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2025年7月12日土曜日

スペインで生まれたからパン・ディ・スパーニャと呼ばれるイタリアのスポンジ生地。フランスでは経由地のジェノバの名を取ってパータ・ジェノワーズと呼ぶ。案外適当。

今日のお題は、“パン・ディ・スパーニャpan di Spagna”。
なぜスペインのパンなのか、不思議でしたが、それはスペインで生まれたから、という超シンプルな理由でした。生地の日本語訳は(cir3月号P.37)。この生地は、19世紀半ばに、ジェノヴァで重要な晩餐会が開かれた際に、ジェノヴァの大使によってブルボン家の宮廷に贈られたものだそうです。
ジェノヴァという名前が頻繁に出てきますが、そういえば、フランス語ではパータ・ジェノワーズpâte à génoiseと言います。
イタリアのパティシエの巨匠、イジニオ・マッサーリのパン・ディ・スパーニャ

パータ・ジェノワーズ
フランスではジェノヴァ経由で生まれた生地となってるわけです。

世間ではフランスとかジェノヴァとか言ってるのに、なぜイタリアはスペイン?
イタリアでは、パン・ディ・スパーニャを作りだしたのは、ジェノヴァの料理人ジョバッタ・カボーナGiobatta Cabonaという人物と知られています。作られたのがスペインだったから、こう呼ばれていますが、説得力弱~い。

ややこしくなってきたついでに、スポンジ生地がベースのイタリア生まれのポルトガルのスポンジ生地と言われる、パン・デ・ローをどうぞ。


イタリア料理でスポンジ生地がベースのドルチェと言えば、フィレンツェのズッコット。

ズッコットに登場するのはカテリーナ・ディ・メディチ。

なんだかドルチェの世界はサッカーの世界と似てるかも。

次は、ペコリーノ・ロマーノの話。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。イタリアの地方料理の本としては最高の雑誌です。
(CIR)は2冊の雑誌を毎月日本語に翻訳している力作です。イタリア発の地方料理の情報は、昔の有名書籍が売り切れて入手困難になっている昨今ではとても貴重です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

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2025年7月5日土曜日

魚の生食が普及した今時のカルパッチョは、かなり進化している。

(CIR3月号)のリチェッタのテーマは、“主役の食材の活かし方”。次の料理はカルパッチョとスパゲッティ・アッレ・ヴォンゴㇾ。どちらもお馴染みのイタリア料理。定番料理のリチェッタを、どうアレンジしているのでしょうか。
まずはカルパッチョ。
今さら言うまでもなく、ヴェネチアのハリーズ・バー生まれの大ヒットした生の牛肉の料理。
ハリーズ・バーのカルパッチョ

それが今では生魚の料理として広まっています。
ハリーズ・バーの自伝的本、『ハリーズ・バー

によると、若い牛のサーロインをスライスしてサルサ・カルパッチョをかけた1品。 
サルサは、自家製マヨネーズにレモン汁やウスターソースを加えたもの。

(CIR)P.3の日本語のリチェッタの今どき版カルパッチョは、さすがに生肉の料理ではなく、生魚の料理。主役はスズキで、ソースは海のマヨネーズとなっています。

スズキのカルパッチョ。
魚の生食が広まった現代のカルパッチョは、常に大きく進化しています。

ソースはレモンヴィネグレット。もうマヨネーズは過去のもののようですが、今回の海のマヨネーズというのは、香味野菜とスズキの粗で取ったフメットがベース。これにピーナッツ油を加えながら乳化させたもの。魚は軽く叩いて平らにして、ソースをかけます。かなり進化していますね。これは一度イタリアで今どきのカルパッチョ食べてみる必要がありそう。
次の1品、アサリのスパゲッティも面白そう。ボンゴレの話は次回。

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2025年5月12日月曜日

ミラノのグルメガイド。ミラノ料理のルーツ、まずはスペインの壁。


(CIR1月号)のグルメガイド、2都市めはミラノ(記事の日本語訳はP.30
~)。
ミラノの最も古い地区は、スペインの壁というもので囲まれています。

ミラノのスぺインの壁

ここはミラノを象徴する料理の発祥地でもあります。
そもそも、スペインの壁の名の由来は、ミラノを3重に守る壁、ローマの壁、中世の壁、スペインの壁、の一番新しいもの。とは言え、1548~1562年に作られました。スペインが支配していた時代です。軍事的な防御の役割が強い壁で、大砲用の穴もありました。そもそも、ミラノはスペインに支配されていた時代があったのです。
この地区で生まれたと言われている料理の一つがカッスーラ。

豚肉の安い部位とサボイキャベツの煮込み、カッスーラ

言い伝えによるとスペイン人将校が料理人だった愛人に提案したものだ、と信じられている。
さらに、モンデギリは、スペイン語系アラビア語の“albondiga”が語源。

ミラノのミートボールのモンデギリ

カッスーラについては来月の2月号に記事があって、リチェッタや背景を訳しています。

ミラノ料理の本のお薦め、グイド・トンマージの地方料理書シリーズ『クチーナ・ミラネーゼ

には、ガチョウのカッスーラのリチェッタが載っていて、こんな解説があります。
ガチョウのカッスーラは豚のカッスーラより前に生まれ、ミラノにはフランスが支配していた短い期間に伝わった。フランスの支配は1797年に始まった。カッスーラの別名、“botaggio”はイタリアタリア語のポタージュ、つまり“ミネストラ”のことなのも、フランスが支配していた時代の名残、と解説しています。
スペインにフランスまで登場してきたあたりでちょっとお手上げになりかけますが、まだまだこの後、ナポレオンにハプスブルグも登場します。ヨーロッパ中の食文化が混ざり合っているのですね。

ロンバルディアの伝統料理、ガチョウとサボイキャベツ。

ミラノのグルメ旅のスタートにぴったりの店、ガレリアにあるイル・カンパリーノ。


ミラノ料理のルーツ、スペインの壁の次は、イル・カンパリーノで軽くカクテルでも。絶対に迷わない場所にあるミラノのアイコン。

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2025年3月22日土曜日

イタリアで一番有名な女性料理人、ペトロニッラ、またはドット―ル・アマル。

(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ぺぺ』というイタリアの料理月刊誌の記事やリチェッタを日本語に翻訳した小冊子です。丸ごと1冊というのはなかなか無理で、あまりにも専門的な、イタリア人でないと理解できないような記事は、省いたりしています。11月号の記事にも、そういうものがありました。
その一つが、“I DOLCI INGANNI DI PETRONILLA”という記事です。
記事の解説には、
「150年前に生まれたイタリアで一番有名な女性料理人。リチェッタと秘訣を集めた『cucinari』は時代を先取りした女性の肖像と言える」とあります。

その女性は、PETRONILLAペトロニッラという名前。聞いたことないなあ。イタリアで一番有名な女性料理人かあ。記事を読むと、ペトロニッラというのはペンネームで、本名はアマリア・モレッティ・フォッジャAmalia Moretti Foggiaまたはドット―ル・アマルだそうです。
この名前で調べてみると、ウィキに彼女の名前がありました。こちらです。

彼女はボローニャ大学で医学部を卒業した3人目の女性だそうです。
彼女の生い立ちについてはwikiに詳細に記述されています。すごい才女で、薬草医の娘で、
40年間小児科医として働きました。
彼女は自伝本の中で、
「自然は友人であり、私たちが自然を尊重し、その秘密と可能性を知ろうとすれば、私たちを救う」と述べています。
幼いアマリアは勉強しながら育ち、弟たちの世話をし、自由時間の多くは家族の薬局「ファルマシア・ディ・サンタ・ルチア」の奥の部屋で過ごし、父親がハーブでポーションを作っているのを観察し、メモを取っていました。その後、彼女は最終的に「ドットール・アマル」というペンネームでそのすべての情報を本にして発表します。
ドット―ル・アマルのことも、その本のことも、全然知らなかったけど、記事によると、1872年にマントヴァで生まれ、1947年にミラノでなくなっています。その
著書は、ドメニカ・デル・コリエレから1939年に出版されました。
小児科医だったドット―ル・アマルの関心は、栄養失調に苦しむ子供たちに向けられていました。彼女はまた、患者の母親が暴力的な夫から自立するのを助け、工場で有毒ガスを吸い込んだために病気になった女性労働者を治療しました。
恵まれない人々の生活を改善することを目的とした彼女の貢献には、健康的な食事についての知識を広めることを目的としていました。
イタリアで収穫量の多い小麦を開発した人は、ノーベル賞に値するとして尊敬されていますが、こんな小児科医も、料理の世界から社会に大きな影響を与えた人として尊敬されているんです。

ペトロニッラの名前がある古い料理書を紹介する動画がありました。

本の中から“節約”ヴィテル・トンネのリチェッタを訳してみます。
材料/4人分
子牛ランプ・・1㎏
オイル漬けツナ・・260g
オイル漬けアンチョビ・・80g
塩水漬けケッパー・・60g
ジュニパー・・4粒
レモン・・2個
玉ねぎ・・2個
クローブ・・2個
セロリ・・1本
バター、ローズマリー、白ワイン、EVオリーブオイル、塩、こしょう

・子牛肉に塩、こしょうを揉み込み、鍋で裏返しながらバターで7~8分焼いて全体に均質の焼き色をつける。
・玉ねぎとセロリを薄く切り、鍋でバター50g、糸で縛ったローズマリー2枝、アンチョビ、クローブ、ジュニパーでしんなり炒める。
・焼いた肉を加えてワイン1/2カップをかけ、蓋をして2分なじませる。
・1時間15分焼く。中央が65℃になったら焼き上がり。
・子牛肉を取り出して完全に冷ます。冷蔵庫の場合は12時間かかる。
・焼き汁からローズマリーを取り除き、ツナ、ケッパー、油100g、レモン汁2個分と一緒にミキサーにかける。レモン汁は多いように見えるが肉にかけるとバランスが取れる。
・肉を薄くスライスし、ソースをかけてケッパーベリー、オイル漬けきのこ、ハーブなどで飾ってサーブする。

伝統的なヴィテッロ・トンナート■■■


(CIR12月号)はまもなく発売です。
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2025年2月14日金曜日

小麦は一人でも多くの飢えを満たすために、収穫量が多く機械化に適した品種に生まれ変わっていった。


イタリアの農民の食生活を支えた穀物、オルゾとファッロ。
今日のお題は、現代まで生き残った古代小麦の一つ、ファッロです。
出典は2013/2014年6月号の『総合解説』の記事。
本を扱う身としては、紙の媒体は10年や20年は簡単にもつ、という思いが強烈です。
20年前に訳した記事には、当時のイタリアの食事情が詳細に記録されていました。
穀物は、食をささえるものだけに、時代に適した品種が次々に生み出され、時代の要求に合わないものはどんどん消えていきました。400以上あった小麦品種は、100年間で10品種以下になりました。
生き残った小麦の主なものは、
Gentil Rosso,Senatore Capppelli, piccolo faro, farro sperta。

ジェンティル・ロッソのパン

これらはどれも収穫量が多くて機械化に適した、たっぷりの肥料や殺虫剤を必要とする品種を作りだそうとした40年代の緑の革命の前に生まれている。

ストランペッリの緑の革命
お腹いっぱい食べることが庶民の夢だった時代のある天才の物語。ナザレノ・ストランペッリはセナトーレ・カッぺッリほど知られていないけど、イタリアの小麦の歴史上の重要人物。今では忘れられた科学者と呼ばれているけど、今後、どう再評価されていくかが楽しみ。

グラディエーターの有名な小麦畑のシーンは、小麦の専門家から見れば間違いだらけ、というショックな話。確かに、小麦はどんどん変化しているので、ローマ時代と現代の小麦では、穂の高さからしてまったく違う。人間が食べるものは自然ではなく、交配して作りだされたもの。ストランペッリの研究は、ムッソリーニの目にとまり、新しい品種の小麦は外貨を稼ぐ貿易品となり、大衆の飢えを満たす切り札となる。ストランペッリはファシスト党に入党しました。ノーベル賞の候補にも挙がっていたのに、ファシスト党員という事実は消せなかった。

古代小麦は自然と植物を敬い、オリジナルの姿を残し、抗酸化物質、たんぱく質、ミネラルが豊富だ。グルテンはあまり強くないのでグルテン過敏症が増えた現在には貴重な価値がある。
硬質小麦と軟質小麦の区別は1900年代初めに導入された。
代表的な古代小麦は、ジェンティル・ロッソ。1920~1930年頃もっとも
普及していた古代小麦で、天然酵母のサワードウのパンに適していた。硬質小麦ではセナトーレ・カッペッリが代表的だ。この小麦は偉大な農業遺伝学者のナザレの・スタンペッリがアフリカ産小麦から生み出して農業改革の功労者、カッペッリ上院議員の名前を付けたもの。一時忘れ去られていたが、特殊で個性的なパスタメーカーに見出された。

ストランペッリとカッペッリの小麦の研究はイタリアの奇跡と呼ばれて世界中に広まった。
セナトーレ・カッペッリは硬質小麦の名前になって広く知れ渡ったけど、ストランペッリの生涯は『小麦の男』という映画にもなった。

『小麦の男』トレーラー

イタリアの小麦の話をする時に、ナザレノ・ストランペッリとセナトーレ・カッペッリことラッファエッレ・カッペッリは最重要人物。
あ、ファッロの話は、次回に・・・。

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2025年2月13日木曜日

地中海式食生活のベースは、小麦のパンとパスタじゃなくて、大麦(オルゾ)とファッロだった。大麦は人類が最初に栽培した穀物。ヒポクラテスはその薬効も信じていた。


小麦の話をしようとしたら、小麦、大麦、硬質小麦、軟質小麦、古代小麦と、基礎情報が欠如していることを痛感しましたが、幅広い小麦の話をするには、もう少しのんびり取り組む必要がありそうです。
そもそも、地中海式食生活は小麦のパンとパスタがベースと考えがちですが、実際には大麦(オルゾorzo)やファッロが何世紀にも渡って、イタリアの農民にとっては大切な炭水化物源でした。
オルゾについて、2012年11月号の総合解説(旧CIR)の記事にはこうあります。

「小麦はもとも高貴な穀物で、第二次世界大戦後、他のマイナーな穀物に取って代わっていった。その結果、オルゾはイタリアの食生活から消えていった。わずかに90年代に入って生まれた、特殊な食材の価値を見直す文化活動によって、マイナーな穀物にも光が当たり、栄養価や味が再注目されるようになった。

現在オルゾは地中海式食生活の重要な食材の一つとしてその価値が評価されている。またグリセミック指数が最も低い、つまり血糖値が上がりにくいでんぷん質ということも知られている。つまりオルゾがベースの食事をすると、新陳代謝が刺激されて脂肪の中の糖質が蓄積されるのを選らすことができる。これにより空腹を感じにくくなり、昼食後のインスリン分泌による眠気を軽くすることができる。
オルゾは水溶性繊維質、特にベータグルカンを多く含む。この食物繊維は腸を移動するときに粘膜を傷つけないという特性がある。発酵の過程で結腸の腫瘍を予防する働きもある。オルゾのベータグルカンの最大の利点は、心臓脈管系のリスクを減らすことにある。オルゾは煮ると大量に水分を吸って膨らむ。そのため低カロリーのダイエット食にもなる。
オルゾのたんぱく質は、他の穀物と同様、豆類と補完関係にある。オルゾ入りの豆のスープは、たんぱく質のバランスが取れたピアット・ウニコとなる。

オルゾといんげん豆のミネストラ

オルゾは皮がむけやすいハダカムギと呼ばれる品種の大麦だ。ミネラルとビタミンB群が豊富でとてもヘルシーな食材だが、このことは昔から知られていた。
 ヒポクラテスは、紀元前5世紀に、オルゾは頭にも体にもよいと考えて、抗炎症効果のある煎じ薬として使っていた。
食べ物としてオルゾを使った歴史はもっと古く、人間の歴史と強く結びついている。人類が紀元前9000~10000年頃、最初に栽培した穀物は大麦だった。最古の痕跡は、肥沃な三日月地帯(メソポタミア)で見つかっている。誕生した地は現在でも野生種が存在しているエチオピアだと考えられている」

2012年頃は、オルゾに関するこんな専門的で詳しい記事がちらほらありました。それが今ではまったく見なくなりました。

オルゾOrzoの栽培

確か昔には大麦のコーヒーなんかがあった気が・・・。19世紀、オルゾはコーヒーの代用品でした。ホテルなんかでも出していました。この習慣は第二次大戦後まで続いた。その後長い間忘れ去られていたが、最近になって再び市場に登場してきている。
さらにこの古い穀物は新しい食物として、あるいは現代病のメタボリック対策に有効な食べ物として見直されるようになった。

オルゾのコーヒー

ギリシャでは大麦のパンとポレンタはとても人気があり、食生活の基本だった。しかし、ローマ人は大麦を主に家畜の餌やグラディエーターや奴隷の食料にしたり、煎じ薬として使った。やがてもっと精製ができてパンに適する小麦が大麦に取って代わった。

参考にした旧総合解説2012年11月号

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2025年2月10日月曜日

歴史上一番有名なパスタメーカーは、ブルボン朝の王様、フェルディナンド2世。

(CIR2022年10月号)のP.24~の記事、“イタリアを象徴する歴史的食材”は、イタリア料理史の入門編にもなるとても貴重な記事です。
今日のお題は、パスタ・セッカ。
パスタ・セッカの歴史については、これまでに何度もブログで取り上げてきました。
パスタについてのお薦めの傑作本は、『パスタ・レボリューション』。

小麦粉と水をこねた食べ物がパスタと呼ばれるようになって世界中に広まるのは、繰り返し起きた“革命”の結果、というこの本、例えば、スパゲッティを食べるために4本歯のフォークまで発明されています。それまでのフォークは肉を食べるために最適の形をしていました。
パスタの一般的な歴史は、パスタが庶民の間で欠かせない食べ物になっていく歴史でした。この記事では、庶民に愛されたパスタの歴史に、ブルボン朝のくいしんぼうの王様、フェルディナンド2世が深く関わっていることを調べ上げています。そういえば、4本歯のフォークも彼の発明。記事ではナポリ王の彼のことを一番有名なパタス・セッカのメーカーと説明しています。

パスタ・セッカの歴史はナポリの王様とも強く結びついています。

でも、歴史的にはイタリアのパスタの発祥地はアラブ経由でシチリア。


スパゲッティの歴史の舞台は、ナポリに移ります。

パスタ・セッカの本場の地位をシチリアから奪取したナポリにあってシチリアになかったのは、フェルディナンド王です。記事によると、彼は職人に出資して、足でこねるよりもっと衛生的に製造できるブロンズの機械を作りました。このパスタは美味しくて衛生的で、貴族にも平民にも受け入れられます。なんだか、知っているパスタの歴史とはかなり違うものだったようです。何しろ4本歯のフォークが発明されるまではパスタは手づかみで食べていたのですから。
カンパーニアのパスタの街と言えば、グラニャーノGragnano。

パスタを乾かすために街の形まで変えたパスタの街。

パスタを乾かす、ということに焦点が移っています。昔はパスタはシロッコと北風で乾かす、と言われていました。

次にパスタ造りの焦点は、硬質小麦に移ります。

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2025年2月6日木曜日

じゃがいもは、ナポリ料理の歴史的本、宮廷の料理人で宴会のオーガナイザー、ヴィンチェンツォ・コッラードが、その著書『クチーナ・ガランテ』で初めて紹介した。

今月の(CIR)のパスタ、“パスタ・エ・パターテ”の話、続けます。
じゃがいもの話を知れば知るほど、ヨーロッパではじゃがいもは、日本で知られているじゃがいもとはまったく別の歴史を歩んできたことに気が付きます。
南米からやってきて、やせた土地でも栽培が可能で、貧しい庶民たちの食生活をささえ、疫病が大流行した時は、ヨーロッパ中に大飢饉を引き起こしたじゃがいも。
(CIR)の記事にもあるように、じゃがいもについて書かれたイタリアで最初の本は、宮廷の料理人で宴会のオーガナイザー、ヴィンチェンツォ・コッラードの『Cuoco Garante』(1773)。
この本は、じゃがいもだけでなく、ナポリ料理
地中海料理の本としてとても重要な歴史的本。
美食家としてナポリ王国の宮廷で信頼されていて、ブルボン王朝の料理の師匠のような人。
この本にはパスタ・エ・パターテのリチェッタもある。
質素で庶民的で経済的な料理が大好きなナポリの人たちに、彼の料理は受け入れられた。
ヨーロッパ人は肉が好きだが、ナポリ料理は肉なしですます料理だ。そのベースにあるのはナポリ人の創造力。パスタは、様々な形のミックス。これは残ったパスタを全部一緒にしまっておく主婦の知恵だ。ある意味、宮廷料理人がじゃがいも料理を広めた、と言うのはナポリ料理らしくないが、彼は、じゃがいもの用途の多様性を評価していた。それは味をアップさせる方法も多いということで、これこそがパスタ・エ・パターテの秘密。

パスタ・エ・パターテは、汁が多い野菜のズッパのような料理で、パスタ・エ・ファジョーリの一種と感じています。

パスタ・エ・パターテ

来たから南までイタリア各地で作られているパスタ・エ・ファジョーリ。
パスタというと乾麺のスパゲッティをイメージしますが、チャンスがあったらパスタ・エ・ファジョーリをぜひ食べて見てください。初めての味とカルチャーショックを受けるはずです。豆はイタリアの農民の食生活をささえてきた食べ物で、ある意味じゃがいもと立場は似ています。
パスタ・エ・ファジョーリは、ベネトの名物料理ですが、綿はローマのレストランで初めて食べました。見た目はかなり素朴ですが、あったかくて優しい料理でした。つらい時に食べたら涙が出そうな、家庭料理の傑作です。それ以来、チャンスがあったら食べるようにしています。

パスタ・エ・パターテは、乾いた都会風と、汁気が多い田舎風の2種類があり、都会ではフォークで食べる。
フォークはそもそも、ナポリ王のフェルディナンドがスパゲッティを食べるために発明したもの。田舎では動物性たんぱく質をすくうためにスプーンを使う。汁気の多い料理はスプーンです。
スパゲッティ用のフォークは歯が4本。ナポリで発明された。元々のフォークは肉を食べる道具だった。それ以前はパスタは手で食べていた。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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パネットーネの誕生にまつわる話は、トーニのパンとか、ミラノの起業家精神の現れとか、面白い説が色々あるが、ポイントはパン。

前回は、(CIR)12月号の“カンディート”の記事から、カンディートが欠かせないクリスマスのドルチェ、パネットーネの紹介をしましたが、パネットーネはミラノのドルチェ。 パネットーネ その誕生の経緯には、こんな言い伝えがあります。 その一つが、ミラノを統治していたスフォルツァ家の当...