2008年6月10日火曜日

アルト・アディジェのスペック

『サーレ・エ・ぺぺ』で、5月の食材の一つとして、スペックを取り上げていました。
デリケートにスモークした香ばしいスペック。
う~ん、あの香りを想像すると、アルト・アディジェの、初夏のすがすがしい森の空気が伝わってくるなあ・・・。


St. Magdalena
サンタ・マッダレーナ(アルト・アディジェ), photo by gp berlin


Speck and Cheese
スペック, photo by Diego Cosenza


スペックは、豚のもも肉を塩漬けしてからスモークし、さらに熟成させた生ハム。
アルト・アディジェのIGP製品。

地中海の塩漬け技術と、北ヨーロッパの燻製の技術が融合されたこの生ハム、「軽い塩、軽い燻製、たっぷりの空気」がキャッチフレーズなだけあって、とてもデリケートな風味。
特にあの、繊細で香ばしい香りは、たまりませんなあ。

アルト・アディジェのスペック管理組合のhp(www.speck.it)によると、スペック作りは、まず、秘伝の配合の塩とスパイスをもも肉にまぶして、約3週間漬けます。
ポイントとなるスモークの過程は、20度以下の低温と軽い煙でデリケートに。
熟成は、気温15度以下、湿度60~90%で、平均22週間。
塩分は5%以下。
スペックは、薄いカビの層で覆われているのも特徴。
これによって過度の乾燥を防ぎ、くるみやポルチーニのような森の風味がスペックに加わります。


スペックができるまでを簡単に説明した動画です。




こちらはスペックの切り方の説明。
切る1時間ぐらい前に室温に置いて、香りが広がるようにします。
切り方は、薄切り、小角切りなど様々ですが、基本は繊維と直角に切ること。
一般的なのは、まず幅3㎝に切り、皮を取り除きます。
次に、脂身と表面の覆いを好みの量だけ取り除き、厚さ1~2mmにスライスします。


食べ方は、『サーレ・エ・ぺぺ』で紹介しているパスタやフリッタータなど色々あるけれど、写真のように、チーズと一緒にワインのつまみにするっていうのもいいですよねえ。

スペック管理組合のhpから、リチェッタを1つ。

インサラータ・チロレーゼ Insalata Tirolese allo Speck Alto Adige IGP
料理の写真と原文はこちら

材料/4人分
ロメインレタス・・2個
ゆで卵・・2個
スペック・・80g
ルーコラ
種抜き黒オリーブ・・大さじ2
ラディッシュ・・1把
食パン・・3枚
削ったグラナ
白ワインビネガー
EVオリーブオイル
にんにく・・1片
塩、こしょう


作り方は載っていませんが、材料を混ぜて、オイル、ビネガー、塩、こしょうで調味するんでしょうね。
パンは小角切りにしてクルトンにするのかな。


そうそう、5月は、ボルツァーノでスペック祭りもありました。
今年は5月22日から25日まででした。

ちょっと映りが悪いけど、これはその時の映像。
ここがイタリアとは、思えませ~ん。




アルト・アディジェは、南チロルとも呼ばれる地方。
このあたりは独特の歴史と文化があって、イタリアの中ではちょっと異色。
次はアルト・アディジェの料理の話です。


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関連誌;『サーレ・エ・ぺぺ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
スペックを含む“5月の食材”のリチェッタは、「サーレ・エ・ぺぺ/リチェッタ訳」P.20に載っています。


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2008年6月9日月曜日

シチリア風アランチーニ;リチェッタ

リゾット・アッラ・ミラネーゼと仲間たち。

Risoto de abóbora
基本のリゾット・アッラ・ミラネーゼ, photo by Capitu (ou Marcela)


Cooking Lecture: Italian - Risotto al Salto (Pan-Fried Risotto Patties)
フライパンで焼き固めたリゾット・アル・サルト, photo by Jonathan


The best Sicilian lunch
詰め物をして揚げたアランチーニ, photo by Dave Spellman


ミラノのリゾットとシチリアのライスコロッケ。
どちらも米とサフラン(アランチーニはサフランが入らないものもありますが)がベースながら、それぞれ地元の個性を反映しています。
ミラノ風リゾットは、ミラノ人のように、一見クールだけれど実はこだわり満載。
アランチーニは、シチリアの歴史そのもののように、アラブのサフラン、フランスのラグー、スペインのトマトの融合。

アランチーニは、昔はもっと大きなサイズで、プリーモ・ピアットとセコンド・ピアットをかねる食べ物だったんだそうです。
それが今では、前菜にもなるほどぐっと小さくなりました。


カターニアのアーチ・カステッロという町は、毎年、アランチーニ祭りというのを行っています。
第6回目の去年は、9月6~9日の間、開催されました。
こちらの動画は、その準備の様子。




最終日に、世界最大のアランチーノを作ってギネスに申請する!と言ってますねえ。
「今までの最高記録は10kgだけど、その時はギネスに申請しなかったので、この機会に、15~20kgのアランチーノを目指します!」

そして結果は・・・

みごと記録更新。
新記録は、11.56kgだあ!(微妙・・・)。
周囲の長さは1mで、高さは22cm。

作ったのは、アーチ・カステッロのパスティッチェリーア・ヴェッキア・スタツィオーネの面々。
店のhpには、その時の写真がずらり。
 ↓
www.barvecchiastazione.it/arancino

サフランは使ってないなあ。
サフラン入りは、パレルモ風アランチーネ(パレルモでは、男性形のアランチー“ニ”ではなく、女性形)の特徴なんですねえ。

個人的には、具はサフランとラグーのパレルモ風で、形はとんがり形の東部(カターニア)風が好みなんですが、バリエーションは無数にあるから、どのリチェッタを紹介するか、迷うなあ。


では、『サーレ・エ・ぺぺ』2002年2月号から、典型的なアランチーニのリチェッタをどうぞ。

アランチーニ Arancini di riso alla siciliana
材料/6人分
米(ヴィアローネ・ナーノ)・・400g
粉サフラン・・1袋
卵・・小4個
おろしたペコリーノ・・40g
小麦粉・・大さじ3~4
パン粉・・大さじ3~4
揚げ油
塩、こしょう

詰め物
牛挽肉・・250g
白ワイン・・100cc
グリーンピース・・70g
乾燥ポルチーニ・・40g
トマトペースト・・80g
玉ねぎ・・小1個
カチョカヴァッロ・・100g
セージ・・1枝
オリーブオイル
塩、こしょう

[ラグー]
・乾燥ポルチーニをぬるま湯で戻す。グリーンピースをゆでる。
・セロリと玉ねぎのみじん切りを油大さじ3とセージ2~3枚でソッフリットにする。
・挽肉を加えて炒め、ワイン、刻んだポルチーニ、グリーンピース、トマトペースト、塩、こしょうを加える。時々水少々を加えながら40分煮る。水分を飛ばして粗熱を取る。

[米]
・米をたっぷりの熱湯(塩を加える)でアルデンテにゆでる。バットに広げ、湯大さじ2~3で溶いたサフランをかけて混ぜる。さらにおろしたペコリーノと卵2個を加えてよく混ぜる。

[仕上げ]
・サフランライス適量をてのひらにのせ、中央にくぼみを作る。ラグーとチーズの小角切り1片を詰め、米をのせて閉じる。握って形を整える。
・小麦粉、溶き卵、パン粉をつけてたっぷりの油で5~6分揚げる。

[バリエーション]
・ハム;玉ねぎ1個のみじん切りをバターとローリエ小2枚でソッフリットにし、ハムの小角切り150gを加えて炒める。ローリエを取り除く。
・エピ;芝エビ300g(殻をむく)をバターで炒め、マルサラ・セッコをかけてタイムを散らす。
・バターとチーズ;サフランを加えないライスにバターとペコリーノの小片を詰める。


アランチーニが崩れないように、ラグーの水気を十分に飛ばすのがポイント。


下の動画も大体は同じ作り方ですが、米をゆでるのではなく、リゾットを作っています。
リゾットに加えるチーズはパルミジャーノ。
揚げる温度は170~175度。
約10分の動画です。




そうそう、アーチ・カステッロのアランチーニ祭り、2008年は9月11日から14日まで開催されます。
hpはこちら。
www.sagradellarancino.it


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“アランチーニ”のリチェッタは「総合解説」P.13に載っています。


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2008年6月6日金曜日

アランチーニとモンタルバーノ警部

リゾット・アッラ・ミラネーゼの進化系の話、今日はアランチーニです。


arancini
アランチーニ, photo by Matt M


DSC_7970
とんがり形のアランチーニ, photo by Rizzie


アランチーニ
パレルモの超有名店、アンティカ・フォカッチェリーア・サン・サランチェスコのアランチーネの中身
店のhpはこちら
www.anticafocacceriasanfrancesco.it


サフランのリゾットに具を詰めて、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げたアランチーニ。
具には様々なバリエーションがあるけれど、やはり王道は、ラグー、グリーンピース、チーズ。
アンティカ・フォカッチェリーア・サン・フランチェスコでも、ラグーのほかにハムとチーズの具のアランチーニもあるのですが(写真の左のアランチーニ)、断然、ラグーがお勧め。


アランチーニは、場所によって、名前が“アランチーネ”と女性名詞になり、形も、球形のものと、先端がとんがったしずく形のものの2種類がありますよね。
イタリア語のWikipediaによると(it.wikipedia.org/wiki/Arancini)、パレルモ、トラーパニ、ジェーラ、アグリジェントではアランチーネと呼ぶんだそうです。
形は、島の東側ではしずく形なんだとか。


それと、ちょっとおもしろいことが書いてありました。

「モンタルバーノ警部のおかげで、外国にもアランチーニが知られるようになった・・・」

このモンタルバーノ警部は、イタリアのベストセラー推理小説の主人公。
以前、バンカレッラ賞というイタリアの文学賞の話をしたことがありましたが、その賞を受賞したこともある人気作家、アンドレア・カミッレーリの作品です。
これがテレビでシリーズ化されて、一段と有名になりました。
日本でも、『悲しきバイオリン』と『おやつ泥棒』の2冊が翻訳されています。

このシリーズの中に、『Gli arancini di Montalbano(モンタルバーノのアランチーニ)』(出版は1999年)というのがあるんですねえ。


モンタルバーノのアランチーニ
TVシリーズの一場面。
中央がモンタルバーノ警部。
右端の女性が持っているのがアランチーニ。
しずく形だから、舞台はシチリア東部方面、ということが分かりますねえ。

この話、いったいアランチーニがどう関わってくる事件なのかなあ。
こちらのサイト(www.raifiction.rai.it)では、TVのモンタルバーノ警部シリーズを観ることができるようで、「アランチーニ」の回もあります。
南海岸の町、ポルト・エンペドクレなど、美しいシチリアの町が舞台なので、それを眺めているだけでも楽しめそうです。
イタリアでは、6月4日に『悲しきバイオリン』の再放送があったみたいですね。


それにしても、このしずく形のアランチーニ、どうやって成型するんでしょうか。
作り方を丁寧に見せている動画がありました。




どちらかとうと、丸形よりしずく形の方がインパクトがあるなあ。
とんがり部分までしっかり具が詰まっていると、うれしいんですよねー。

次は、アランチーニのリチェッタです。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“リゾット~基本のリチェッタ”の記事は「総合解説」P.11に載っています。

『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2004年9月号(在庫なし)
モンタルバーノ警部シリーズの舞台を巡る“シチリア南海岸”の記事は「総合解説」P.38に載っています。


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2008年6月5日木曜日

リゾット・アル・サルト

今日は、リゾット・アッラ・ミラネーゼの翌日の姿、リゾット・アル・サルト Risotto al salto の話。

リゾット・アル・サルト(または“リーソ・アル・サルト” Riso al salto)は、焼きリゾット。
残ったサフランのリゾットを、フライパンに薄く広げ、固めながらバターで焼いた香ばしくて気さくな料理。

こんな料理
 ↓
www.piucucina.it

調理過程の写真
 ↓
www.laboratoriocingoli.net

四角く焼くとおしゃれ
 ↓
www.flickr.com/photos/emyduck

ということは、ハートや星形に焼いたり抜いたりするのもありだなあ。


Cooking Lecture: Italian - Risotto al Salto (Pan-Fried Risotto Patties)
料理教室の生徒さんの作品。ちょっと厚いけど、よく出来ました◎, photo by Jonathan


ご飯のお焦げって、どうしてこんなにおいしいんでしょうねえ。
リゾット・アル・サルトは、バターとパルミジャーノが焼けたこくのある香ばしさが特徴。

それにしても、焼く前は、どこからどう見てもイタリア料理だったリゾット・アッラ・ミラネーゼが、焼くと、どことなく洋食屋風と言うか、なぜか無国籍な家庭料理のように見えてしまうのは、焼きおにぎりの味を知っている日本人のDNAのせいでしょうか。


ガンベロ・ロッソの「リゾット・アッラ・ミラネーゼがおいしい店」の第5位に選ばれたのが、ミラノのアルフレード・グラン・サン・ベルナルド Alfredo Gran San Bernardo。
www.alfredogransanbernardo.com

伝統を守った料理で知られるこの店のリゾット・アル・サルトは、こうやって作ります。
(『サーレ・エ・ペペ』2004年2月号より)

リゾット・ジャッロ・アル・サルト Risotto giallo al salto
材料/4人分
米(カルナローリ)・・350g
バター・・100g
白ワイン・・100cc
玉ねぎ・・小1個
粉サフラン・・4袋
おろしたパルミジャーノ・・100g
ブロード・ディ・カルネ
塩、こしょう

・玉ねぎのみじん切りをバター40gでソッフリットにし、米を加えて炒める。
・サフランとワインを加えてアルコール分を飛ばし、ブロードをかけながらリゾットに煮る。
・8分煮たところでバター30gとパルミジャーノを加える。
・塩、こしょうで調味して水気を飛ばし、大理石の台にあける。広げて最低30分冷まし、手でほぐす。
・直径20~22cmのフライパンにバターを熱し、リゾットの1/4を入れる。ぬらしたパレットで押して平らにし、薄い層にする。
・2分焼き、蓋を使って裏返して反対側も2分焼く。
・残りも同様にする。



さすがに残ったリゾットじゃなくて、アル・サルト用にリゾットからちゃんと作るんですね~。
焼く時は、薄~く広げるのがポイント。

サフランと米の香ばしい料理と言えば、パエリアという強力な料理がありましたねえ。
ても、イタリアにもまだありますよ。
たとえば、シチリアのアランチーニ。
次はアランチーニの話です。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“リーソ・アル・サルト”のリチェッタは「総合解説」P.13に載っています。

『サーレ・エ・ペペ』2004年2月号(在庫なし)
“アルフレード・グラン・サン・ベルナルドのミラノ料理”は「総合解説」P.17に載っています。


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2008年6月4日水曜日

リゾット・アッラ・ミラネーゼ、リチェッタ編

リゾット・アッラ・ミラネーゼの話、その3。

Riso, oro e zafferano
サフランのリゾットに金箔と言えば、グアルティエロ・マルケージ氏の代表作。これはコピー, photo by Sara Maternini



最高のリゾット・アッラ・ミラネーゼを決めよう!というイベント、「ジャッロ・ミラノ」。
今年で2回目のこのコンクールで、最終審査に残ったのが、この動画に登場する7人。
 ↓
it.truveo.com/I-segreti-degli-chef-per-il-risotto-alla-milanese


7人いれば7通りのリチェッタがあるわけで、皆さん独自のリチェッタのポイントを語っています。

・最初に登場した髭に眼鏡のシェフは、「エシャロットは最初に炒めるのではなく、ブロードをかけて煮ている間に加える」と言っています。
・2人目のシェフは、「米はヴィアローネ・ナーノ」
・3人目は、「煮詰めた赤ワインを加える」
・4人目は「ローリエ2枚と丸ごとのエシャロット1個を加える」
・5人目は「伝統を守って玉ねぎを使う」
・6人目は「クラシックなリゾットをめざす」
・7人目は「ソッフリットの代わりに香りを付けたオリーブオイルを使い、骨髄もベースには入れない」

使うサフランも、ラクイラ産、スペイン産、イラン産と様々。
香味野菜はエシャロットを使う人が多いですね。


優勝したのは4人目の、恰幅の良い口髭のシェフ。
フォーシーズン・ホテルのテアトロというレストランのシェフです。

フォーシーズンは5つ星ホテル。
www.fourseasons.com/milan

テアトロはこんな店。
www.fourseasons.com/milan/dining/il_teatro

ホテルの総料理長、セルジョ・メイ氏は超有名ですが、今回優勝したのは、スーシェフのシルヴァーノ・プラーダさん。


このイベント、「ジャッロ・ミラノ」のhpに、有名なアンナ・ゴゼッティ・デッラ・サルダさんのリチェッタが載っていました。

この本 『Le ricette regionali italiane』 を書いた人。
(クレアパッソで販売中)

リゾット・アッラ・ミラネーゼ Risotto alla Milanese
材料4人分;
米(ヴィアローネ)・・400g
バター・・100g
グラナ・ロディジャーノ・・75g
牛の骨髄・・50g
上質のブロード・ディ・カルネ(牛・子牛・鶏)・・約1.5リットル
玉ねぎ・・小1個
サフラン(ホール)

・サフラン16~20本に熱湯少々をかける。
・鍋に玉ねぎの薄切り、骨髄、バター50gを入れ、玉ねぎに色がつかないように15分ソッフリットにする。
・玉ねぎを取り除き、米を入れて数分炒める。
・レードル1杯の沸騰したブロードを加え、ブロードを足しながら強火で煮る。
・火から下ろす5分前にサフランを漉しながら加え、沸騰したブロードをかけて溶かす。
・火から下ろし、残りのバターとチーズの半量を加えてマンテカーレする。
・皿に盛り付けて残りのチーズを添える。


グラナ・ロディジャーノについては、2008/3/28のブログ(こちら)で紹介しています。
アンナさんはワインは加えないんですね。


『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号には、アンティカ・トラットリーア・ラゲット Antica Trattoria Laghett のリチェッタが載っています。
この店、現在のシェフの祖母が1890年に農家を買い取って始めたそうで、伝統にのっとったリゾット・アッラ・ミラネーゼを作っています。

店はこんな雰囲気。
www.borgodichiaravalle.it/ristoranti/antica-trattoria-al-laghett
キアラヴァッレ Chiaravalleという所にあります。

ここでは赤ワインを使っています。

アンティカ・トラットリーア・ラゲットのリゾット・アッラ・ミラネーゼ
材料4~6人分;
米(カルナローリ)・・400g
牛の骨髄・・50g
上質のブロード・ディ・カルネ(牛・雌鶏・玉ねぎ・セロリ・にんじん)・・約1.5リットル
サフラン
玉ねぎ
赤ワイン(バルベーラ)
バター
グラナ・パダーノ

・沸騰したブロード1カップでサフランを溶く。
・玉ねぎを粗くスライスし、バターで色がつかないようにソッフリットにする。
・赤ワインをかける(色がつき過ぎないように米より先に加える)。
・米を加えて数分炒める。
・レードル1杯の熱いブロードをかけ、骨髄を裏漉しながら加える。
・水分が減ったらブロードを足し、かき混ぜながら20分煮る。
・香りが飛ばないように煮上がる少し前にサフランを加える。
・火から下ろし、たっぷりのバターとグラナでマンテカーレする。
・湿らせた布をかぶせて数分休ませる。


赤ワインはオルトレポーのバルベーラ。
リゾットが残ったら、フライパンで焼いて“アル・サルト”にするそうです。

焼きリゾットの“リゾット・アル・サルト”も、おいしいですよねえ。
次は、サフランのリゾットの進化系の話です。


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関連誌;『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号(在庫なし)
“リゾット・アッラ・ミラネーゼ~老舗トラットリーアのリチェッタ”は「総合解説」2004年1月号P.10に載っています。


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2008年6月3日火曜日

リゾット・アッラ・ミラネーゼの伝説

リゾット・アッラ・ミラネーゼの話、その2。

リゾット・アッラ・ミラネーゼが誕生した由来については、様々な伝説がありますが、一番有名なのが、ミラノのドゥオモのステンドグラス職人の話。

『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号によると、時は1574年。
ドゥオモの「聖エレナ」のステンドグラスを担当していた親方、ヴァレリオ・デ・フィアンドラ(ペルフンダヴァッレなど、別の名前の説もあり)は、美しい色を作り出すことで有名でした。
特に黄金色が得意で、その秘訣は絵の具にサフランを加えること。
この色を作る仕事を任されていたのが、一人の弟子。
彼は、いつも“ザッフェラーノ”(サフラン)というあだ名で呼ばれていました。

ここまでは大体どの話でも一緒。
ここから先はいくつか説があります。

・ザッフェラーノ君が親方の娘と結婚することになり、その披露宴の時に仲間が冗談でリゾットにサフランを入れさせた。
・ザッフェラーノ君が親方の娘と結婚することになり、その披露宴の時にザッフェラーノ君がリゾットにサフランを入れた。
・親方の娘の結婚披露宴の時に、誰かが(ザッフェラーノ君が?)誤ってリゾットにサフランを入れてしまった。
などなど。

どれも伝説にすぎませんが、ミラノのドゥオモで、素晴らしいステンドグラスを見上げながらサフラン色を探してみるのも楽しいものです。


ドゥオモ
ミラノのドゥオモのステンドグラス


Zafferano
サフラン, photo by Maurizio Zanetti


ミラノ風リゾットのもう一つの特徴的な食材は、骨髄。

『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の「基本のリゾット」の記事では、子牛の大腿骨から骨髄を取り出すところから説明していて、さすがは肉食の国。


Midollo alla piastra con babà al sugo di carne
骨髄料理, photo by Renée S.
 ↑
これはミラノのリストランテ・クラッコの一品。
スライスした骨髄をグリルパンで焼き、その上に、スーゴ・ディ・カルネをしみ込ませたババをのせたもの。
どんな味なんでしょうねえ。
コラーゲンたっぷりでお肌がつるつるになりそうだなあ。

ただし、最近では骨髄を入れないミラノ風リゾットも多いようです。


今日はちょっと横道にそれちゃいました。
明日こそは、リチェッタの話です。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“リゾット~基本のリチェッタ”は「総合解説」P.11に載っています。

『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号(在庫なし)
“リゾット・アッラ・ミラネーゼ~老舗トラットリーアのリチェッタ”は「総合解説」2004年1月号、P.10に載っています。


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2008年6月2日月曜日

最高のリゾット・アッラ・ミラネーゼは?

イタリアの米料理と言えば、リゾット。
では、代表的なリゾットと言えば?

そう、リゾット・アッラ・ミラネーゼ


リゾット・アッラ・ミラネーゼとオッソブーコ
ミラノのオスタリーア・ボッロメイHostaria Borromeiのリゾット・アッラ・ミラネーゼとオッソブーコ


「リゾットはロンバルディアやピエモンテで生まれ、北はフリウリから南はシチリアに至るまで、イタリア中に広まった。
そしてミラノでは、リゾットが町の名物料理の一つにまでなった」
(『ラ・クチーナ・イタリアーナ』クレアパッソの今月配本号より)

確かに、リゾット・アッラ・ミラネーゼは、イタリアを代表する料理の1つであると同時に、ミラノを代表する傑作。
ミラノでおいしいリゾットに出会うと、リゾットはこうあるべし、というものが見えてきますよねえ。

一粒一粒味わうことができるような、存在感があるイタリアのお米。
それに、牛の骨髄、白ワイン、ブロード・ディ・カルネ、サフランをぷっくりと吸わせ、さらにバターとグラナで強烈にマンテカーレして、ブロードをとろりと乳化させたリゾット。
すべての米粒が自己主張をしつつ、それを目に見えない大きなもので強く結び付けて一つに包んでしまうという、まるで熱血学園青春ドラマの、不良たちと先生の関係のような料理。

5月9日から11日まで、ミラノで、「ジャッロ・ミラノ」というイベントが行われていました。
これは、リゾット・アッラ・ミラネーゼを広めようという趣旨の催しで、メインイベントは、ミラノで最高のリゾット・アッラ・ミラネーゼを競うコンクール。

これはPV




Concorso per il miglior Risotto alla Milanese
ジャッロ・ミラノ, photo by Stefano Petroni


ロンバルディア州やミラノ県、ミラノ市などが共催するイベントで、今年で2回目。
この期間、提携するレストラン全店でリゾット・アッラ・ミラネーゼを前菜としてサービスするなどの企画もありました。

そして今年の優勝者は、この人たちです。
 ↓
栄えある上位3名

1位はシルヴィオ・プラダ氏
フォーシーズン・ホテル/テアトロ
www.fourseasons.com/milan/dining

2位はジャンカルロ・モレッリ氏
オステリーア・デル・ポミルーOSTERIA DEL POMIROEU
www.pomiroeu.it

3位はファブリツィオ・コルザーニ氏
ヴィーコ・デッラ・トッレッタVICO DELLA TORRETTA
Sesto San Giovanni (MI)
こんな店


リゾット・アッラ・ミラネーゼは、シンプルな割には細かいところがバリエーションに富んでいて、骨髄を入れない、ワインは赤、オリーブオイルや野菜のブロードを使うなど、人によってかなり違うようです。

そのためか、優秀者のリゾットに対しては賛否両論。
でもまあ、そうやってあーだこーだうんちくを言い合うのが面白いんですよね。

次は、リゾット・アッラ・ミラネーゼのリチェッタです。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“リゾット~基本のリチェッタ”は「総合解説」P.11に載っています。


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クリスマスのドルチェに欠かせないカンディーティ。

(CIR)12月号の記事、今日のお題は“カンディートcandito”です。 形容する名詞の性・数によってカンディータ、カンディーティなどと変化します。 フルーツの場合はフルッタ・カンディータfrutta cantita。 カンディーティ入りのクリスマスのビスコッティ。 カンディ―...