2008年6月5日木曜日

リゾット・アル・サルト

今日は、リゾット・アッラ・ミラネーゼの翌日の姿、リゾット・アル・サルト Risotto al salto の話。

リゾット・アル・サルト(または“リーソ・アル・サルト” Riso al salto)は、焼きリゾット。
残ったサフランのリゾットを、フライパンに薄く広げ、固めながらバターで焼いた香ばしくて気さくな料理。

こんな料理
 ↓
www.piucucina.it

調理過程の写真
 ↓
www.laboratoriocingoli.net

四角く焼くとおしゃれ
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www.flickr.com/photos/emyduck

ということは、ハートや星形に焼いたり抜いたりするのもありだなあ。


Cooking Lecture: Italian - Risotto al Salto (Pan-Fried Risotto Patties)
料理教室の生徒さんの作品。ちょっと厚いけど、よく出来ました◎, photo by Jonathan


ご飯のお焦げって、どうしてこんなにおいしいんでしょうねえ。
リゾット・アル・サルトは、バターとパルミジャーノが焼けたこくのある香ばしさが特徴。

それにしても、焼く前は、どこからどう見てもイタリア料理だったリゾット・アッラ・ミラネーゼが、焼くと、どことなく洋食屋風と言うか、なぜか無国籍な家庭料理のように見えてしまうのは、焼きおにぎりの味を知っている日本人のDNAのせいでしょうか。


ガンベロ・ロッソの「リゾット・アッラ・ミラネーゼがおいしい店」の第5位に選ばれたのが、ミラノのアルフレード・グラン・サン・ベルナルド Alfredo Gran San Bernardo。
www.alfredogransanbernardo.com

伝統を守った料理で知られるこの店のリゾット・アル・サルトは、こうやって作ります。
(『サーレ・エ・ペペ』2004年2月号より)

リゾット・ジャッロ・アル・サルト Risotto giallo al salto
材料/4人分
米(カルナローリ)・・350g
バター・・100g
白ワイン・・100cc
玉ねぎ・・小1個
粉サフラン・・4袋
おろしたパルミジャーノ・・100g
ブロード・ディ・カルネ
塩、こしょう

・玉ねぎのみじん切りをバター40gでソッフリットにし、米を加えて炒める。
・サフランとワインを加えてアルコール分を飛ばし、ブロードをかけながらリゾットに煮る。
・8分煮たところでバター30gとパルミジャーノを加える。
・塩、こしょうで調味して水気を飛ばし、大理石の台にあける。広げて最低30分冷まし、手でほぐす。
・直径20~22cmのフライパンにバターを熱し、リゾットの1/4を入れる。ぬらしたパレットで押して平らにし、薄い層にする。
・2分焼き、蓋を使って裏返して反対側も2分焼く。
・残りも同様にする。



さすがに残ったリゾットじゃなくて、アル・サルト用にリゾットからちゃんと作るんですね~。
焼く時は、薄~く広げるのがポイント。

サフランと米の香ばしい料理と言えば、パエリアという強力な料理がありましたねえ。
ても、イタリアにもまだありますよ。
たとえば、シチリアのアランチーニ。
次はアランチーニの話です。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“リーソ・アル・サルト”のリチェッタは「総合解説」P.13に載っています。

『サーレ・エ・ペペ』2004年2月号(在庫なし)
“アルフレード・グラン・サン・ベルナルドのミラノ料理”は「総合解説」P.17に載っています。


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