2024年10月6日日曜日

世界のエノガストロノミ―の憧れ、パルマ。サルメリーア巡りがお勧め。

さて今日のお題は、サルーミの王様クラテッロの食べ方の予定でしたが、
そもそも、クラテッロ・ディ・ジベッロはパルマの食べ物。
なのでその根底にはパルマの食文化があります。
まずはそこからチェックです。

パルマのPV

5分でパルマ観光

2018年の“イタリア料理の年”に制作されたツーリング・クラブ・イタリアーノのイタリアのエノガストロノミアを紹介する番組。

2015年はパルマはユネスコのガストロノミー都市でした。

パルマは世界のエノガストロノミーのリーダーだったんですね。

パリのイタリア(パルマ)の食材を販売して軽食を出すデリカテッセン。

パルマでパルマの食材を一堂に集めた店はサルメリーア。
永遠に見てられる。

サルメリーアの店員さんは意識すんごく高い系。エノガストロノミ―の意識の低いユーチューバーはついてけない。

パルマの詳細で超分かりやすい解説。
教会の壁画をみてマンガみたいと言ってるのにはすごく共感します。聖書の出来事を3Dにした大聖堂の彫像は可愛いって言ってます。パルマのことはハムとチーズの街だって。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)バックナンバーは、2021年1~12月号です。
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2024年10月5日土曜日

ポー河の沿岸で霧の中から生まれる一番高貴なサルーミ、クラテッロ。

今日のお題はサルーミの王様と呼ばれるクラテッロです。
産地はバッサ・パルメンセ。霧で有名な地方。
寒い季節にポー河の南側のボレージネからコロルノにかけてのこの地方を覆う霧。霧の発生源はすぐ近くを流れるポー河。

ジベッロのクラテッロ。

ジベッロ

この地方生まれの作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディはクラテッロが大好きだったことでも知られている。
なので、この地方のツアーはクラテッロとヴェルディがセットになっている。
下の動画では、ランブルスコを陶器のお椀で飲んでますが、この飲み方が正統派。
個人的にはこの飲み方の動画、超見たかった~。

この地方で秋に催される肉屋の祭りのキャッチフレーズは、“11月には霧が出ますように”。
クラテッロを熟成させるカンティーナの霧で湿った空気は、豚肉にすっきりして甘くてマイルドな独特の風味を与える。
霧の動画探したけど、考えてみれば、霧が出るとあたり一面何も見えなくなるだけなので、動画なかった・・・。でも、霧に包まれる体験は、北イタリアなら比較的頻繁。
 生ハムは塩で水分を抜いて豚肉を保存する。この塩の量が少ないと、保存期間は短くなるが、甘い生ハムになる。塩の量を減らすには、例えばサン・ダニエーレの生ハムのように高度の高い山の上で熟成させる、またはスペックのようにスモークする、などの方法があるが、霧で湿った空気の中で、時間をかけて熟成させる方法は、かなり特殊だ。

クラテッロ用の豚は、ロンバルディアとエミリア・ロマーニャの8つのコムーネで、上質の植物の粉を与えられて育つ。ももの霜降りの尻の部分だけを使う。肉に粗塩、こしょう、にんにく、ワインを刷り込んで休ませ、豚の膀胱に詰めて糸で何周も巻きつけて縛り、水気を切って最低12ヵ月乾かす。30か月以上の場合もある。最初の2か月は風通しの良い環境で、残りは湿度の高い霧の中のような環境で熟成させる。
最終的にはクラテッロは重さが40%減る。

クラテッロの製造過程

クラテッロはルビーレッド色で香りは強く、味は甘くてマイルド。一般的な生ハムより薄くスライスして食べる。次は食べ方の話です。

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2024年10月4日金曜日

パルマの生ハムを造るのは熟成の間に海から吹き付ける乾いたデリケートな風と時間。

トマト、硬質チーズに続くメイド・イン・イタリーの象徴と言える食材は、生ハムprosciuttoです(CIR5月号P.39の記事の解説です)。

パルマの生ハム

パルマの生ハムを生み出すのはパルマの気候。
パルマ
パルマの生ハムの産地はエミリア街道の南側、パルマ県の丘陵地帯の小さな地域。
豚のももに海塩をまぶし、最低10~12ヵ月から長くて3年熟成させる。熟成の間に海から吹き付ける乾いたデリケートな風と時間が生ハムを造る。製造方法や材料には厳格な規定がある。


多くの種類があるイタリア産サルーミ(塩漬け肉)には、DOP(denominazione di origine protetta:保護指定原産地表示)の製品と、IGP(indicazione geografica d'origne:保護指定地域表示)の製品がある。これらはイタリアを代表するものと言うことができる。
 DOPは3つの必要条件を満たした製品で、主要食材(サル―ミの場合は豚肉)の産地、飼育、加工が具体的に決められている地域内で、明確に定められた方法に基づいて行われている。その結果、五感や栄養的特徴が製品に現れている。
 一方、IGPは産地以外の2つの条件を満たしている製品。つまりDOPは子豚の誕生から製品の出荷までがイタリアの中で行われているので、製品の衛生管理が行政の手で最大限把握されている、言い換えれば安全が保障されているということだ。
イタリアにはなぜこんなに様々な生ハムがあるのか。それは労働と戦いが続く古代ローマ時代、栄養価の高い食事が求められ、生ハムはこの要求にこたえることができて、第二次大戦まで常に不足していた貴重な動物性たんぱく源だった。

DOPの生ハムは、ヴェネト、モデナ、カルペーニャなど。
パルマの生ハムDOP

サン・ダニエーレDOPの生ハム

トスカーノDOPの生ハム

サル―ミの王様ことクラテッロ・ディ・ジベッロDOP

クラテッロの話は次回。

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2024年10月3日木曜日

グラナと呼ばれるおろして使うチーズ。

今日の話題は、おろして使うチーズ。典型的なイタリアのチーズ。
料理にコクと複雑な味わいを与え、パスタやリゾットを白く覆うだけでなく、オーブンで焼けば香ばしい色もつく。

パスタのオーブン焼き

シンプルな料理ほど使うチーズによって味が変化するので、チーズのタイプや熟成具合などを料理に合わせて適切に選ぶことが大切。
アマトリチャーナには、長期熟成のペコリーノ・ロマーノが適している。細かくおろしてたっぷりかければグアンチャーレの強い風味にも釣り合う。

リガトーニ・アッラ・アマトリチャーナ

上の動画のアマトリチャーナに使われているのはペコリーノ・ディ・ピエンツァ。

チロル風カネデルリなら、18~20ヵ月熟成のグラナ・デル・トレンティーノが合う。

カネデルリ

グラナ・トレンティーノ


チーメ・ディ・ラパのオレッキエッテには、羊のリコッタ・サラータが合う。

プーリアのオレッキエッテ

リコッタ・サラータ

羊乳のホエイを80~85℃に加熱して凝固させ、水気を切ってプレス、塩を加えて熟成させる。クセのないはっきりした味、羊のミルクやフレッシュリコッタの香り、バター風味、心地よい塩気と酸味。

プーリアのカチョ・リコッタ

リコッタ・サラータは他の硬質チーズに比べてカロリーが低いという利点もある。

そして最も有名なおろして使うチーズがグラナ・パダーノとパルミジャーノ・レッジャーノ。
シンプルな料理ほどチーズの質が重要になる。良質の素材なら卵入り麺のロングパスタにグラナ・パダーノかパルミジャーノを散らしてマイルドなオリーブオイルをかけるだけで完璧な1品。デリケートな手打ち麺の味も堪能することができる。

どのタイプのチーズにも共通しているのは、あらかじめおろしておかない、ということ。乾燥したり、余計な香りを吸い込まないようにするため。

さらに、このタイプのチーズは“パスタ・コッタ”と呼ばれる製法のチーズ。カードを48~55℃で加熱してホエイを出す製法。ペコリーノ・ロマーノもパルミジャーノも、グラナ・パダーのもこの製法。水分の排出量を多くするためにカードを細かくカッティングするのも共通。水分が少ないと、長期間熟成させることが可能になる。


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2024年10月2日水曜日

ワインビネガー、初めて知ったのは赤ワインビネガー。きれいだったけど、強すぎて1、2滴が限界でした。サラダで酔っぱらうってあり?

(CIR5月号)の記事から、“P.39~のイタリアの自慢の食材”の解説をしています。
トマト、パルミジャーノ、グラナ・パダーノと続きましたが、次は何だと思いますか。
それは、
ワインビネガーaceto di vinoです。

もうかなり昔、語学学校に通うために初めてイタリアに行った時、下宿先でテーブルに必ず塩、こしょう、オリーブオイル、ビネガーのスタンドがあって、サラダに自分でかけて調味する、という経験をしました。当時10代の私は、それまでは、自分でかける調味料は、せいぜい塩、こしょう、しょうゆ程度で、ワインビネガーなんて、見たことも使ったこともなかったのでした。しかも、やたら強くて酔っぱらいそうでした。当時の私は、サラダ食べる時は酔っぱらわないように気を付けていました。
 下宿先では赤ワインビネガーが常備されていました。とてもおしゃれで大人の味でした。相部屋のスイス人のマネをして、この時以来、サラダには、ワインビネガー、オリーブオイル、塩、こしょうを自分でかけるようになりました。ヴィネグレットという言葉を知ったのはずっと後。

ヴィネグレットとシトロネット

オリーブオイルとワインビネガーが必ずあるイタリアの調味料スタンド。

ぶどうからお酢へ。

いまだにその作り方を理解してないけど、ワインビネガーはイタリアが誇る製品だったのでした。

イタリアのワインビネガーの最新作はベルモット風味。

ベルモットもワインから造るイタリアの名産品。

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2024年10月1日火曜日

パルミジャーノvsグラナ・パダーノ。イタリアの約500種類あるチーズの両トップ。

(CIR2022年5月号P.39)の“イタリアの自慢の食材”の記事から、
今日はパルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノです。
若い時は甘く、熟成が進むと塩気が強くなるチーズ。
放牧地の牧草によって違う味になるイタリアのチーズの王様が、パルミジャーノ・レッジャーノです。

パルミジャーノ・レッジャーノの製造過程

今さら説明する必要もないほど有名なチーズですが、その製造方法は10世紀前に考え出されたものと変わりません。いい機会なので、ちょっとおさらい。ベースの材料は、生乳、塩、凝乳酵素。

パルミジャーノの歴史。

このチーズは余った牛乳を有効利用するために、長期間保存できて移動にも耐えるチーズとして作られました。考え出したのは修道士たちですが、ベネディクト会とシトー派で、その発明者の地位を争っています。カトリックとプロテスタントだけじゃないんですね。ベネディクト会もシトー派も、イタリアの食材の発明者としてよく名前を聞きます。

キアラヴァッレの修道院は、グラナ・パダーノ誕生の地として知られています。一説ではこの修道院はベネディクト会の修道士によって1135年頃誕生しました。貧しい農民のためにミルクを1滴たりとも捨ててはいけない、というベネディクト会の教えから、グラナ・パダーノが生まれた、と伝わっています。

グラナ・パダーノはこの記事の3番目に登場するイタリア自慢の食材。世界で最も消費量が多いチーズです。

グラナ・パダーノ。


長期間の熟成に耐えて長期間食べることができるチーズ、硬質チーズ。
生地が粒状granulosaなところから、グラナという名前が生まれました。ラテン語に精通していない人はformai de granaと呼びました。そしてポー河流域の平野一体に広まり、ローディ、ピアチェンツァ、パルマ、マントバなど、様々な街に普及していきます。



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