2024年10月4日金曜日

パルマの生ハムを造るのは熟成の間に海から吹き付ける乾いたデリケートな風と時間。

トマト、硬質チーズに続くメイド・イン・イタリーの象徴と言える食材は、生ハムprosciuttoです(CIR5月号P.39の記事の解説です)。

パルマの生ハム

パルマの生ハムを生み出すのはパルマの気候。
パルマ
パルマの生ハムの産地はエミリア街道の南側、パルマ県の丘陵地帯の小さな地域。
豚のももに海塩をまぶし、最低10~12ヵ月から長くて3年熟成させる。熟成の間に海から吹き付ける乾いたデリケートな風と時間が生ハムを造る。製造方法や材料には厳格な規定がある。


多くの種類があるイタリア産サルーミ(塩漬け肉)には、DOP(denominazione di origine protetta:保護指定原産地表示)の製品と、IGP(indicazione geografica d'origne:保護指定地域表示)の製品がある。これらはイタリアを代表するものと言うことができる。
 DOPは3つの必要条件を満たした製品で、主要食材(サル―ミの場合は豚肉)の産地、飼育、加工が具体的に決められている地域内で、明確に定められた方法に基づいて行われている。その結果、五感や栄養的特徴が製品に現れている。
 一方、IGPは産地以外の2つの条件を満たしている製品。つまりDOPは子豚の誕生から製品の出荷までがイタリアの中で行われているので、製品の衛生管理が行政の手で最大限把握されている、言い換えれば安全が保障されているということだ。
イタリアにはなぜこんなに様々な生ハムがあるのか。それは労働と戦いが続く古代ローマ時代、栄養価の高い食事が求められ、生ハムはこの要求にこたえることができて、第二次大戦まで常に不足していた貴重な動物性たんぱく源だった。

DOPの生ハムは、ヴェネト、モデナ、カルペーニャなど。
パルマの生ハムDOP

サン・ダニエーレDOPの生ハム

トスカーノDOPの生ハム

サル―ミの王様ことクラテッロ・ディ・ジベッロDOP

クラテッロの話は次回。

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