2008年6月4日水曜日

リゾット・アッラ・ミラネーゼ、リチェッタ編

リゾット・アッラ・ミラネーゼの話、その3。

Riso, oro e zafferano
サフランのリゾットに金箔と言えば、グアルティエロ・マルケージ氏の代表作。これはコピー, photo by Sara Maternini



最高のリゾット・アッラ・ミラネーゼを決めよう!というイベント、「ジャッロ・ミラノ」。
今年で2回目のこのコンクールで、最終審査に残ったのが、この動画に登場する7人。
 ↓
it.truveo.com/I-segreti-degli-chef-per-il-risotto-alla-milanese


7人いれば7通りのリチェッタがあるわけで、皆さん独自のリチェッタのポイントを語っています。

・最初に登場した髭に眼鏡のシェフは、「エシャロットは最初に炒めるのではなく、ブロードをかけて煮ている間に加える」と言っています。
・2人目のシェフは、「米はヴィアローネ・ナーノ」
・3人目は、「煮詰めた赤ワインを加える」
・4人目は「ローリエ2枚と丸ごとのエシャロット1個を加える」
・5人目は「伝統を守って玉ねぎを使う」
・6人目は「クラシックなリゾットをめざす」
・7人目は「ソッフリットの代わりに香りを付けたオリーブオイルを使い、骨髄もベースには入れない」

使うサフランも、ラクイラ産、スペイン産、イラン産と様々。
香味野菜はエシャロットを使う人が多いですね。


優勝したのは4人目の、恰幅の良い口髭のシェフ。
フォーシーズン・ホテルのテアトロというレストランのシェフです。

フォーシーズンは5つ星ホテル。
www.fourseasons.com/milan

テアトロはこんな店。
www.fourseasons.com/milan/dining/il_teatro

ホテルの総料理長、セルジョ・メイ氏は超有名ですが、今回優勝したのは、スーシェフのシルヴァーノ・プラーダさん。


このイベント、「ジャッロ・ミラノ」のhpに、有名なアンナ・ゴゼッティ・デッラ・サルダさんのリチェッタが載っていました。

この本 『Le ricette regionali italiane』 を書いた人。
(クレアパッソで販売中)

リゾット・アッラ・ミラネーゼ Risotto alla Milanese
材料4人分;
米(ヴィアローネ)・・400g
バター・・100g
グラナ・ロディジャーノ・・75g
牛の骨髄・・50g
上質のブロード・ディ・カルネ(牛・子牛・鶏)・・約1.5リットル
玉ねぎ・・小1個
サフラン(ホール)

・サフラン16~20本に熱湯少々をかける。
・鍋に玉ねぎの薄切り、骨髄、バター50gを入れ、玉ねぎに色がつかないように15分ソッフリットにする。
・玉ねぎを取り除き、米を入れて数分炒める。
・レードル1杯の沸騰したブロードを加え、ブロードを足しながら強火で煮る。
・火から下ろす5分前にサフランを漉しながら加え、沸騰したブロードをかけて溶かす。
・火から下ろし、残りのバターとチーズの半量を加えてマンテカーレする。
・皿に盛り付けて残りのチーズを添える。


グラナ・ロディジャーノについては、2008/3/28のブログ(こちら)で紹介しています。
アンナさんはワインは加えないんですね。


『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号には、アンティカ・トラットリーア・ラゲット Antica Trattoria Laghett のリチェッタが載っています。
この店、現在のシェフの祖母が1890年に農家を買い取って始めたそうで、伝統にのっとったリゾット・アッラ・ミラネーゼを作っています。

店はこんな雰囲気。
www.borgodichiaravalle.it/ristoranti/antica-trattoria-al-laghett
キアラヴァッレ Chiaravalleという所にあります。

ここでは赤ワインを使っています。

アンティカ・トラットリーア・ラゲットのリゾット・アッラ・ミラネーゼ
材料4~6人分;
米(カルナローリ)・・400g
牛の骨髄・・50g
上質のブロード・ディ・カルネ(牛・雌鶏・玉ねぎ・セロリ・にんじん)・・約1.5リットル
サフラン
玉ねぎ
赤ワイン(バルベーラ)
バター
グラナ・パダーノ

・沸騰したブロード1カップでサフランを溶く。
・玉ねぎを粗くスライスし、バターで色がつかないようにソッフリットにする。
・赤ワインをかける(色がつき過ぎないように米より先に加える)。
・米を加えて数分炒める。
・レードル1杯の熱いブロードをかけ、骨髄を裏漉しながら加える。
・水分が減ったらブロードを足し、かき混ぜながら20分煮る。
・香りが飛ばないように煮上がる少し前にサフランを加える。
・火から下ろし、たっぷりのバターとグラナでマンテカーレする。
・湿らせた布をかぶせて数分休ませる。


赤ワインはオルトレポーのバルベーラ。
リゾットが残ったら、フライパンで焼いて“アル・サルト”にするそうです。

焼きリゾットの“リゾット・アル・サルト”も、おいしいですよねえ。
次は、サフランのリゾットの進化系の話です。


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関連誌;『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号(在庫なし)
“リゾット・アッラ・ミラネーゼ~老舗トラットリーアのリチェッタ”は「総合解説」2004年1月号P.10に載っています。


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2008年6月3日火曜日

リゾット・アッラ・ミラネーゼの伝説

リゾット・アッラ・ミラネーゼの話、その2。

リゾット・アッラ・ミラネーゼが誕生した由来については、様々な伝説がありますが、一番有名なのが、ミラノのドゥオモのステンドグラス職人の話。

『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号によると、時は1574年。
ドゥオモの「聖エレナ」のステンドグラスを担当していた親方、ヴァレリオ・デ・フィアンドラ(ペルフンダヴァッレなど、別の名前の説もあり)は、美しい色を作り出すことで有名でした。
特に黄金色が得意で、その秘訣は絵の具にサフランを加えること。
この色を作る仕事を任されていたのが、一人の弟子。
彼は、いつも“ザッフェラーノ”(サフラン)というあだ名で呼ばれていました。

ここまでは大体どの話でも一緒。
ここから先はいくつか説があります。

・ザッフェラーノ君が親方の娘と結婚することになり、その披露宴の時に仲間が冗談でリゾットにサフランを入れさせた。
・ザッフェラーノ君が親方の娘と結婚することになり、その披露宴の時にザッフェラーノ君がリゾットにサフランを入れた。
・親方の娘の結婚披露宴の時に、誰かが(ザッフェラーノ君が?)誤ってリゾットにサフランを入れてしまった。
などなど。

どれも伝説にすぎませんが、ミラノのドゥオモで、素晴らしいステンドグラスを見上げながらサフラン色を探してみるのも楽しいものです。


ドゥオモ
ミラノのドゥオモのステンドグラス


Zafferano
サフラン, photo by Maurizio Zanetti


ミラノ風リゾットのもう一つの特徴的な食材は、骨髄。

『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の「基本のリゾット」の記事では、子牛の大腿骨から骨髄を取り出すところから説明していて、さすがは肉食の国。


Midollo alla piastra con babà al sugo di carne
骨髄料理, photo by Renée S.
 ↑
これはミラノのリストランテ・クラッコの一品。
スライスした骨髄をグリルパンで焼き、その上に、スーゴ・ディ・カルネをしみ込ませたババをのせたもの。
どんな味なんでしょうねえ。
コラーゲンたっぷりでお肌がつるつるになりそうだなあ。

ただし、最近では骨髄を入れないミラノ風リゾットも多いようです。


今日はちょっと横道にそれちゃいました。
明日こそは、リチェッタの話です。


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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“リゾット~基本のリチェッタ”は「総合解説」P.11に載っています。

『ヴィアッジ・エ・サポーリ』2005年1月号(在庫なし)
“リゾット・アッラ・ミラネーゼ~老舗トラットリーアのリチェッタ”は「総合解説」2004年1月号、P.10に載っています。


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2008年6月2日月曜日

最高のリゾット・アッラ・ミラネーゼは?

イタリアの米料理と言えば、リゾット。
では、代表的なリゾットと言えば?

そう、リゾット・アッラ・ミラネーゼ


リゾット・アッラ・ミラネーゼとオッソブーコ
ミラノのオスタリーア・ボッロメイHostaria Borromeiのリゾット・アッラ・ミラネーゼとオッソブーコ


「リゾットはロンバルディアやピエモンテで生まれ、北はフリウリから南はシチリアに至るまで、イタリア中に広まった。
そしてミラノでは、リゾットが町の名物料理の一つにまでなった」
(『ラ・クチーナ・イタリアーナ』クレアパッソの今月配本号より)

確かに、リゾット・アッラ・ミラネーゼは、イタリアを代表する料理の1つであると同時に、ミラノを代表する傑作。
ミラノでおいしいリゾットに出会うと、リゾットはこうあるべし、というものが見えてきますよねえ。

一粒一粒味わうことができるような、存在感があるイタリアのお米。
それに、牛の骨髄、白ワイン、ブロード・ディ・カルネ、サフランをぷっくりと吸わせ、さらにバターとグラナで強烈にマンテカーレして、ブロードをとろりと乳化させたリゾット。
すべての米粒が自己主張をしつつ、それを目に見えない大きなもので強く結び付けて一つに包んでしまうという、まるで熱血学園青春ドラマの、不良たちと先生の関係のような料理。

5月9日から11日まで、ミラノで、「ジャッロ・ミラノ」というイベントが行われていました。
これは、リゾット・アッラ・ミラネーゼを広めようという趣旨の催しで、メインイベントは、ミラノで最高のリゾット・アッラ・ミラネーゼを競うコンクール。

これはPV




Concorso per il miglior Risotto alla Milanese
ジャッロ・ミラノ, photo by Stefano Petroni


ロンバルディア州やミラノ県、ミラノ市などが共催するイベントで、今年で2回目。
この期間、提携するレストラン全店でリゾット・アッラ・ミラネーゼを前菜としてサービスするなどの企画もありました。

そして今年の優勝者は、この人たちです。
 ↓
栄えある上位3名

1位はシルヴィオ・プラダ氏
フォーシーズン・ホテル/テアトロ
www.fourseasons.com/milan/dining

2位はジャンカルロ・モレッリ氏
オステリーア・デル・ポミルーOSTERIA DEL POMIROEU
www.pomiroeu.it

3位はファブリツィオ・コルザーニ氏
ヴィーコ・デッラ・トッレッタVICO DELLA TORRETTA
Sesto San Giovanni (MI)
こんな店


リゾット・アッラ・ミラネーゼは、シンプルな割には細かいところがバリエーションに富んでいて、骨髄を入れない、ワインは赤、オリーブオイルや野菜のブロードを使うなど、人によってかなり違うようです。

そのためか、優秀者のリゾットに対しては賛否両論。
でもまあ、そうやってあーだこーだうんちくを言い合うのが面白いんですよね。

次は、リゾット・アッラ・ミラネーゼのリチェッタです。



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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“リゾット~基本のリチェッタ”は「総合解説」P.11に載っています。


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2008年5月30日金曜日

トリノの老舗カフェ

昨日に続いて、トリノの話。
今日はカフェ。

『ヴィエ・デル・グスト』のクレアパッソ今月配本号 『ヴィエ・デル・グスト』2007年5月号 の記事、「トリノのカフェ」では、お勧めのトリノの老舗カフェ、トレンディーなバール、チョッコラテリーア、パスティッチェリーアを紹介していますが、その中から、老舗カフェ部門に選ばれた店の写真をどうぞ。


★チョコレートが有名なバラッティ・エ・ミラノ Baratti & Milano(Piazza Castello 29)
バラッティさんとミラノさんが創業。
ポスト・リバティースタイルの素晴らしい内装。
マホガニーと鏡で覆われた壁、大理石の床、etc.。


Baratti & Milano
photo by Salvatore Costa


Baratti & Milano
photo by Pietro Izzo


Il Paradiso secondo
photo by Alessandro


Peeking in
photo by Martin Crockett



カフェ・フィオーリオ caffè fiorio (Via Po 8)
www.fioriocaffegelateria.com

政治家や実業家の常連が多い店だったので、イタリア統一直後の時代は、「マキャベリ主義者(権謀術数を用いる人たち)のカフェ」とも呼ばれた店。
行列ができるジェラテリーアとしても有名。


Fiorio
photo by Emiliano


Gelato Fiorio
photo by Dave Chiu


Caffè Fiorio
photo by Martin Crockett



カフェ・サン・カルロ Caffè San Carlo(Piazza San Carlo 156)
www.caffesancarlo.it

ヨーロッパで最初に照明にガス灯を使った店。
作家のデュマが生まれて初めてビチェリンを飲んだ店。

店内

ゴージャス

店の前のテーブルに座るやたら絵になる人
常連さんか?



★ヌーヴ・カヴァル・ド・ブロン Neuv Caval'd Brons(Piazza San Carlo 155)
www.cavallodibronzo.it

1948年にビアホールとしてオープン。
イングリッド・バーグマンやエヴァ・ガードナー、フランク・シナトラも常連だった。

店のスタッフ

店のウインドー


サン・カルロ広場はカフェの激戦地。
これが広場のシンボルの騎馬像、カヴァル・ド・ブロン。
馬に乗っているのは、エマヌエーレ・フィリベルトという16世紀の人物。


Piazza S.Carlo / Statua di Emanuele Filiberto - Torino - 03.11.07 - 01
photo by Alessandro



★カフェ・ムラッサーノ Caffè Mulassano(Piazza Castello 15)
www.caffemulassano.com

リバティースタイルのゴージャスで小さな店。
トリノで最初にトーストを作った店というのが自慢。
サンドイッチが名物。


Cafe Mulassano
photo by Sachin .


inside Cafe Mulassano
photo by Sachin .



★カフェ・プラッティ Caffè Pulatti(Corso Vittorio Emanuele II 72)
www.platti.it

1875年創業。
スペチャリタは、コアントロー入りチョッコラータ・カルダ、マロッキーノ(コーヒーにココアパウダー、泡立てたミルク、ココアパウダーの順で重ねたトリノ名物)、ビチェリンなど。
きのう紹介したチョコパスの提携店(プラリネ)。

Torino 19 / Caffè Platti
photo by Nicola


歴史のある大都市は、カフェが充実してますね。


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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2007年5月号(クレアパッソで販売中)
“トリノのカフェ”は「総合解説」P.29に載っています。


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2008年5月29日木曜日

トリノのチョコパス

デザートの話が続きます。
今日の話題はトリノ

『ヴィエ・デル・グスト』のクレアパッソ今月配本号 『ヴィエ・デル・グスト』2007年5月号 は、赤い包み紙のカファレルのチョコレートが表紙。
トリノの、カフェを中心とするトラベルガイドが特集の一つです。
(「総合解説」P.29に日本語解説あり)

今では懐かしい冬季五輪の後、トリノは、観光客がとっつきやすい街に生まれ変わっていたんですねえ。
「2006年の冬季オリンピックは、プリンセスの眠りを覚ます王子様のキスだった」、な~んて、なかなか憎いことが書いてあります。


Torino olimpica: Piazza Carlo Felice
トリノ五輪, photo by Fabrizio


トリノがいかにフレンドリーな街か、それを象徴するものの一つが、記事でも取り上げている「チョコパス」。

チョコパス


これ、「甘いものは別ばら」な人たちにはたまらないものですよ~。
なにしろ、トリノの有名店で、街の名物チョコの数々を、3日以内なら23品15ユーロで味わうことができる、というチケットですからねえ。

少し前までは、24時間有効で10品10ユーロ、48時間有効で15品15ユーロ、5日間有効で23品20ユーロのパスがあったのですが、今は3日有効で23品15ユーロのパスになっているようです。

このパスを購入すれば、老舗カフェやパスティッチェリーアで、プラリネ、トルタ、ビスコッティ、ホットチョコレート、ジェラートなどを、1店につき1品味わうことができます。

発行しているのはトリノ観光局。
こちらがhpのチョコパスのページ。

このページに、トリノの名物ドルチェの解説がありますね。
それによると、

ジャンドゥイオッティGianduiotti(写真):トリノの代名詞。カカオとランゲ地方産ヘーゼルナッツを組み合わせた130年の歴史があるドルチェで、トリノのライフスタイルには欠かせないもの。

プラリネPraline(写真):様々な材料が詰まった粒チョコ。何が入っているのか探しながら、ゆっくり味わってみて。

チョッコラータ・カルダChoccolata calda(ホットチョコレート):トリノでは、老舗のカフェでくつろぎながらホットチョコレートを飲むひと時が、至福の時。

トルタTorta:見た目も美しいし食べても美味しいチョコレートケーキ。様々なバージョンがあなたを待っています。

このチョコパスに参加している店は、アル・ビチェリン(トルタ・ビチェリン)、カフェ・プラッティ(プラリネ)、チョッコラート・ペイラーノ(ジャンドゥイオッティ、プラリネ)、ジェルラ(プラリネ)、パスティッチェリーア・プファティッシュ(ジャンドゥイオッティ、プラリネ)など、37軒。
店の一覧は、トリノ観光局のチョコパスのページの一番下にある青いバナー「I locali del ChocoPass」をクリック。
営業時間や定休日も載っています。
店によっては、パスで他のドルチェが割引になることもあるようです。


チョコパスを販売しているのは下記のインフォメーションオフィス。

・Piazza Castello/via Garibaldi
(9:00-19:00)
・Porta Nuova駅
(9:30-19:00)
・Caselle国際空港
(8:00-23:00)



次はトリノの老舗カフェの話です。


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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2007年5月号(クレアパッソで販売中)
“トリノのカフェ”は「総合解説」P.29に載っています。


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2008年5月28日水曜日

自称ティラミス考案者のリチェッタは・・・

ティラミスの話、今日はリチェッタ。

ティラミス発祥の店、とされるレ・ベッケリーエのリチェッタは、『ア・ターヴォラ』『ア・ターヴォラ2006年5月号』(クレアパッソの今月配本号)に載っています。
日本語訳は「総合解説」P.10をご覧ください。

レ・ベッケリーエのティラミスは、かなりシンプルなリチェッタですね。
クレーマは、卵黄と砂糖とマスカルポーネ。
これをコーヒーに浸したサヴォイアルディと交互に重ねてココアパウダーを散らしたもの。


一方、自分こそがティラミスの考案者、と宣言した問題の人物、カルミナントニオ・イアンナッコーネさんのリチェッタは、ワシントン・ポストが取材しています。
こちらのサイト。

彼のティラミスは・・・

材料;6人分
ザバイオーネ
 卵黄・・大2個
 砂糖・・大さじ3
 マルサラ・・1/4カップ
 バニラエッセンス・・小さじ1/4
 レモンの皮のすりおろし・・小さじ1/2

・材料を混ぜ、湯煎にかけて約8分ホイップする。
・冷めたら覆いをして冷蔵庫で4時間~一晩冷やす。

クレーマ・パスティッチェーラ
 砂糖・・1/4カップ
 小麦粉・・大さじ1
 レモンの皮のすりおろし・・小さじ1/2
 バニラエッセンス・・小さじ1/2
 卵黄・・大1個
 牛乳・・3/4カップ

・砂糖、小麦粉、レモンの皮、バニラエッセンス、卵黄、牛乳の半量を混ぜて弱火にかける。残りの牛乳を少しずつ加え、かき混ぜながら煮詰める。
・冷めたら覆いをして冷蔵庫で4時間~一晩冷やす。

ホイップクリーム
 冷えた生クリーム・・1カップ
 砂糖・・1/4カップ
 バニラエッセンス・・小さじ1/2

・材料をホイップする。

その他
 温かいエスプレッソ・・2カップ
 ラムエッセンス・・小さじ1
 砂糖・・1/2カップ
 マスカルポーネ・・1/3カップ
 サヴォイアルディ・・36枚
 ビターココアパウダー・・大さじ2

・エスプレッソ、ラムエッセンス、砂糖を混ぜて冷ます。
・マスカルポーネをスプーンでホイップし、ザバイオーネとクレーマ・パスティッチェーラを加える。さらにホイップクリームを加えてさっくり混ぜる。
・サヴォイアルディ12枚をエスプレッソにさっと浸す(片面1秒)。
・これを大皿に並べ、クレーマの1/3で覆う。あと2段繰り返し、ラップで覆って冷蔵庫で一晩冷やす。
・ラップを取り除いてココアパウダーを振りかける。


出来上がりの写真はこちら

レ・ベッケリーエとは対照的に、手が込んでますねえ。
菓子職人としてのプライドなのか、味や見た目もエレガントさにこだわっています。


レ・ベッケリーエのアルバ夫人は、比較的簡単に考え付いた、と言ってます。
一方、イアンナッコーネさんは、完成するまでに2年かかったと言っています。
どっちが真の考案者なのか、あるいはどちらも違うのか、う~ん・・・。


今日の動画は、“サヴォイアルドーニ・ディ・サルデーニャ”という、サルデーニャの大型のサヴォイアルディを使った「ティラミス・イン・スティック」。
クレーマは、卵黄と砂糖少々をホイップし、マスカルポーネ、メレンゲ、ホイップクリームを加えます。
サヴォイアルドーニは2段に切ってエスプレッソを塗り、間にクレーマをはさんでココアパウダーを散らせば出来上がり。




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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“ティラミス~誕生の物語”は「総合解説」P.9に載っています。


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2008年5月27日火曜日

ティラミスの本家争い、その言い分は・・・

ティラミスの謎、その2。


a closer look
ティラミス, photo by Byron Wee


ティラミスはトレヴィーゾのリストランテ・ベッケリーエで考え出された、という説は、昨日も書いたとおり、その誕生にかかわったとされる女主人自らが、そう語っています。

でも世の中には、それは違う、という人もいる模様。


その代表が、トレヴィーゾに本店があるトゥーラ(エル・トゥーラ)グループ(hp)の会長、アルトゥーロ・フィリッピーニ氏。
kataweb.itによると、エル・トゥーラの創業者のアルフレード・ベルトラーメ氏が、フィリッピーニ氏に、ティラミスは、1930~40年代に、トレヴィーゾのいわゆる赤線地区で、娼館の女性が作っていたドルチェだと語っていたそうです。
それを食べた人が、「desso ve tiro su mi」と言ったとか。


また、トレヴィーゾのホテル・バリオーニで誕生した、という説もあります。
このホテルは1944年に爆撃を受けてなくなってしまったそうですが、ここのシェフ、ジョヴァンニ・バッティスタ・ピアゼンティン氏が、息子のジュゼッペと一緒に結婚披露宴の料理を作っていた時のこと。
息子が、ズッパ・イングレーゼ用のスポンジケーキを焦がしてしまいました。
作り直す時間がなかったので、スポンジ生地を濃いコーヒーに浸し、マスカルポーネで覆ってビターココアパウダーを散らして出してみたところ、大好評!
これが元祖ティラミス、と主張するのは、シェフの甥のジャンニ・トゥルケット氏。
ちなみに、偶然にもピアゼンティン氏は赤線地区の生まれでした。


また、トレヴィーゾのホテル・レストラン、アル・フォーゲルでは、ティラミスにそっくりなドルチェを、トルタ・インペリアーレという名前で出しています。
シェフのジャンニ・ガラッティ氏の母親が、1950年代に某王女がトレヴィーゾを訪れた際に考え出したドルチェだとシェフは言っています。
暗に、ベッケリーエはそれの名前を変えただけ、と主張している訳ですね。
ガラッティさんはトレヴィーゾの観光促進団体の会長さんでもあります。
この人


でも、何と言っても最近一番物議をかもしているのが、アメリカはボルチモアに住む、カルミナントニオ・イアンナッコーネ氏。
この人、ティラミスは自分が考え出した!と、宣言したんです。

WashingtonPost.comによると、イアンナッコーネさんは、アヴェッリーノ(カンパーニア)のパスティッチェリーアで9歳から働きはじめ、14歳の時に仕事を探してミラノに移りました。
1962年に結婚して、1969年にはトレヴィーゾ郊外のポンテ・ディ・ピアーヴェで、ピエディグロッタというレストラン兼パスティッチェリーアを始めます。
そこで彼が作ったのが、この地方では一般的な味、濃いコーヒー、マスカルポーネ、卵、マルサラ、サヴォイアルディを組み合わせたドルチェ。
完成するのに2年かかったそうです。
ところが、店でこのデザートを食べた人たちが次々にコピーしだし、あっという間に様々なバージョンで世界中に広まってしまいました。
イアンナッコーネさんは、「リチェッタはめちゃくちゃになってしまったけれど、それがあなたのおばあさんが作った味で、あなたが好きならそれでいいですよ。
ただのデザートですからね」
と、すっかりあきらめモード。

ティラミスという名前が本や雑誌に登場するようになったのは、1980年代になってから。
それは、レ・ベッケリーエとエル・トゥーラ、この2軒の店のデザートとしてでした。

彼によると、エル・トゥーラは彼の後にティラミスを出し始めたのですが、こっちは無名であっちは有名。
当然マスコミは、あっちの店を取り上げるでしょう。
こっちは無視ですよ。

ただし、すでに書いた通り、エル・トゥーラ側は、自分たちはティラミスが広まるのに影響を与えたが、考え出したのは娼館の女性、と言っています。

レ・ベッケリーエに対しては、イアンナッコーネさんはこう言っています。
「何の証拠も残っていないけれど、弟のジュゼッペがレ・ベッケリーエにあのドルチェを売ったら、それを自分たちのデザートとして出すようになったんですよ」

レ・ベッケリーエ側は、とんでもない話、と反論しています。
現経営者で、ティラミスの考案者とされるアンナ夫人の息子、カルロ・カンペオール氏は、イアンナッコーネ氏には会ったこともないし、ピエディグロッタという店は聞いたこともない、と言っています。

レ・ベッケリーエのティラミスは、子供も食べられるようにと、アルコールは加えません。
一方、イアンナッコーネさんのティラミスにはマルサラが入り、手の込んだクリームを作ります。
この違いを、イアンナッコーネさんは、安く簡単にできるように彼らがアレンジしたのだと言っています。

1995年にアメリカに渡ったイアンナッコーネさん。
現在、ボルチモアでピエディグロッタというベーカリーを営んでいます。
店のhpには、ティラミスが完成した日付まで書かれてますよー。

さーていったい、誰の話を信じればいいんでしょうねえ。
次回は、両者のティラミスのリチェッタ比べです。


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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年5月号(クレアパッソで販売中)
“ティラミス~誕生の物語”は「総合解説」P.9に載っています。


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クリスマスのドルチェに欠かせないカンディーティ。

(CIR)12月号の記事、今日のお題は“カンディートcandito”です。 形容する名詞の性・数によってカンディータ、カンディーティなどと変化します。 フルーツの場合はフルッタ・カンディータfrutta cantita。 カンディーティ入りのクリスマスのビスコッティ。 カンディ―...