きのう訳したように、アルトゥージのリチェッタは、ユーモアのあるうんちくとシンプルな内容で、100年以上たった今でも、多くの人がその料理にチャレンジしています。
豚肉のロースト、じゃがいも添え, photo by Silvio
アリスタ Àrista
トスカーナでは、豚の背肉のローストやオーブン焼きのことを、“アリスタ”と呼びます。これは冷めてからの方がおいしい料理です。 使うのは、重さ3~4kgの骨付きロース。 肉ににんにく、ローズマリー、クローブを少量刺し込み、塩、こしょうをします。 これを串に刺して焼くか(この方法がお勧めです)、またはオーブンで焼き、その油でじゃがいもや野菜を炒めます。 冬なら長時間保存できるので、家庭では重宝することでしょう。 1430年に、フィレンツェで宗教会議が開かれたました。ローマとギリシャの教会の方針の違いを修正するための会議です。この時、司教とその一行に出されたのがこの料理でしたが、当時は別の名前で呼ばれていました。料理を食べたギリシャの一行は、口々に、「アリスタ、アリスタ(おいしい、おいしい)」と言ったそうです。このギリシャ語が、4世紀半たった今も、豚の背肉のローストの名前として使われているのです。 |
インサラータ・ルッサ, photo by .....antonio.....
インサラータ・ルッサ Insalata russa
流行の一品、インサラータ・ルッサは、基本を押さえておけば、あとは自由にアレンジすることができる料理です。私のは一番シンプルなタイプです。 インサラータ・・120g ビーツ・・100g さやいんげん・・70g じゃがいも・・50g にんじん・・20g 酢漬けのケッパー・・20g 酢漬けの小きゅうり・・20g 塩漬けアンチョビー・・3尾 ゆで卵・・2個 インサラータは、ロメインレタス、ラディッキオ、レタスなど2、3種類を千切り。 ビーツ、さやいんげん、じゃがいも、にんじんはゆでてチェーチ大の小角切り。 ゆで卵の白身2個と黄身1個も小角切り。 ケッパーはそのまま、きゅうりは同じくらいの大きさに切ります。 アンチョビーは骨を取って小さく切ります。 これらの材料を混ぜます。 次に、マヨネーズを作ります(No.126参照)。 生の卵黄2個とゆで卵の黄身1個、上質の油200ccをホイップし、レモン汁1個分、塩、こしょうを加えます。 これをインサラータにかけてよく混ぜます。 水少々と、ふやかした板ゼラチン3枚を火にかけて溶かし、一部を型の底に敷きます。 残りをインサラータに加えます。 インサラータを型に入れ、氷に当てて冷やします。 型を熱湯にさっと浸して皿にあけます。 もっとエレガントに飾るには、型にゼラチンを敷いたら、その上にカラフルな野菜やゆで卵を並べてからインサラータを入れます。 材料は8~10人分です。 |
ラッテ・ブリュレ
ラッテ・ブリュレ Latte brûlé
牛乳・・1リットル 砂糖・・180g 卵黄・・8個 卵白・・2個 牛乳と砂糖100gを火にかけて1時間熱し、火から下ろして冷まします。 砂糖80gを熱して溶かし、一部を型の底に薄く広げます。 残りを再び火にかけて黒くなるまで熱します。ここに水少々を加えます。水がはじける大きな音がしますが熱し続け、かき混ぜながら茶色の濃いシロップにします。 卵をホイップし、煮詰めた牛乳と熱した砂糖を加えて甘味を調えます。 目が細かすぎない牛乳のこし器で漉し、型に入れます。 型を湯煎にかけ、オープンの上火で熱します。 表面に色がつきだしたらバターを塗った紙を挟んで蓋をします。 串を刺してみて、何もつかずに乾いていたら焼き上がりです。 完全に冷まし、細いナイフでふちを切り離してからトレーにあけます。 夏なら型を氷に当てて冷やしてもよいでしょう。 型は、中の液体が沸騰して飛び出さないように、指の幅程度のふちがある楕円形のものがお勧めです。 材料は10人分です。 |
ポッロ・トンナート
アッロスト・モルト arrosto morto という名前で知られる鍋ロースト
マントヴァーナ・ディ・プラート
アルトゥージのタルト生地のクレーマのクロスタータ
フルーツのクロスタータ
みんな自分なりにアレンジを加えて工夫してますねえ。
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関連誌;『サーレ&ペペ』2006年6月号(クレアパッソで販売中)
“アルトゥージのチェーナ”の日本語訳は「総合解説」'06&'07年6月号、P.2に載っています。
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2 件のコメント:
このインサラータ・ルッサは中部の料理なんですか?なんかどこかで食べた気がするんですが思い出せない
くるりさん
その名の通り、ロシア料理です。
今じゃすっかりイタリア料理みたいな顔して、そこら中で見ますよね。
日本だとロシアンサラダかな。
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