴィーノというイタリアの国民的作家だということ。彼は大学の農学部出身なのでした。

ペコリーノの牧草地による影響について語れる国民的作家って、なんだかおもしろい。
次はイタリア各地の名物ペコリーノの話。

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2023年3月7日火曜日

オデュッセイアは欧米のインテリと世界中のオタクの必須教養。

ペコリーノの話、きのうはユリシーズに登場する一つ目巨人は羊飼いで、ペコリーノを造っていた、という話をしましたが、ユリシーズはホメロスの叙事詩、オデュッセイアの主人公の名前で、オデュッセイアをラテン語にしてそれをさらに英語にするとユリシーズになる。さらに『ユリシーズ』はアイルランドの作家、ジェイムス・ジョイスの小説。
このあたりから話はややこしくなりますが、ホメロスの叙事詩は欧米のインテリの必須教養の一つ。
しかも、なにやらオタクの世界観でもギリシャ神話はバイブルのような存在らしい、知らんけど。
そう言えばマーベルにも昨今ではギリシャ神話の登場人物が次々登場している。

今月のCIRのP.35にもある通り、オデュッセイアの旅の舞台はラツィオ州でした。
放牧地によって味が違うペコリーノ。
イタリアのペコリーノは、ペコリーノ・ロマーノ、ペコリーノ・トスカーノ、サルド、シチリアーノが代表的。

約2千年の歴史があるペコリーノ・ロマーノだが、19世紀末以降、製造の中心はサルデーニャに移った。現在、ペコリーノ・ロマーノのほとんどがサルデーニャ産。
現在、ペコリーノ・ロマーノは生産量が減少している。羊に青舌病が流行し、雨が多くて活動量が減り、ミルクの生産量も激減した。

ペコリーノ・ロマーノ。

ペコリーノ・ロマーノは古代ローマ時代にローマ郊外の農村で誕生したと言われている。
ペコリーノ・ロマーノは輸出量の多さでは羊のチーズナンバーワン。
生産量が増えて近代的な製造方法が用いられるようになると、消費者の好みに合う味のペコリーノを造ることが可能になり、産地の個性は薄れていく。
現在のペコリーノ・ロマーノは、主にサルデーニャの品種の羊のミルクから造る。サルデーニャの羊のミルクはラツィオ産より塩気が強いが、北イタリアの消費者は甘さやフレッシュさを好んだので、甘口で刺激の少ないペコリーノが造られるようになる。
これはグローバル化のデメリットそのもの。

ペコリーノ・サルド。

ペコリーノ・トスカーノ。

ペコリーノ・シチリアーノ。

チーズの個性は産地の消費者が創り出しているのですね。個性が強いということは、それだけ地元の消費者の生活に根付いているということ。
各地の個性豊かなペコリーノを代表するものの1つが、まずはエミリア・ロマーニャのペコリーノ・ディ・フォッサ。
下の動画では芸術品のようなペコリーノ・ディ・フォッサを造ると言われているレナート・ブランカレオー二がペコリーノ・ディ・フォッサのことを語ります。

個性的なペコリーノ、次回に続きます。

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2023年3月4日土曜日

ミラノは繊維産業の次に牛の飼育が広まった。その結果子牛肉はミラノ料理のスターになった。安い外国産に押されても、国産品との違いをよく知っていた肉屋が守った。

今日の料理は“rustin negaa”です。なんて発音するんでしょうねえ。
これはミラノの方言です。
今月のCIRのリチェッタのテーマは、トラットリアの料理。
方言の名前の料理を社交の場でもあるミラノのリストランテで出すとは思えないので、名前からしてこれはトラットリアの料理です。
それではどう発音するのか、みごとな巻き舌と共にお聞きください。
ロスティン・ネガ―と言ってますね。
標準語で言うとロスティン・アンネガーティだそうです。
アンネガートとは“溺れた”、という意味。
煮込みほどじゃないけど適度な水分で湿らせた料理。
ミラノ料理のお勧め本、『クチーナ・ミラネーゼ

によると、
ミラノ料理の主役は子牛肉。
かつてのミラノでは牛肉より子牛肉のほうが多く消費されていました。
ミラノでは繊維業産業の次に農業や酪農が広まっていました。
でも、子牛のような可愛い生き物を食べるのにミラノ人は心を痛めていたそうです。
子牛肉は贅沢品で、骨や脂身も残さず食べなきゃもったいない、という訳で、これらは庶民が食べる部位、肉はもっと上流階級が食べる部位、とされてました。

ミラノのトラットリア。

子牛肉も次第に安いオランダ産に押されるようになったが、オランダとイタリアでは子牛肉に対する考え方がかなり違った。
肉屋は国産子牛のみを扱うところが多かった。なぜなら、イタリアの子牛は生後12ヵ月齢以内でさばくが、生まれてからずっと母親のミルクのみで育てる。ところが流通している外国の子牛は水と粉末ミルクで育てたので、品質がかなり劣ったのだ。

ミラノの子牛料理の代表、コストレッタ・アッラ・ミラネーゼ。

ロスティン・ネガア。

すねの軟骨、ネルベッティのサラダ。

骨髄入りのオッソブーコ。

下の動画の料理は、盛り付けによっては肉じゃがにも見えるけど、これもミラノの庶民の子牛肉料理、子牛肉とじゃがいものスペッツァティーノ。

筋の多い安い部位の子牛肉の煮込み。ミラノ料理だけでなく、イタリア料理の定番でもある。
肉とじゃがいものスペッツァティーノSpezzatino con patate
材料/
牛肩肉・・1.2㎏
じゃがいも・・600g
玉ねぎ・・150g
トマトペースト・・30g
白ワイン・・120ml
ブロード・ディ・カルネ
EVオリーブオイル・・大さじ4
塩、黒こしょう

・肉を小さく切って小麦粉をまぶす。今回はじゃがいもを加えるのではぶく。
・肉を全部入れても重ならない大きさの鋳鉄の鍋に油を熱して肉を強火で焼く。
・その間に玉ねぎを薄く切る。
・肉にワインをかけてアルコール分を飛ばし、鍋底の焼き汁をデグラッサーレする。
・玉ねぎを加えて弱火にする。トマトペーストとブロードを加える。
・蓋をして最低1時間煮る。粗く切ったじゃがいもを加える。小さなものは溶けるので大きさをそろえる必要はない。塩をし、蓋をしてさらに煮る。

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2023年3月3日金曜日

海に近い場所では塩漬け、山の上ではスモーク、そして南の日当たりのよい場所では天日で干して食物を保存した。カラブリアは天日干し野菜の宝庫。

今日の料理は魚料理の2品目、“イワシのスカッティアーテ”です(リチェッタはCIR2月号P.9)。
リチェッタの最後に軽い解説のように加えられた文章にもある通り、この料理はカラブリア料理です。ロッサ―ノという町の名物料理です。
料理にはカラブリアを象徴する食材が使われています。それはペペ・ロッソpepe rosso。
直訳すれば赤いこしょうですが、これは天日で干してから挽いて粉にした甘い唐辛子で、カラブリア料理にはよく使われます。
イワシのスカッティアーテ。
スカッティアーテとは飛散する、という意味です。調理中の状態が、“飛散する”と形容したくなる状態になるようです。もう一つの特徴は、リチェッタにもありますが、動画のようにイワシが見えなくなるくらいペペ・ロッソを散らすこと。上の動画を見る時確認してみてください。

自家製の甘い唐辛子ペペロッソの粉末、ペペ・セネージ。

・針に糸をつけて完熟したピーマンに糸を通す。天日で数か月干すと表面がしわしわになる。夜は湿らないように室内に取り込む。
・ピーマンから種を全部取り除く。
・オーブン皿にオーブンシートを敷き、ピーマンをのせる。
・120℃で15分焼く。
・オーブンから出して冷ます。
・これをミキサーにかけて刃が熱くならないように短時間ずつ攪拌して粉にする。


カラブリア料理の本、サポーリ・ディ・カラブリア

を見ていると、すぐにあることに気が付きます。
それは、カラブリア料理は、干した野菜をよく使うということ。
日の光に恵まれたカラブリアでは、干すことは食物の保存に欠かせない方法だったのです。
塩漬けは、海の近くの塩が取れる地方の保存方法。スモークは、山の上の塩が取れない地方の保存方法、そして乾燥は、天日干しができる南イタリアの保存方法。
しかも唐辛子には防腐・殺菌効果があって、食物の保存効果もありました。

カラブリアでは干して種を取った状態で売られている。これを料理に使う時は、肉やトリッパの煮込みやソッフリットに加えたり、さっと油を通してチップスにする。

粉末の唐辛子ではなく、カラブリアのものは粉にしたカラブリアのピーマン。パプリカとも違うそうです。
ペペロッソとパン粉のスパゲッティPasta con polvere di peperone rosso 


・堅くなった田舎パンのクラムをフライパンで炒ってカリッとさせる。
・フライパンにEVオリーブオイルをたっぷり入れて熱し、にんにく2かけを入れて焦がさないように香りをつけるて取り除く。火を止めて油を冷ます。ペペロッソを加えた時油が熱いと焦げて味や色が変わる。
・パスタをゆでてにんにくオイルであえる。トーストしたパンを散らして皿に盛り付け、好みで唐辛子の粉を散らす。


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2023年3月2日木曜日

『河の女』は魔性の美女ソフィア・ローレンがナポリじゃなくポー河デルタ地帯に出没してウナギを焼きながら若者の運命を狂わせる映画。

今日の料理は“ウナギの赤ワイン煮”です(日本語のリチェッタはCIR2月号P.7)。
ウナギの話題は先日、マスのカルピオーネの話の時、淡水魚つながりで取り上げたばかりでしたが、意外と人気なイタリアのウナギ料理、トラットリアの定番魚料理でもありました。
イタリアでウナギと言えば、コマッキオ。ウナギはコマッキオの女王とも呼ばれていました。
コマッキオは小ベネチアとも呼ばれる美しい街。ウナギはベネトでも人気がありました。

コマッキオ。

コマッキオはエミリア・ロマーニャ州フェッラーラ県のポー河デルタ添いの街で、フェッラーラはウナギ料理が伝統料理として知られています。

コマッキオの湿原地帯。
日本人は、なぜかウナギを食べるヨーロッパ人は珍しいと思いがちですが、さほど珍しい食べ物ではないようです。
初めてイタリアのトラットリアのメニューにウナギ料理を見かけたときは、つい好奇心から注文してしまいましたが、食べてみると、日本のウナギ料理とはかなり違って、油でギトギトで、それ以来、食指が動かなくなりました。でも、かば焼きの先入観さえ拭い去ってしまえば、イタリアンのウナギも面白いものです。

2020年のコマッキオのウナギ祭り。

潟地方なので、アサリも名物。スパゲッティ・ボンゴレもウナギと一緒にちゃっかり推してます。
コマッキオ名物のウナギのグリル。開いた丸ごと一匹に塩、こしょうしてしっかり焼きます。つけあわせはポレンタ。


“ウナギの煮込みanguilla in umodo”はエミリア・ロマーニャの代表的な魚のセコンド・ピアット。ウナギをトマトやワイン、ビネガーといった酸味で煮ます。


イタリア北部を横断するポー河デルタ地帯は自然に恵まれたとても美しい地方です。

エミリア・ロマーニャ地方で生まれ育ったシェフの本、ブルーノ・バルビエリ/ビア・エミリア

には、ポー河のそばで育った子供時代の思い出が語られています。
「私の祖母は、いつも近所の子供数人を連れて河に遊びに行った。仕事の後に一休みする祖父母と近所の年上の子供たちと泳ぎを覚えて過ごすひと時は、彼にとってかけがえのない時間だった。後にクルーズ船の料理人となっる彼は、この時の経験から水が自分の人生とは切り離せないものと感じるようになる。今でも雨の音を聞くと、創作意欲が湧いてきて、新しい料理を考えつくそうだ。」

ポー河は北イタリアの人にとって、大切な河なんですね。

下の動画は《コマッキオのウナギのマリナータ》という動画だから、てっきり料理の動画だと思ったら、いきなりソフィア・ローレンが出てきてナポリ映画でも始まった?、それにしてもソフィア・ローレン美人、と見とれていたら、後ろ、後ろ、全部ウナギ~!!まじでウナギが主役の映画じゃん。1995年のソフィア・ローレン主演の『la donna del fiume/河の女』という映画。貧しいけどお色気ムンムンの農家の娘を演じたら、この人最高。

『河の女』は主題歌も大ヒット。ポー河デルタの若者はこんな青春だったの・・・。

個人的にはソフィア・ローレンは『ナポリの黄金』のナポリのピッツァ・フリッタの屋台の美人すぎる女将さん。

ピッツァは揚げるはウナギは焼くは、イタリアの女優は料理も上手そう。

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2023年3月1日水曜日

アラブ人が伝えた中世後期の米はヨーロッパでは食べ物で、薬で、魔法だった。ロンバルディア人にとっての米はナポリ人のトマトに匹敵する。

今日はヴィチェンツァ生まれ(1965)で、マルケージやデュカスを始めとする内外のグランシェフの元で働いて、イタリアを代表するシェフとなったカルロ・クラッコシェフが書いた初心者向きのイタリア料理の本から、リゾットにまつわる話を訳してみます。

彼の本は、どれも個性的なタイトルですが、『È NATO PRIMA L'UOVO O LA FARINA?(卵が先か小麦粉が先か)』という本は、基本的な食材ごとにシェフの考えが書かれています。
食材の中には“米”もあります。
 クラッコシェフは、米について、歴史の古い穀物で大昔に遠くの国から伝わった、と語っています。彼が語るのは、ヨーロッパのシェフから見た米の歴史です。
米は境界上の食べ物で、栄養源で、薬で、魔法だった、と語っています。なんだか米がファンタジーな食べ物になったみたいで楽しいですが、この発想はちょっとなかった。
そして米の栽培を伝えたのは地中海全域に勢力を広げつつあったアラブ人でした。
イタリアでは、まずシチリア、そしてプーリアと、水が豊富な南部に普及します。そして15世紀になると強力な領主が土地を水田化した北イタリアにも伝わります。まずロンバルディア、そしてパダナ平野全域でした。
 北イタリアではすぐに米が広まったが、小麦栽培が主流の南では変化はゆっくり進みました。現在、米は地中海料理の柱の一つで、パンやパスタに匹敵するものです。リゾットはイタリア料理のシンボルの一つとして世界中に認められています。私のベースとなる料理のようなもので、北イタリアのスペチャリタで、私はリゾットと共に育ったと言えます。リゾットには伝統が込められているので、料理人の腕前が披露される料理とも言えます。メニューにリゾットを載せるということは、シェフの考え方を披露するということになります。
 さらに地域性もあります。米は北から南に移動するにつれて徐々にほかの穀物に取って変わられます。例えばトスカーナや中部イタリアではファッロや大麦が普及しました。さらにターラントやバーリではリゾットではなく、ムール貝やじゃがいもと組み合わせて他の料理が作られました・・・。
 アラブ人の登場から、南イタリアの名物料理まで、米を語らせたらトマトを語るナポリ人に匹敵するくらい、熱く語る北イタリア人でした。

イタリア食物史~《米》。

ロンバルディアのリゾット・ミラネーゼはサフランと牛の骨髄を使う高価な食べ物で、ベネトの米のミネストラは残り物から造る質素な食べ物、と言ってますねー。しかも質素な食べ物というイメージが南イタリアでは確立してしまい、あまり広まらなかったようです。

米、ポロねぎ、じゃがいものミネストラMinestra riso patate e porri

材料
米(オリジナーリオ)・・120g
じゃがいも・・600g
ポロねぎ・・500g
にんにく・・1かけ
サフラン(ホール)・・一つまみ
野菜のブロード
パルミジャーノ
EVオリーブオイル・・大さじ3

・鍋に油少々とにんにくを熱する。
・ポロネギは緑の部分を取り除いて小口切りにする。
・油からにんにくを取り除いてポロネギを加え、焦げないようにソッフリットにする。
・じゃがいもを小角切りにして水にさらす。
・熱い野菜のブロード1/2カップにサフランを溶かす。
・野菜のブロード少々で鍋底をデグラッサーレし、じゃがいもを加えてなじませる。
・野菜のブロードで覆い、蓋をして沸騰させる。
・サフラン入りブロードと米、塩を加えて(オリジナーリオ米はミネストラに最適の小粒の品種)10~12分煮る。煮上がる4~5分前に火を止めて休ませる。
・器に盛り付けてパルミジャーノを散らす。

この料理を質素と考えるかゴージャスと考えるかはブロードの違いでしょうか。
ブロード・ディ・カルネ。

クラッコシェフの本、『クールにしたいならエシャロットを使う

からブロード・ディ・カルネのリチェッタをどうぞ。

・玉ねぎを半分に切ってクローブ2個を刺す。油を引かずにフライパンで切り口をトーストし(澄んだブロードにするため)、セロリ、にんじん、ポロねぎ、イタリアンパセリのブーケガルニ(好みで)と一緒に鍋に入れる。
・水5ℓ、牛骨付きあばら肉1㎏、粗塩約30gを加え、表面に浮いたあくを取りながら3時間ゆでる。
・野菜と肉を別々に取り出して冷ます。
・日付を書いて冷凍してもよい。
・肉が冷めたら余分な脂身を骨から取り除き、ジュリエンヌに切る。野菜も同様にする。
・オリーブとケッパーを散らし、油少々を回しかけ、塩、こしょうしてサラダにしてもよい。

下の動画では牛の骨髄を切り出しています。お肉屋さんの本気を見た・・・。しかもネアンデルタール人の狩りまで引き合いに出して熱く語ります。骨髄のことを。魚食べてる民族にはついていけないレベル。感動しました。


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クレーマ・ナメラカ入りのレイヤーケーキ。

クリスマスのオリジナルケーキ。今日はレイヤーケーキです。ドアップで見ると、とても美しい、インパクトの大きなケーキ。レイヤーというその名の通り、各種の素材を複数の層に重ねたケーキ。イタリア語ではトルタ・ア・ストラーティtorta a strati。 イタリアの伝統的なレイヤーケーキ...