2021年4月14日水曜日

初物の季節ですが、キリスト教には人類最初の殺人事件の動機になるくらい重い意味があるようです。

今月の「総合解説」のパスタ・エ・ファジョーリの次の料理は、“セッテ・ペル・セッテ・49”(P.3)という、ちょっとひねった名前のミネストローネです。
料理名にヒントがあります。
そう、日本語に訳すなら、“7×7=49”という料理名です。
さらに材料を見ると、豆や新物野菜やパスタや穀物を全部7種類ずつ入れます。
先月の料理に、アブルッツォはテーラモの5月1日に食べる伝統料理、ヴィルトゥvirtùというのがありましたが、この料理も7種類の豆、初物野菜、パスタなどが入るミネストローネでした。
ヴィルトゥ・テラマーネ↓

イタリアの春のこの時期のミネストローネのキーワードは7と初物です。
キリスト教ではヴィルトゥ(美徳)というのは7種類あると考えられている、というのが7種の根拠。
7×7(セッテ・ペル・セッテ)は、もっとストレートに7と言ってますね。
 ただし、料理の解説でも付け加えてますが、7種類に拘る必要はなく、食材はなんでもでもOK。 
このあたりの発想が今時。ただし初物にはこだわりがあるようです。
初物はプリミツィエ/primizie。
この言葉も、つきつめればキリスト教の教えにまたどりついてしまいます。
しかも、カインとアベルによる人類最初の殺人事件まで引き起こす、不吉な言葉。
とにかく、宗教が絡むと、ただ単に今年最初の実り、という程度の意味ではないもののようです。
なんのことかさっぱり理解できない仏教徒としては、深く掘り下げるのはやめておきます。
「総合解説」で初物野菜として挙げているのは、緑のズッキーニ、グリーンピース、ビエトラ、アスパラガス、ソラマメ、新ほうれん草、葉玉ねぎあたりです。
ヴィニャローラVinarolaも春の初物の料理。今時だとグリーンピースとソラマメでOK。

“グイド・トンマージの地方料理シリーズ”の『ローマとラツィオ』の表紙はヴィニャローラ。







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ローマとラツィオ
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