『ティピコ・イタリアーノ』の解説を兼ねたイタリア料理入門編その②。今日から、イタリア北西部の典型的な料理の話です。
イタリアには20の州があります。北も南もどの州も個性に満ちていて、イタリアはその集合体です。料理に絞ると、南イタリアが知られていますが、北も興味深いものが多くあります。
普通イタリア料理は、この20の州に分けて見ていくのが一般的ですが、『ティピコ・イタリアーノ』では、もっと大きく、北西、北東、中央、南、島と5つに分類しています。
イタリア北西部は、ミラノ(ロンバルディア)を中心地として、ヴァッレ・ダオスタ、ピエモンテ、リグーリアがある地方です。
ミラノは国際空港がある街なので、アクセスしやすく、行ったことがある人も多いのでは。
この街の特徴は、ロンバルディアやイタリアの経済や歴史の中心地という点。強力な支配者が造り上げた美しい街ですが、ヨーロッパ各国から常に支配権を狙われていました。イタリアの各州を理解するには、地理的な特徴と近隣諸国との関わりなどの歴史も理解する必要があります。
ロンバルディアは、イタリアでも広くて人口の多い州の一つ。北は山、南は平野、その間に渓谷、丘陵地、湖、川があり、水が豊富。ロンバルディアに海はありませんが、水(淡水)が豊富な地方です。
ロンバルディアは水の地。
北のアルプスの雪は広大なポー河流域の平野へと続きます。
運河と水路が張り巡らされています。
この水の地で、人間は水を治めることに取り組んできました。
乾燥した平野や沼地を改良する過程で人間の技や知恵を蓄積させ、豊かなふるさとへと生まれ変わらせてきたのです。都市は豊かになり、工業や商業を発展させ、芸術と歴史が積み重なり、郊外の農村部も豊かになりました。ロンバルディアの文化を造ってきたのは水なのです。
ロンバルディアの水を象徴する作物は、米です。ロンバルディアは、ピエモンテ、リグーリアと共にイタリアのコメ市場のリーダーです。15世紀末には米栽培が行われていいた記録が残っています。米栽培の中心地はパヴィアpaviaとロメッリーナlomellina。大粒で長いカルナローリcarnaroli、でんぷんが豊富なアルボーリオarbolio、小粒で楕円形のヴィアローネ・ナノvialone nano。の3品種が主でした。これらの米と地元の食材を組み合わせて多くのリゾットが造られました。
ロンバルディアの米
ロメッリーナの米
イタリアにも米が全てと言う地方があるのですね。
米について話してきましたが、北西イタリアを象徴する料理の話は、次回から。
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