今日はアスコリのオリーブの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。
アスコリ(マルケ州)のオリーブについては、以前(2008.10.1のブログ)に一度書きましたが、今日はちょっと情報を追加です。
アスコリ名物のオリーブ料理、“オリーヴェ・アッラ・アスコラーナ olive all'ascolana (アスコリ風オリーブ)”は、塩水漬けのグリーンオリーブに挽肉のラグーがベースの具を詰めて、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げたもの。
オリーブを一回り大きくしたサイズで、指でつまんで食べる典型的なストリートフード。
一度食べると誰もがやみつきになってしまう味。
アップで
ロスティッチェリーアのアスコリのオリーブ
オリーヴェ・アスコラーネを5ユーロ分買う動画
↑
ずいぶん美味しそうに食べてますねー。
このアスコリ風オリーブに最も適しているオリーブ、と言われるのが、オリーヴァ・テーネラ・アスコラーナ・デル・ピチェーノ Oliva Tenera Ascolana del Piceno という品種です。
“テーネラ”とは、「柔らかい」という意味。
その名の通り、果肉が軟らかいのが特徴。
アスコリ種のオリーブはイタリア各地で栽培されている食用オリーブで(オイル用にもなります)、実の大きさが普通のオリーブの2倍ぐらいあり、果肉が厚いのが特徴。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事にもある通り、3つのタイプがあります。
“ドゥーラ(ハード)”、“セミドゥーラ(セミハード)”、そして“テーネラ(ソフト)”の3種類。
中でも“テーネラ”は最上質のオリーブとみなされています。
さらに、“テーネラ”はDOP製品。
つまり、産地がアスコリ・ピチェーノ周辺に限定されている品種です。
アスコリ風オリーブは外国にも知られている代表的なイタリア料理の一つですが、“テーネラ”タイプのアスコリのオリーブを使った生粋の本場の味は、実は、地元以外では滅多に味わうことができないんだそうです。
その最大の理由は、オリーヴァ・テーネラ・アスコラーナは生産量が少なく、地元以外にはほとんど出回らないから。
“テーネラ”は、皮が薄いためにデリケートで傷みやすく、収穫に機械を使うことができないので、作るのが大変。
スローフードの後援食材にも指定されています。
本物のアスコリ風オリーブを食べるなら、アスコリ・ピチェーノに行くしかない。
でも、せっかくアスコリ・ピチェーノまで行って、“テーネラ”タイプではないオリーブのアスコリ風オリーブを食べても意味がないですよねえ。
とは言っても、ロスティッチェリーア(揚げ物やローストなどの総菜屋)やレストランでは、どんな品種のオリーブを使っているかまでは表示していないだろうなあ。
一番確実なのは、塩水漬けのオリーブを買うことでしょうかね。
もちろん、DOP製品のoliva tenera ascolanaであることをしっかり確認して。
塩水漬けのオリーヴァ・テーネラ・アスコラーナ
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』'06年11月号
“オリーヴァ・テーネラ・アスコラーナ”の記事は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.27に載っています。
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2009年2月16日月曜日
2009年2月12日木曜日
ボッコンディヴィーノ(ブラ)
今日はレストランの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の連載記事、グルメ紀行で今回(クレアパッソで配本中の号のことです)取り上げているのは、ピエモンテのロエーロ地方。
ロエーロと言うと、ワインの名前として知られていますよね。
ロエーロ地方はクーネオ県の北西部にあって、ターナロ川の左岸に広がっています。
ちなみに、ターナロ川の右岸はランゲ地方。
ロエーロとは、この地方を代々治めていた領主の名前だそうです。
ロエーロとランゲ地方のグルメ旅は、こんな感じ
高貴なワイン、かしこいトリュフ犬が一生懸命掘った白トリュフ、濃厚なチーズ、おとぎ話のような中世の町と城、静かにゆっくり流れる落ち着いた時間・・・・・・。
うーん、いいなあ。
地中海の強烈で鮮やかなイメージとはまた違った、枯れた渋さも魅力的ですよねえ。
ロエーロ地方のレストランの中でも特に観光客に人気なのは、ブラのボッコンディヴィーノ Boccondivino 。
ブラは“スローフード”の発祥の地。
1984年に、この町のオステリーア、ボッコンディヴィーノに集まった人たちによって、スローフードは設立されたんだそうです。
店のhpはこちら。
ボッコンディヴィーノの料理
グリッシーニ
ダヤリン
ラザーニャ
トリッパとポレンタ
ブラザート?
チーズ
ボネ?
パンナ・コッタ
ご存じのように、スローフードでは貴重な伝統食材を救おう、という運動もやっていて、様々な食材が後援食材として認定されています。
ボッコンディヴィーノでは、それらの食材を使った料理も出しています。
このメニュー(pdf)にカタツムリのマークがついている料理がそうです。
たとえば
・Lardo, salsiccia di Bra e carne cruda battuta al coltello
『ラルド、ブラのサルシッチャ、生肉の叩き』
・Vitello tonnato
『ヴィテッロ・トンナート』
・Brasato di vitello al Barolo
『子牛肉のバローロのブラザート』
・Bollito misto con salsa verde, rossa e aioli
『ボッリート・ミスト、サルサ・ヴェルデ、サルサ・ロッサ、アイオリ添え』
にカタツムリマークがついていますねえ。
これらはおそらく、スローフードの後援食材であるピエモンテ牛を使っているのでしょうね。
・Tonno di cappone all’aceto balsamico
『去勢鶏のトンノ、バルサミコ酢風味』
・Coniglio “Grigio di Carmagnola” all’arneis
『グリージョ・ディ・カルマニョーラ種のうさぎのアルネイス風味』
は、去勢鶏とうさぎがそうです。
店に行く機会があったら、これらの食材を使った料理を味わってみたいものですね。
お値段もなかなか手頃で、人気なのもうなずけます。
※これまで「こんな雰囲気の店」と紹介していたボッコンディヴィーノの動画はまったく別の店でした。
ご指摘いただいて発覚しました。
本家のブラのボッコンディヴィーノさん、大変失礼しました!
ちなみに、イタリアにはボッコンディヴィーノという名前のレストランが各地にあります。
boccondivinoとは、“boccone”と“divino”が組み合わさってできた言葉のよう。
“boccone”は、「一口」とか「美味しいもの」という意味。
“divino”は、「神の」とか「神聖な」とか「超人的」という意味。
だから直接訳すと、「神の美味なるもの」とか、「神々しい一口」とか、「超美味」とか、なんだかすごく仰々しい言葉になっちゃうんですよねー。
「神の一口」なんて言うと、最近ドラマ化で話題のマンガの二番煎じみたいだし・・・。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』'06年11月号
“グルメ紀行~ロエーロ”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.2に載っています。
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『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の連載記事、グルメ紀行で今回(クレアパッソで配本中の号のことです)取り上げているのは、ピエモンテのロエーロ地方。
ロエーロと言うと、ワインの名前として知られていますよね。
ロエーロ地方はクーネオ県の北西部にあって、ターナロ川の左岸に広がっています。
ちなみに、ターナロ川の右岸はランゲ地方。
ロエーロとは、この地方を代々治めていた領主の名前だそうです。
ロエーロとランゲ地方のグルメ旅は、こんな感じ
高貴なワイン、かしこいトリュフ犬が一生懸命掘った白トリュフ、濃厚なチーズ、おとぎ話のような中世の町と城、静かにゆっくり流れる落ち着いた時間・・・・・・。
うーん、いいなあ。
地中海の強烈で鮮やかなイメージとはまた違った、枯れた渋さも魅力的ですよねえ。
ロエーロ地方のレストランの中でも特に観光客に人気なのは、ブラのボッコンディヴィーノ Boccondivino 。
ブラは“スローフード”の発祥の地。
1984年に、この町のオステリーア、ボッコンディヴィーノに集まった人たちによって、スローフードは設立されたんだそうです。
店のhpはこちら。
ボッコンディヴィーノの料理
グリッシーニ
ダヤリン
ラザーニャ
トリッパとポレンタ
ブラザート?
チーズ
ボネ?
パンナ・コッタ
ご存じのように、スローフードでは貴重な伝統食材を救おう、という運動もやっていて、様々な食材が後援食材として認定されています。
ボッコンディヴィーノでは、それらの食材を使った料理も出しています。
このメニュー(pdf)にカタツムリのマークがついている料理がそうです。
たとえば
・Lardo, salsiccia di Bra e carne cruda battuta al coltello
『ラルド、ブラのサルシッチャ、生肉の叩き』
・Vitello tonnato
『ヴィテッロ・トンナート』
・Brasato di vitello al Barolo
『子牛肉のバローロのブラザート』
・Bollito misto con salsa verde, rossa e aioli
『ボッリート・ミスト、サルサ・ヴェルデ、サルサ・ロッサ、アイオリ添え』
にカタツムリマークがついていますねえ。
これらはおそらく、スローフードの後援食材であるピエモンテ牛を使っているのでしょうね。
・Tonno di cappone all’aceto balsamico
『去勢鶏のトンノ、バルサミコ酢風味』
・Coniglio “Grigio di Carmagnola” all’arneis
『グリージョ・ディ・カルマニョーラ種のうさぎのアルネイス風味』
は、去勢鶏とうさぎがそうです。
店に行く機会があったら、これらの食材を使った料理を味わってみたいものですね。
お値段もなかなか手頃で、人気なのもうなずけます。
※これまで「こんな雰囲気の店」と紹介していたボッコンディヴィーノの動画はまったく別の店でした。
ご指摘いただいて発覚しました。
本家のブラのボッコンディヴィーノさん、大変失礼しました!
ちなみに、イタリアにはボッコンディヴィーノという名前のレストランが各地にあります。
boccondivinoとは、“boccone”と“divino”が組み合わさってできた言葉のよう。
“boccone”は、「一口」とか「美味しいもの」という意味。
“divino”は、「神の」とか「神聖な」とか「超人的」という意味。
だから直接訳すと、「神の美味なるもの」とか、「神々しい一口」とか、「超美味」とか、なんだかすごく仰々しい言葉になっちゃうんですよねー。
「神の一口」なんて言うと、最近ドラマ化で話題のマンガの二番煎じみたいだし・・・。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』'06年11月号
“グルメ紀行~ロエーロ”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.2に載っています。
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2009年2月9日月曜日
イタリア風じゃがいも料理
今日はじゃがいもの話。
『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。
以前にも書いた気がするのですが、イタリアのじゃがいも料理って、あまりピンとこないんですよねー。
まあもちろんニョッキはじゃがいも料理ですが、ジャーマンポテトとか、フレンチフライ(正確にはフランスが発祥地じゃないようですが)のように、イタリアンポテト!と呼べる料理は・・・・・
思い浮かばないなあ。

ベーコンの香りがたまらない!ジャーマンポテト“Bratkartoffeln”
photo by adactio
それなのに、『サーレ・エ・ペペ』では、敢えて「パターテ・アッラ・イタリアーナ~イタリア風じゃがいも料理」という記事を企画したんですねえ。
いったいどんな料理があるものなのか、ちょっと面白そうじゃないですか。
そして読んでみると・・・
なるほど、そうきたか~。
まず1品目は、ヴェネト料理。
“じゃがいもと玉ねぎのパデッラータ、ヴェネト風 Padellata di patate con cipolle alla veneta”。

この“パデッラータ”というのがミソですねえ。
いや~なるほどー、恐れ入りました、という感じです。
“パデッラータ”とは、「フライパン(padella)で調理した」という意味で、フライパンで焼いたり、ローストしたり、炒め煮にしたりすること全般を意味します。
だから実は、ジャーマンポテトもフライパンで作ったものなら、“じゃがいものパデッラータ、ドイツ風”となる訳です。
つまり、どんなものでも“パデッラータ”と言えば、あっという間にイタリア風に聞こえてしまう、とても便利な言葉なんですねー。
“じゃがいもと玉ねぎのパデッラータ、ヴェネト風”は、ゆでたじゃがいもと玉ねぎをバターで焼いて(炒めるのではなく)、塩、こしょうをするというシンプルなもの。
きのことじゃがいものパデッラータ
じゃがいもと豚肉のパデッラータ
野菜のパデッラータ
記事には、このパデッラータを“シチリア風”にしたものも紹介されています。
ジャーマンポテトはベーコン入りですが、シチリア風だと何が入ると思いますか?
多分、イメージ通りですよ。
答えは、ケッパーとオリーブ。
さらに砂糖とビネガーも加えて、煮て仕上げます。
“じゃがいものシチリア風”というのは定番のリチェッタがなく、トマト入りやペコリーノ入りなど、様々なものを見かけます。
つまり、シチリアの食材や、シチリアをイメージさせるものを加えれば、立派にじゃがいものシチリア風となるわけですね。
と言うことは、ケッパー、オリーブ、アンチョビー入りや、パルミジャーノと生ハム入りで、“イタリアンポテト”と呼んだって、全然ノープロブレム、と個人的には思っています。
記事で紹介されている料理でもう1品、なかなかおもしろいのが、カルボナーラの変型版です。
“じゃがいも、卵、ペコリーノのカラプリア風パスタ Pasta con uova e pecorino alla calabrese”

使っているパスタは、ショートパスタのトゥベッティ・リッシ。
ペコリーノ入りのカルボナーラに、小角切りにして揚げたじゃがいもを加えた一品です。
素朴でボリュームがありそうで、しかも立派にイタリアン。
フレッシュな赤ワインが合いそうなパスタです。
この他に、イタリア料理でじゃがいもを使ったものと言えば、じゃがいものフリッタータや、じゃがいもとムール貝と米のティエッラなどが有名。
イタリア料理のバイブル、『グランデ・エンチクロペディア・イッルストラータ・デッラ・ガストロノミア』(長い名前ですが、要は図解と写真付きイタリア料理辞典です)には、イタリアのじゃがいも料理のリチェッタがいくつか載っています。
その中に、“丸ごとじゃがいものオーブン焼き Patate al forno intere ”というのがあります。
丸ごとのじゃがいもをアルミ箔で包んで220度のオーブンで1時間焼き、バターかサワークリームを添える、という料理です。
その解説に、「これは、じゃがいもに暖炉の灰をかぶせて焼く“patate cotte sotto cenere”の現代版、都会版」とあるのを見て、思い出しました。
以前ウンブリアのトラットリーアで、前菜に、じゃがもいが1個、皮つきのままどーんと皿にのって出てきたことがあったんです。
これがその、“灰かぶり焼きじゃがいも?”でした。
味もさることながら、暖炉に馴染みのない都会っ子にとっては、なんだかすごく特別なものを食べているような気がしたのを覚えています。
その時初めて、焼きいもも灰で焼けば、立派にレストランの一品になるということを知りました。
でもその時は、灰をかぶせて焼くには1~2時間かかるなんてことは知りませんでした。
知っていたら、もっとご馳走に思えただろうなあ。
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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』'06年11月号(クレアパッソで販売中)
“イタリア風じゃがいも料理”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年11月号、P.7に載っています。
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『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。
以前にも書いた気がするのですが、イタリアのじゃがいも料理って、あまりピンとこないんですよねー。
まあもちろんニョッキはじゃがいも料理ですが、ジャーマンポテトとか、フレンチフライ(正確にはフランスが発祥地じゃないようですが)のように、イタリアンポテト!と呼べる料理は・・・・・
思い浮かばないなあ。
ベーコンの香りがたまらない!ジャーマンポテト“Bratkartoffeln”
photo by adactio
それなのに、『サーレ・エ・ペペ』では、敢えて「パターテ・アッラ・イタリアーナ~イタリア風じゃがいも料理」という記事を企画したんですねえ。
いったいどんな料理があるものなのか、ちょっと面白そうじゃないですか。
そして読んでみると・・・
なるほど、そうきたか~。
まず1品目は、ヴェネト料理。
“じゃがいもと玉ねぎのパデッラータ、ヴェネト風 Padellata di patate con cipolle alla veneta”。

この“パデッラータ”というのがミソですねえ。
いや~なるほどー、恐れ入りました、という感じです。
“パデッラータ”とは、「フライパン(padella)で調理した」という意味で、フライパンで焼いたり、ローストしたり、炒め煮にしたりすること全般を意味します。
だから実は、ジャーマンポテトもフライパンで作ったものなら、“じゃがいものパデッラータ、ドイツ風”となる訳です。
つまり、どんなものでも“パデッラータ”と言えば、あっという間にイタリア風に聞こえてしまう、とても便利な言葉なんですねー。
“じゃがいもと玉ねぎのパデッラータ、ヴェネト風”は、ゆでたじゃがいもと玉ねぎをバターで焼いて(炒めるのではなく)、塩、こしょうをするというシンプルなもの。
きのことじゃがいものパデッラータ
じゃがいもと豚肉のパデッラータ
野菜のパデッラータ
記事には、このパデッラータを“シチリア風”にしたものも紹介されています。
ジャーマンポテトはベーコン入りですが、シチリア風だと何が入ると思いますか?
多分、イメージ通りですよ。
答えは、ケッパーとオリーブ。
さらに砂糖とビネガーも加えて、煮て仕上げます。
“じゃがいものシチリア風”というのは定番のリチェッタがなく、トマト入りやペコリーノ入りなど、様々なものを見かけます。
つまり、シチリアの食材や、シチリアをイメージさせるものを加えれば、立派にじゃがいものシチリア風となるわけですね。
と言うことは、ケッパー、オリーブ、アンチョビー入りや、パルミジャーノと生ハム入りで、“イタリアンポテト”と呼んだって、全然ノープロブレム、と個人的には思っています。
記事で紹介されている料理でもう1品、なかなかおもしろいのが、カルボナーラの変型版です。
“じゃがいも、卵、ペコリーノのカラプリア風パスタ Pasta con uova e pecorino alla calabrese”

使っているパスタは、ショートパスタのトゥベッティ・リッシ。
ペコリーノ入りのカルボナーラに、小角切りにして揚げたじゃがいもを加えた一品です。
素朴でボリュームがありそうで、しかも立派にイタリアン。
フレッシュな赤ワインが合いそうなパスタです。
この他に、イタリア料理でじゃがいもを使ったものと言えば、じゃがいものフリッタータや、じゃがいもとムール貝と米のティエッラなどが有名。
イタリア料理のバイブル、『グランデ・エンチクロペディア・イッルストラータ・デッラ・ガストロノミア』(長い名前ですが、要は図解と写真付きイタリア料理辞典です)には、イタリアのじゃがいも料理のリチェッタがいくつか載っています。
その中に、“丸ごとじゃがいものオーブン焼き Patate al forno intere ”というのがあります。
丸ごとのじゃがいもをアルミ箔で包んで220度のオーブンで1時間焼き、バターかサワークリームを添える、という料理です。
その解説に、「これは、じゃがいもに暖炉の灰をかぶせて焼く“patate cotte sotto cenere”の現代版、都会版」とあるのを見て、思い出しました。
以前ウンブリアのトラットリーアで、前菜に、じゃがもいが1個、皮つきのままどーんと皿にのって出てきたことがあったんです。
これがその、“灰かぶり焼きじゃがいも?”でした。
味もさることながら、暖炉に馴染みのない都会っ子にとっては、なんだかすごく特別なものを食べているような気がしたのを覚えています。
その時初めて、焼きいもも灰で焼けば、立派にレストランの一品になるということを知りました。
でもその時は、灰をかぶせて焼くには1~2時間かかるなんてことは知りませんでした。
知っていたら、もっとご馳走に思えただろうなあ。
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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』'06年11月号(クレアパッソで販売中)
“イタリア風じゃがいも料理”のリチェッタは、「総合解説」'06&'07年11月号、P.7に載っています。
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2009年2月6日金曜日
フィロ生地
今日はフィロ生地の話。
前回は、オーストリアから伝わったストゥルーデルのそのまたルーツは、トルコのバクラヴァという菓子らしい、という話をしました。
そのバクラヴァに使われているのがフィロ生地。
イタリア語では pasta fillo パスタ・フィッロ。
バクラヴァ
フィロ生地は、イタリアでは比較的浸透している食材で、料理書にもよく登場します。

アスパラガスの具のフィロ生地のカンノリッキ、チーズのサルサ
photo by frabattista
フィロ生地のミッレフォーリエ、タイとじゃがいもの詰め物
マンゴーとパイナップルのフィロ生地パイ
鶏肉ときのこ詰めフィロ生地パイ
フィロ生地の挽肉巻き
フィロ生地はトルコ辺りが発祥地のパイ生地の一種。
紙のように薄いのが特徴で、名前の語源もギリシャ語で「葉」や「紙」という意味の言葉。
中東だけでなく、欧米にも広まっています。
冷凍フィロ生地ができるまでの動画、その1(英語)
3:39あたりから始まります。
ちなみに前半は鶏の孵化場の様子。
動物残酷物語系が嫌いな人は見ないように。
この動画の説明によると、材料は、小麦粉60%と水40%。
小麦粉はたんぱく質の量が違う2種類の粉をミックス。
手作りの場合と機械で作る場合の両方を紹介しています。
手作りの場合は手で2.5m四方に伸ばしながらティッシュペーパーの薄さ!に伸ばします。
冷凍フィロ生地ができるまで、その2
1:20まで。
小麦粉と水がベースの中東系の生地で、イタリアでたまに見かけるのが、カダイフ。
イタリアではカタイフィ kataifi と呼ぶようです。
小麦粉と水の生地を麺状にした、ビーフンのような食材です。
シュレッデッド・フィロとも呼びます。
これを使ったお菓子もカダイフという名前。
カタイフィ
カダイフ作り
以前、2008年5月15日のブログでも、カダイフを使った料理を紹介したことがあります。
プーリアの、オステリーア・ジャ・ソット・ラルコ Osteria già sotto l'arco という店の一品でした。
「ブッラータのカダイフ包み、トマト、マルティーナ・フランカ産カポコッロ、オリーブのクレーマ、ドライトマト添え」。
現在配本中の『V&S』誌にも、カダイフを使った料理が紹介されています。
やはりプーリアの、パンタグルエーレ Pantagruele という店の料理です。

「空豆のピューレ、カタイフとビエトリーネ添え」
空豆のピューレもビエトリーネも、プーリアの典型的な食材。
カダイフとプーリアの関係も、なくはないんですよね。
カダイフは、パレスチナ地方が発祥地なんだそうです。
パレスチナは、かつてヨーロッパから十字軍が渡ってエルサレム王国を築いた地。
その十字軍の中継地となったのがプーリアでした。
プーリアには、今でも十字軍関連の遺跡がたくさん残っています。
この店があるブリンディジは、ギリシャとイタリアとを結ぶ港のある場所。
昔からプーリアは、イタリアより東のギリシャやトルコ、パレスチナと交流があった地方。
そんなことを考えると、この料理に、何か壮大な歴史を感じたりして・・・。
パンタグルエーレ Pantagruele:Salita di Ripalta 1/5, Brindisi
tel.0831.560605
土曜昼と日曜定休
-------------------------------------------------------
関連誌:『V&S』'07年11月号
パンタグルエーレが紹介されている記事、“サレント半島の店”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.31に載っています。
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前回は、オーストリアから伝わったストゥルーデルのそのまたルーツは、トルコのバクラヴァという菓子らしい、という話をしました。
そのバクラヴァに使われているのがフィロ生地。
イタリア語では pasta fillo パスタ・フィッロ。
バクラヴァ
フィロ生地は、イタリアでは比較的浸透している食材で、料理書にもよく登場します。
アスパラガスの具のフィロ生地のカンノリッキ、チーズのサルサ
photo by frabattista
フィロ生地のミッレフォーリエ、タイとじゃがいもの詰め物
マンゴーとパイナップルのフィロ生地パイ
鶏肉ときのこ詰めフィロ生地パイ
フィロ生地の挽肉巻き
フィロ生地はトルコ辺りが発祥地のパイ生地の一種。
紙のように薄いのが特徴で、名前の語源もギリシャ語で「葉」や「紙」という意味の言葉。
中東だけでなく、欧米にも広まっています。
冷凍フィロ生地ができるまでの動画、その1(英語)
3:39あたりから始まります。
ちなみに前半は鶏の孵化場の様子。
動物残酷物語系が嫌いな人は見ないように。
この動画の説明によると、材料は、小麦粉60%と水40%。
小麦粉はたんぱく質の量が違う2種類の粉をミックス。
手作りの場合と機械で作る場合の両方を紹介しています。
手作りの場合は手で2.5m四方に伸ばしながらティッシュペーパーの薄さ!に伸ばします。
冷凍フィロ生地ができるまで、その2
1:20まで。
小麦粉と水がベースの中東系の生地で、イタリアでたまに見かけるのが、カダイフ。
イタリアではカタイフィ kataifi と呼ぶようです。
小麦粉と水の生地を麺状にした、ビーフンのような食材です。
シュレッデッド・フィロとも呼びます。
これを使ったお菓子もカダイフという名前。
カタイフィ
カダイフ作り
以前、2008年5月15日のブログでも、カダイフを使った料理を紹介したことがあります。
プーリアの、オステリーア・ジャ・ソット・ラルコ Osteria già sotto l'arco という店の一品でした。
「ブッラータのカダイフ包み、トマト、マルティーナ・フランカ産カポコッロ、オリーブのクレーマ、ドライトマト添え」。
現在配本中の『V&S』誌にも、カダイフを使った料理が紹介されています。
やはりプーリアの、パンタグルエーレ Pantagruele という店の料理です。

「空豆のピューレ、カタイフとビエトリーネ添え」
空豆のピューレもビエトリーネも、プーリアの典型的な食材。
カダイフとプーリアの関係も、なくはないんですよね。
カダイフは、パレスチナ地方が発祥地なんだそうです。
パレスチナは、かつてヨーロッパから十字軍が渡ってエルサレム王国を築いた地。
その十字軍の中継地となったのがプーリアでした。
プーリアには、今でも十字軍関連の遺跡がたくさん残っています。
この店があるブリンディジは、ギリシャとイタリアとを結ぶ港のある場所。
昔からプーリアは、イタリアより東のギリシャやトルコ、パレスチナと交流があった地方。
そんなことを考えると、この料理に、何か壮大な歴史を感じたりして・・・。
パンタグルエーレ Pantagruele:Salita di Ripalta 1/5, Brindisi
tel.0831.560605
土曜昼と日曜定休
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関連誌:『V&S』'07年11月号
パンタグルエーレが紹介されている記事、“サレント半島の店”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.31に載っています。
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2009年2月2日月曜日
ストゥルーデル
今日はドルチェの話。
『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。
どう見てもイタリアのドルチェらしくない名前のパイ菓子、ストゥルーデル strudel 。

ストゥルーデル, photo by pandemia
まあ、これがオーストリアから伝わったドルチェだということは、イタリア人でも異存はないですよね。
でも今ではすっかりイタリアの中に溶け込んで、立派な伝統料理の一つ。
オーストリアのstrudelとイタリアのstrudelを見分けるポイントの一つは、発音ですかねえ。
ドイツ語だと“シュトゥルーデル”で、イタリア語だと“ストゥルーデル”。
ついでに英語だと“ストゥルードル”。
イタリアの中でもストゥルーデルが地元の定番ドルチェとして定着しているのは、昔、オーストリア=ハンガリー帝国の一部だった地域で、特にりんごの産地。
トレンティーノ・アルト=アディジェ、ヴェネト、フリウリ・ヴェネチア・ジューリアのあたりです。
今ではイタリア中に広まっているストゥルーデルですが、“ストゥルーデル”ってどういう意味か、知ってました?
正確には、ドイツ語の“シュトゥルーデル”の意味ですね。
「渦巻き」とか「ぐるぐる巻き」っていう意味なんですねー。
最近節分の時期に人気の「恵方巻き」なんて、さしずめ、寿司版ストゥルーデル。
そしてさらに、「ストゥルーデルのルーツはオーストリア」ではなかったんですねー。
知らなかったなあ。
なんとトルコだったとは。
これがストゥルーデルの元祖、トルコのバクラヴァ。

バクラヴァ, photo by Scott MacLeod Liddle
オーストリアで売られていたバクラヴァ
バクラヴァがどんな菓子かと説明すると長い話になるので、詳しくはWikiの説明をご覧ください。
これがどうしてオーストリアの名物菓子に生まれ変わったかと言うと、16世紀に、トルコのスルタンがハンガリーやウイーンに攻め込んで、一時占領したことがあったからなんですねー。
結局、スルタンはウイーンを手に入れることはできなかったけれど、スルタンと一緒にやってきたバクラヴァの方はウイーンを手に入れてしまった、というか、逆にウイーンの方がバクラヴァに夢中になって、自分のものにしてしまったという感じでしょうか。
バクラヴァは「木の実」という意味の言葉が語源だそうですが、その名の通り、詰め物はくるみやピスタチオ、アーモンドなどのナッツ類が主体。
オーストリアの人たちは、ナッツ類よりもっと自分たちに身近な食材、りんごを使ってシュトゥルーデルを作ったわけですね。
生地も、バクラヴァは薄~いフィロ生地を何枚も重ねますが、シュトゥルーデル生地はもう少し厚め。
見事に中央ヨーロッパのお菓子に生まれ変わりましたね。
そしてさらに、イタリアだけでなく世界中に広まって、りんご以外の各地の様々な食材を使ったストゥルーデルが作りだされている訳ですねえ。
スペックとチーズのストゥルーデル
(マスタードと蜂蜜を混ぜてパイ生地に塗り、スペックとスライスチーズで覆って巻いて白ごまを散らす)
今日のおまけ
5分で作るりんごのストゥルーデル
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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』'06年11月号(クレアパッソで販売中)
“りんごのストゥルーデル”の解説は「総合解説」'06&'07年11月号、P.14に載っています。
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『サーレ・エ・ペペ』の記事の解説です。
どう見てもイタリアのドルチェらしくない名前のパイ菓子、ストゥルーデル strudel 。
ストゥルーデル, photo by pandemia
まあ、これがオーストリアから伝わったドルチェだということは、イタリア人でも異存はないですよね。
でも今ではすっかりイタリアの中に溶け込んで、立派な伝統料理の一つ。
オーストリアのstrudelとイタリアのstrudelを見分けるポイントの一つは、発音ですかねえ。
ドイツ語だと“シュトゥルーデル”で、イタリア語だと“ストゥルーデル”。
ついでに英語だと“ストゥルードル”。
イタリアの中でもストゥルーデルが地元の定番ドルチェとして定着しているのは、昔、オーストリア=ハンガリー帝国の一部だった地域で、特にりんごの産地。
トレンティーノ・アルト=アディジェ、ヴェネト、フリウリ・ヴェネチア・ジューリアのあたりです。
今ではイタリア中に広まっているストゥルーデルですが、“ストゥルーデル”ってどういう意味か、知ってました?
正確には、ドイツ語の“シュトゥルーデル”の意味ですね。
「渦巻き」とか「ぐるぐる巻き」っていう意味なんですねー。
最近節分の時期に人気の「恵方巻き」なんて、さしずめ、寿司版ストゥルーデル。
そしてさらに、「ストゥルーデルのルーツはオーストリア」ではなかったんですねー。
知らなかったなあ。
なんとトルコだったとは。
これがストゥルーデルの元祖、トルコのバクラヴァ。
バクラヴァ, photo by Scott MacLeod Liddle
オーストリアで売られていたバクラヴァ
バクラヴァがどんな菓子かと説明すると長い話になるので、詳しくはWikiの説明をご覧ください。
これがどうしてオーストリアの名物菓子に生まれ変わったかと言うと、16世紀に、トルコのスルタンがハンガリーやウイーンに攻め込んで、一時占領したことがあったからなんですねー。
結局、スルタンはウイーンを手に入れることはできなかったけれど、スルタンと一緒にやってきたバクラヴァの方はウイーンを手に入れてしまった、というか、逆にウイーンの方がバクラヴァに夢中になって、自分のものにしてしまったという感じでしょうか。
バクラヴァは「木の実」という意味の言葉が語源だそうですが、その名の通り、詰め物はくるみやピスタチオ、アーモンドなどのナッツ類が主体。
オーストリアの人たちは、ナッツ類よりもっと自分たちに身近な食材、りんごを使ってシュトゥルーデルを作ったわけですね。
生地も、バクラヴァは薄~いフィロ生地を何枚も重ねますが、シュトゥルーデル生地はもう少し厚め。
見事に中央ヨーロッパのお菓子に生まれ変わりましたね。
そしてさらに、イタリアだけでなく世界中に広まって、りんご以外の各地の様々な食材を使ったストゥルーデルが作りだされている訳ですねえ。
スペックとチーズのストゥルーデル
(マスタードと蜂蜜を混ぜてパイ生地に塗り、スペックとスライスチーズで覆って巻いて白ごまを散らす)
今日のおまけ
5分で作るりんごのストゥルーデル
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関連誌;『サーレ・エ・ペペ』'06年11月号(クレアパッソで販売中)
“りんごのストゥルーデル”の解説は「総合解説」'06&'07年11月号、P.14に載っています。
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2009年1月30日金曜日
シチリアの岩塩
イタリアの天日塩の話のついでに、リクエストをいただいたので、イタリアの岩塩についてもちょっと情報を探してみました。
まずは基本的な話。
塩は主に、海水から作るものと、地下から採掘するものがありますよね。
で、地下から採掘するのが岩塩。
財団法人塩事業センターのhpによると、岩塩とは、
岩塩の採掘方法
イタリアには、シチリア、トスカーナ、カラプリアなどに岩塩の鉱山があります。
ただし、イタリアで消費される塩の95%は海水から作られる塩なんだそうで、岩塩の鉱山自体は減りつつあります。
ちなみに、イタリア語で「岩塩」は、“サルジェンマ salgemma ”と言います。
いわゆる「あら塩」は“サーレ・グロッソ sale grosso ”ですが、これは粒のあらい塩全般のことで、海水塩、岩塩のどちらにも使います。
イタリアを代表する岩塩メーカー、Italkaliは、シチリアのペトラリーア、ラカルムート、レアルモンテの鉱山で岩塩を採掘しています。
hpのトップページには、巨大な岩塩の地層の写真が。
ペトラリーアの鉱山はヨーロッパの中でも含有量の多い鉱山で、海抜約1,100mの高さの山の中に埋まっています。
面積は2km2、地層の厚さは250m。
パレルモ県の西の端にあります。
ラカルムートとレアルモンテは島の南側にあり、ラカムートはアグリジェントの東、レアルモンテはアグリジェントの西にあります。
以前はこの他にも鉱山があったのですが、現在、シチリアの鉱山というと、大体この3か所のことのよう。
Italkaliは昨年からカナダに岩塩の輸出を始めたそうで、シチリア産岩塩の市場はどうやら拡大しつつあるようですねえ。
ところで、日本でシチリアの岩塩として販売されている塩の中に、「ペレッリーノ鉱山の塩」というのがあるのですが、このペレッリーノ鉱山というのがいくら探しても見つかりません。
いったいシチリアのどこにあるのか、ご存じの方がいたらぜひ教えてください!
さて、岩塩と海水塩はどう違うのでしょうか。
社団法人日本塩工業会のhpによると、岩塩と海水塩の違いは、「岩塩の方が硬くて溶けにくく、マグネシウムなどのにがり分を含まない」のだそうです。
そしてビックリなのが、食用の岩塩はミネラルをほとんど含まない、という事実!
岩塩て、ミネラルが豊富なんだとばかり思ってましたよー。
しかも、「海水塩になくて岩塩にはある、というような価値のある栄養素はまだ発見されていない」とは・・・。
シチリアの岩塩、メキシコの天日塩、食塩の成分を比べた表もありますねー。
それを見ると確かに、塩化マグネシウムだの塩化カルシウムだの塩化カリウムだのの含有量は、ゼロ!
なんだかますます分からなくなってきたなあ。
まあつまり、にがり成分がないから、刺激が少なくてまろやかに感じる、ということでしょうか。
塩事業センターの調査によると、塩を買う時、“消費者は「原材料」や「製造方法」よりも、「産地」や「成分(塩分以外)」を重視している”のだそうです。
言われてみれば、確かにその通りかも。
“シチリア産の塩”と聞くと、なんとなく日本の塩とはかなり違う塩のようなイメージがあるし・・・。
でも、塩のことを調べれば調べるほど、産地がどこかより、原材料や製造方法の方が重要という気がしてきます。
これらの表示がなくても、産地のイメージを強調するような抽象的な宣伝文句につい釣られてしまっていた自分に気がついた今日この頃です。
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まずは基本的な話。
塩は主に、海水から作るものと、地下から採掘するものがありますよね。
で、地下から採掘するのが岩塩。
財団法人塩事業センターのhpによると、岩塩とは、
| 大昔、海の一部が大陸の移動や地殻変動で陸地に閉じ込められ海水の湖となったものが干上がって塩分が結晶化し、その上に土砂が堆積してできたと考えられています。 形成時期は5億年から200万年前といわれ、世界にある岩塩の推定埋蔵量は、現在知られているだけでも数千億トンにもなり、岩塩由来の地下かん水も含めると、世界の塩の生産量の約3分の2が岩塩からつくられています。 このように地球上には多くの岩塩が埋蔵されていますが、日本国内には存在しません。 岩塩の採鉱法には「乾式採鉱法」と「溶解採鉱法」の2通りあります。 岩塩は重金属などの異物を含んでいることがあるため、食用にはそのまま供されることは少なく、一旦水に溶かして異物を取り除いてから再び結晶化させる方法がとられています。 |
岩塩の採掘方法
イタリアには、シチリア、トスカーナ、カラプリアなどに岩塩の鉱山があります。
ただし、イタリアで消費される塩の95%は海水から作られる塩なんだそうで、岩塩の鉱山自体は減りつつあります。
ちなみに、イタリア語で「岩塩」は、“サルジェンマ salgemma ”と言います。
いわゆる「あら塩」は“サーレ・グロッソ sale grosso ”ですが、これは粒のあらい塩全般のことで、海水塩、岩塩のどちらにも使います。
イタリアを代表する岩塩メーカー、Italkaliは、シチリアのペトラリーア、ラカルムート、レアルモンテの鉱山で岩塩を採掘しています。
hpのトップページには、巨大な岩塩の地層の写真が。
ペトラリーアの鉱山はヨーロッパの中でも含有量の多い鉱山で、海抜約1,100mの高さの山の中に埋まっています。
面積は2km2、地層の厚さは250m。
パレルモ県の西の端にあります。
ラカルムートとレアルモンテは島の南側にあり、ラカムートはアグリジェントの東、レアルモンテはアグリジェントの西にあります。
以前はこの他にも鉱山があったのですが、現在、シチリアの鉱山というと、大体この3か所のことのよう。
Italkaliは昨年からカナダに岩塩の輸出を始めたそうで、シチリア産岩塩の市場はどうやら拡大しつつあるようですねえ。
ところで、日本でシチリアの岩塩として販売されている塩の中に、「ペレッリーノ鉱山の塩」というのがあるのですが、このペレッリーノ鉱山というのがいくら探しても見つかりません。
いったいシチリアのどこにあるのか、ご存じの方がいたらぜひ教えてください!
さて、岩塩と海水塩はどう違うのでしょうか。
社団法人日本塩工業会のhpによると、岩塩と海水塩の違いは、「岩塩の方が硬くて溶けにくく、マグネシウムなどのにがり分を含まない」のだそうです。
そしてビックリなのが、食用の岩塩はミネラルをほとんど含まない、という事実!
岩塩て、ミネラルが豊富なんだとばかり思ってましたよー。
しかも、「海水塩になくて岩塩にはある、というような価値のある栄養素はまだ発見されていない」とは・・・。
シチリアの岩塩、メキシコの天日塩、食塩の成分を比べた表もありますねー。
それを見ると確かに、塩化マグネシウムだの塩化カルシウムだの塩化カリウムだのの含有量は、ゼロ!
なんだかますます分からなくなってきたなあ。
まあつまり、にがり成分がないから、刺激が少なくてまろやかに感じる、ということでしょうか。
塩事業センターの調査によると、塩を買う時、“消費者は「原材料」や「製造方法」よりも、「産地」や「成分(塩分以外)」を重視している”のだそうです。
言われてみれば、確かにその通りかも。
“シチリア産の塩”と聞くと、なんとなく日本の塩とはかなり違う塩のようなイメージがあるし・・・。
でも、塩のことを調べれば調べるほど、産地がどこかより、原材料や製造方法の方が重要という気がしてきます。
これらの表示がなくても、産地のイメージを強調するような抽象的な宣伝文句につい釣られてしまっていた自分に気がついた今日この頃です。
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2009年1月26日月曜日
サルデーニャの塩
イタリアの天日塩の話、最終回です。
イタリアで現在稼働中の塩田は4地域。
プーリアのマルゲリータ・ディ・サヴォイア、ロマーニャのチェルヴィア、シチリアのトラーパニ地方、そして4つめは、サルデーニャのサンタンティオコの塩田。
サンタンティオコはサルデーニャの南東の端にある島で、イタリアで4番目に大きな島。
隣には、マグロ漁の“マッタンツァ”で有名なサン・ピエトロ島があります。
サンタンティオコ島には美しい砂浜がたくさんあり、ビーチリゾートとしても人気。
でもその割には観光客が少なめで、ちょっとした穴場なんだとか。
海も空ま真っ青のサンタンティオコ島
潟の夕暮れ時
島の伝統的な衣装
塩田は、正確には島にあるのではなく、島の向かい側の、サルデーニャ島のコルティオイスという所にあります。
サンタンティオコの塩田
この塩田は、以前はイタリアたばこ法人が所有していましたが、現在は大部分がSalapia Saleという企業に買収されています。
この企業はプーリアのマルゲリータ・ディ・サヴォイアの塩田も所有していて、本拠地もマルゲリータ・ディ・サヴォイアにあります。
資本の5%はマルゲリータ・ディ・サヴォイア市の出資。
海塩だけでなく、トスカーナのヴォルテッラにある岩塩の鉱山も所有している大企業です。
つまり、実際の経営はプーリア側に握られている訳です。
Salapia Saleが、マルゲリータ・ディ・サヴォイアやサンタンティオコの株式を取得したのは2003年のこと。
その後リストラなども行っていて、効率重視路線が一段と強くなっているようです。
サルデーニャの塩は、主に工業用に使われていますが、家庭用の塩もあります。
プーリアの塩と同様、安定した品質とお手頃な価格、というイメージでしょうか。
家庭用の塩は、各メーカーがこの塩田の塩を仕入れて加工して販売しているので、市場には様々なタイプのサルデーニャの塩があります。
今後サルデーニャの塩がどのような姿になっていくかは、経営者のプーリア側とサルデーニャの塩業界との関係次第ですね。
おまけ
車エビの岩塩焼き。
ブランデーで火をつけて・・・。
うちの生ハムは未精製の海塩しか使いません
イタリアの塩事情は、なかなか複雑なようですねー。
大量に出回っているのは、日本と同じで、天日塩を仕入れて、それを一度溶かしてから再び塩にした再生加工塩。
イタリアの天日塩は、大きく分けると、近代的な設備で大量生産した塩と、伝統的な製法で作られた自然のままの塩の2種類。
伝統的な製法の塩の中でも、すべて手作業ともなると数倍の値段。
安い手作り塩というのはあり得ないんですねえ。
どうやら、単純に産地だけで塩を判断することはできない様子。
そう思って改めてイタリアの塩を日本のサイトで探してみたら、天日塩を加工したものがほとんどなんですね。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年11月号(クレアパッソで販売中)
“世界の塩、イタリアの塩”の解説は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.16に載っています。
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イタリアで現在稼働中の塩田は4地域。
プーリアのマルゲリータ・ディ・サヴォイア、ロマーニャのチェルヴィア、シチリアのトラーパニ地方、そして4つめは、サルデーニャのサンタンティオコの塩田。
サンタンティオコはサルデーニャの南東の端にある島で、イタリアで4番目に大きな島。
隣には、マグロ漁の“マッタンツァ”で有名なサン・ピエトロ島があります。
サンタンティオコ島には美しい砂浜がたくさんあり、ビーチリゾートとしても人気。
でもその割には観光客が少なめで、ちょっとした穴場なんだとか。
海も空ま真っ青のサンタンティオコ島
潟の夕暮れ時
島の伝統的な衣装
塩田は、正確には島にあるのではなく、島の向かい側の、サルデーニャ島のコルティオイスという所にあります。
サンタンティオコの塩田
この塩田は、以前はイタリアたばこ法人が所有していましたが、現在は大部分がSalapia Saleという企業に買収されています。
この企業はプーリアのマルゲリータ・ディ・サヴォイアの塩田も所有していて、本拠地もマルゲリータ・ディ・サヴォイアにあります。
資本の5%はマルゲリータ・ディ・サヴォイア市の出資。
海塩だけでなく、トスカーナのヴォルテッラにある岩塩の鉱山も所有している大企業です。
つまり、実際の経営はプーリア側に握られている訳です。
Salapia Saleが、マルゲリータ・ディ・サヴォイアやサンタンティオコの株式を取得したのは2003年のこと。
その後リストラなども行っていて、効率重視路線が一段と強くなっているようです。
サルデーニャの塩は、主に工業用に使われていますが、家庭用の塩もあります。
プーリアの塩と同様、安定した品質とお手頃な価格、というイメージでしょうか。
家庭用の塩は、各メーカーがこの塩田の塩を仕入れて加工して販売しているので、市場には様々なタイプのサルデーニャの塩があります。
今後サルデーニャの塩がどのような姿になっていくかは、経営者のプーリア側とサルデーニャの塩業界との関係次第ですね。
おまけ
車エビの岩塩焼き。
ブランデーで火をつけて・・・。
うちの生ハムは未精製の海塩しか使いません
イタリアの塩事情は、なかなか複雑なようですねー。
大量に出回っているのは、日本と同じで、天日塩を仕入れて、それを一度溶かしてから再び塩にした再生加工塩。
イタリアの天日塩は、大きく分けると、近代的な設備で大量生産した塩と、伝統的な製法で作られた自然のままの塩の2種類。
伝統的な製法の塩の中でも、すべて手作業ともなると数倍の値段。
安い手作り塩というのはあり得ないんですねえ。
どうやら、単純に産地だけで塩を判断することはできない様子。
そう思って改めてイタリアの塩を日本のサイトで探してみたら、天日塩を加工したものがほとんどなんですね。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2006年11月号(クレアパッソで販売中)
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