2008年6月30日月曜日

なすのパルミジャーナ

今日は、なすのパルミジャーナの話。


Benjie's parmigiana di melanzane
なすのパルミジャーナ, photo by Francesca


揚げたなす、トマトソース、とろけるチーズという、夏の地中海を象徴するような料理、パルミジャーナ。
『ア・ターヴォラ』6月号 『ア・ターヴォラ』 で取り上げています。

記事では、過去の文献を参考に、パルミジャーナのルーツはナポリではないか、という説を紹介していますが、シチリアの料理としても知られていますよね。
あるサイトでは、「この料理はシチリア料理。なんでナポリ料理だと思うのか、理解できない」と言ったシチリア人に、ナポリ人が、「シチリアにおいしいなす料理はいっぱいあるけれど、この料理だけは絶対ナポリ料理!」と反論したり、熱い本家論争が繰り広げられていました。
まあ、南イタリア料理、ということでいいですよね。


それと、この料理を語る時に避けては通れないのが「パルミジャーナ」という名前の意味。
チーズのパルミジャーノ・レッジャーノとは何の関係もないことは知られていますが、じゃあ、何と関係があるんでしょう。

wikiでは、“パルミジャーナ”という名前は、シャッターやよろい窓という意味のpersianaのシチリア方言、parmeciana(パルメチアーナ)という言葉が語源、と紹介されています。

なすが何層にも重なっている状態が、よろい窓のようだと・・・。
 ↓
window
よろい窓(ガラリ窓), photo by Stefano Mortellaro


一応、「パルマの人が野菜を重ねて焼くのが得意だったから、パルマ風という名前になった、という誤った説も一部にある」、とも書いてありますねえ。
この説が間違いだという根拠は・・・

パルマ風なら「メランザーネ・アッラ・パルミジャーナ(パルマ風なす) melanzane alla parmigiana」となる。
しかし、この料理の名前は「パルミジャーナ・ディ・メランザーネ parmigiana di melanzane (なすのパルミジャーナ)」のほうが一般的。
だからこの説は誤りだ

という訳です。
なかなか説得力あるなあ。


パルミジャーナにはいろんなバリエーションがありますが、その一つがゆで卵入り

DSC02731
ゆで卵入りパルミジャーナ, photo by IsiaT


そしてズッキーニのパルミジャーナ
www.misya.info

トマトソースなしでハムが入るパルミジャーナ・ビアンカ
www.misya.info


おまけ。
英語で“チキン・パルミジャーナ”と言えば、チキンチーズカツレツ。
イタリア料理のパルミジャーナとは、何の関係もありませ~ん。


Chicken Parmigiana - Bull and Bear Tavern
メルボルンのBull and Bear TavernのChicken Parmigiana, photo by Alpha



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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年6月号(クレアパッソで販売中)
“パルミジャーナ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」'06&'07年6月号、P.5に載っています。


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バッカラはノルウェーとイタリアを結ぶ干物貿易の主役で、この航路は1450年作成の世界地図にも記載されるほど重要でした。

(CIR12月号)によると、ヴィチェンツァでは、この料理はCが1つなんだそうです。普通はバッカラはbaccalàでも、ヴィツェンツァでは、Cがひとつのバカラ。んなばかな、と思ったけど、地元のこの料理の専門家たちは、C一つで呼んでました。会の名前の刺繍もC一つ。リチェッタはP.11...