2024年10月5日土曜日

ポー河の沿岸で霧の中から生まれる一番高貴なサルーミ、クラテッロ。

今日のお題はサルーミの王様と呼ばれるクラテッロです。
産地はバッサ・パルメンセ。霧で有名な地方。
寒い季節にポー河の南側のボレージネからコロルノにかけてのこの地方を覆う霧。霧の発生源はすぐ近くを流れるポー河。

ジベッロのクラテッロ。

ジベッロ

この地方生まれの作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディはクラテッロが大好きだったことでも知られている。
なので、この地方のツアーはクラテッロとヴェルディがセットになっている。
下の動画では、ランブルスコを陶器のお椀で飲んでますが、この飲み方が正統派。
個人的にはこの飲み方の動画、超見たかった~。

この地方で秋に催される肉屋の祭りのキャッチフレーズは、“11月には霧が出ますように”。
クラテッロを熟成させるカンティーナの霧で湿った空気は、豚肉にすっきりして甘くてマイルドな独特の風味を与える。
霧の動画探したけど、考えてみれば、霧が出るとあたり一面何も見えなくなるだけなので、動画なかった・・・。でも、霧に包まれる体験は、北イタリアなら比較的頻繁。
 生ハムは塩で水分を抜いて豚肉を保存する。この塩の量が少ないと、保存期間は短くなるが、甘い生ハムになる。塩の量を減らすには、例えばサン・ダニエーレの生ハムのように高度の高い山の上で熟成させる、またはスペックのようにスモークする、などの方法があるが、霧で湿った空気の中で、時間をかけて熟成させる方法は、かなり特殊だ。

クラテッロ用の豚は、ロンバルディアとエミリア・ロマーニャの8つのコムーネで、上質の植物の粉を与えられて育つ。ももの霜降りの尻の部分だけを使う。肉に粗塩、こしょう、にんにく、ワインを刷り込んで休ませ、豚の膀胱に詰めて糸で何周も巻きつけて縛り、水気を切って最低12ヵ月乾かす。30か月以上の場合もある。最初の2か月は風通しの良い環境で、残りは湿度の高い霧の中のような環境で熟成させる。
最終的にはクラテッロは重さが40%減る。

クラテッロの製造過程

クラテッロはルビーレッド色で香りは強く、味は甘くてマイルド。一般的な生ハムより薄くスライスして食べる。次は食べ方の話です。

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世界のエノガストロノミ―の憧れ、パルマ。サルメリーア巡りがお勧め。

さて今日のお題は、サルーミの王様クラテッロの食べ方の予定でしたが、 そもそも、クラテッロ・ディ・ジベッロはパルマの食べ物。 なのでその根底にはパルマの食文化があります。 まずはそこからチェックです。 パルマのPV 5分でパルマ観光 2018年の“イタリア料理の年”に制作されたツー...