2025年10月22日水曜日

北と南、山と海のイタリア料理。

北イタリアの、代表的なイタリア料理、1品目はフォンドゥータでした。
この料理は、イタリア料理を構成する海と山の料理のうち、山の料理に属するもの。
正確には、あまり低い山ではなく、標高4000mなどの山もある高山地帯、アルプスです。
地中海とアルプスは、北と南イタリアを象徴する地理。
北イタリアは、この高い山のおかげで、厳しい気候と痩せた土地、物流が困難という3重苦に苦しめられ、日常の食事にも制限がある地方。
でも、谷ごとにわずかな材料で作る本質的で個性的な人間と自然の結びつきを象徴する料理が誕生しました。
きのうはヴアッレダオスのチーズ、フォンティーナの話でしたが、山の民は大部分が牛を飼育して暮らしていました。まれに山羊も飼いました。そして牛のミルクからバターやチーズ、リコッタを作りました。牛は肉用ではなく、ミルク用でした。チーズは売って現金収入にしました。

酪農業は近隣国の影響を受けています。
現在高山地帯で盛んに飼育されているブルーナ・アルピーナという品種は、スイスのシュウィーツという州の品種。
スイスのエンガディン地方のパティシエは、まずベネチアに移り住み、そこからイタリア各地に散らばっていき、ジェラートなどを広めました。
16世紀初めのベルガモの羊飼いはレンネットの使用方法をスイス西部の牛飼いから学んで高山地帯全域に広め、ヴァッレダオスタではフォンティーナが生まれます。

放牧から帰るスイスの乳牛。



ブルーナ・アルピーナの手作業の乳搾り。

これはスイスの風景ですが、北イタリアにも共通のイメージ。

山の料理の代表は、ポレンタですが、とうもろこしが新世界から北イタリアの渓谷に届いたのは18世紀半ばのこと。

北イタリアのポレンタ。

とうもろこしの栽培は山の食生活を根本から変え、古い穀物のお粥が消えます。
18世紀には南米からじゃがいもが伝わります。寒さに強く、冬も長期間保存できて、山の土壌に適応したじゃがいもは、山の上でもっとも栽培量の多い野菜になります。
じゃがいもは、伝わった当初、ハンセン病を引き起こしたため豚の餌とされます。しかし、度重なる飢饉、特に1815年の大飢饉では山の住民を飢えから救います。
高地で一番普及している穀物はライムギです。

このように慣れ親しんでいるイタリア料理とはかなり違うけど、これも立派なイタリア料理。新しい本は毎週末に紹介していますが、その中の一部を紹介。

スローフードの本に海と山の料理がテーマの本がありました。

南イタリアがテーマの本、『スッド・グランデ・クチーナ』
夏と海の料理、『ブルー・リチェッテ・ディ・エスタータ・イタリアーナ』

山の料理『クチーナ・ディ・モンターニャ』

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毎週末は新書籍の紹介です


new『スッド・グランデ・クチーナ(南伊・山・海)』

【地方料理、シリーズ】

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』という地方料理の本としては最高の雑誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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北と南、山と海のイタリア料理。

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