2024年10月18日金曜日

美食の地、エミリア・ロマーニャのポ―河流域の伝説のトラットリアが現代イタリア料理の重要な転換点。

(CIR6月号)のリチェッタは、現代イタリア料理史のシンボルとなったイタリア料理です。
まず最初に、現代イタリア料理の歴史は、70年代の70年の歴史です。それ以前は地方料理主義の時代。最初に登場するのはミレッラ・カンタレッリのトラットリア。パルマ平野のサンボセートの霧に包まれたオステリアだって。知ってる?私は初めて聞きました。

下の動画は、1957~58年にライで全国放送された“viaggio nel valle del po”という、作家のマリオ・ソルダーティによるイタリアの地方の食文化のルポ番組。
その中に、当時のカンタレッリの姿が映っていました。フランスワインが並び、クラテッロを売っている食料品店が併設されたトラットリアです。イタリアの食の旅番組は、とても高度な地方料理の知識とそれを説明する文章で言いたいことを言える知的なレポーターが登場します。
このトラットリアは、とても庶民的で親しみやすい人たちが経営している割には、サービスは高級レストランのよう。

トラットリア・カンタレッリ

現代のポー川流域のアルタ・クチーナを代表するシェフ、マッシモ・ボットゥーラがミレッラ・カンタレッリのことを語っています。上の動画では電話しながら登場した女性。店はミシュラン2つ星だって。どうやらレジェンド級の店なんですね。ボットゥーラシェフは、ミレッラ・カンタレッリ風ホロホロ鳥を紹介します。カンタレッリ風ホロホロ鳥は、食通の間では有名な料理なんですね。

トラットリア・カンタレッリを紹介する動画がもう1つ。この店のことを文化の集積地と呼んでいます。さらにイタリア料理の歴史を作った、とも言っています。フランス人がワインを買いに来たってことがニュースになってる。さらに1970年にミシュランの2つめの星を獲得して、トラットリアとしてはあり得ない栄誉を獲得すると、店には国内外からvipの客たちが押し寄せるようになります。美食文化の象徴、本格的でありながら革新的な料理を出す店だそうです。その一方で、有名な卵23個入りの生地は、夫婦喧嘩の後でイライラしてたまたま卵をたくさん入れちゃったらすんごく美味しくなった、なんて暴露してます。
店の閉店は1982年、イタリア料理界に大きな穴が開きました。そして80年代になると、田舎はもうない・・・、だって。


次は店の料理の話。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
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カンパーニアで育ち、18歳でローマのハインツ・ベックのラ・ベルゴラで働き始め、26歳で最初のミシュランを獲得し、現在はアマルフィの高級ホテルのレストランのシェフ、クリストフォロ・トラバニは現在注目のシェフ。

今日紹介するのは、(CIR7月号P.26)で紹介している若手シェフ。 クリストフォロ・トラバニシェフです。1988年生まれ。 彼は幼少期と思春期をカンパーニアで育ち、18歳でローマの3つ星レストラン、ハインツ・ベックのラ・ベルゴラで働き始め、その後数々のグラン・シェフの元で働き、...