『ア・ターヴォラ』今月配本号の解説です。
ヴィテッロ・トンナートと言えば、ピエモンテの夏の名物料理。
ただし下の写真は、フィレンツェの有名店、チブレオのヴィテッロ・トンナート。
チブレオのヴィテッロ・トンナート, photo by David Vogel
『ア・ターヴォラ』の記事にもありますが、イタリアでは、ヴィテッロ・トンナートはローストビーフと並ぶポピュラーな冷製総菜。
“ヴィテル・トンネ vitel tonnė ”、とフランス語風に呼ばれることもありますが、記事では、これがフランス語ではない、ということもちゃちゃっと論破していますよー。
詳しくは、「総合解説」'06&'07年8月号をご覧くださ~い。
ヴィテッロ・トンナートに最適の肉の部位は、子牛のもものしきんぼう。
イタリア語では、マガテッロ magatello やジレッロ girello と言います。
こんな肉
↓
savoldicarnidoc.com
赤身で、きれいに整った筒形をしているのが特徴。
均一の形にスライスできるので、カルパッチョやサルティンボッカにも使えます。
子牛のマガテッロは成牛のものより小さくて、まさにヴィテッロ・トンナートには最適。
最近では、豚のロース肉を使った“マイアーレ・トンナート maiale tonnato ”というのも登場しているようですね。
ヴィテッロ・トンナートもイタリア料理の例にもれず、無数のバリエーションがある料理。
記事では、その一例として、イタリア料理のバイブル、『Grande Enciclopedia Illustrata della Gastronomia』(イタリア料理人必携。クレアパッソに近日入荷予定)から、温製のヴィテッロ・トンナートのリチェッタを紹介しています。
そこでここでは、同じく『Grande Enciclopedia・・・』から、冷製のヴィテッロ・トンナートのリチェッタをどうぞ。
肉をゆでるのではなく、オーブンで焼くリチェッタです。
ヴィテッロ・トンナート Vitello tonnato
・鍋にマイルドなEVオリーブオイル大さじ3を熱し、子牛のもも肉(しんたま)1ブロックを入れてさっと焼く。 ・白ワイン(アルネイズかコルテーゼ・ディ・ガヴィ)1カップをかけて塩、こしょうをし、ローリエ1枚、皮つきにんにく1片、香味野菜のみじん切り(玉ねぎ1/4個、にんじん小1本、セロリ1本)を加える。 ・蓋をして、150度のオーブンで1時間焼く。 ・肉を取り出し、焼き汁を裏漉しする。 ・マヨネーズを作る(卵黄2個)。 ・オイル漬けツナ200g、アンチョビー2尾(塩抜きする)、酢漬けのケッパー一握りを乳鉢ですり潰し、マヨネーズに加える。さらに肉の焼き汁も加え、木べらで潰しながらよく混ぜる。 ・肉を薄くスライスし、サルサで覆って冷蔵庫で1時間休ませる。 ・仕上げにケッパーを散らす。 |
豚肉のマイアーレ・トンナートのリチェッタもどうぞ。
これ、ネット上では、まったく同じリチェッタがあちこちでコピーされまくっているようです。
どれもまったく同じなので、訳すサイトは適当に選びました。
原文→www.cucinare.meglio.it
マイアーレ・トンナート Lombo di maiale tonnato
材料/4人分 豚ロース・・800g にんじん・・2本 セロリ・・1本 玉ねぎ・・1個 白ワイン・・1カップ オリーブオイル・・大さじ1 塩 粒こしょう・・大さじ1 サルサ; ゆで卵の黄身・・3個 フレンチマスタード・・小さじ3 白ワインビネガー・・小さじ3 アンチョビー・・4枚 ツナ・・200g ケッパー・・大さじ2 オリーブオイル・・1カップ 塩、レモン ・肉を糸で縛り、隙間のできない大きさの鍋に入れる。ワインをかけて水で覆い、スティック状に切ったにんじん、短く切ったセロリ、丸ごとの玉ねぎ、塩少々、粒こしょう大さじ1、油大さじ1を加えて火にかける。 ・沸騰したら弱火にし、蓋をして1時間ゆでる。 ・ゆで汁に漬けたまま冷まし、取り出す。重石をのせて冷蔵庫で休ませる。 ・ゆで卵の黄身、マスタード、塩3つまみ、ビネガー小さじ1を混ぜて均質のクリームにし、油を少しずつ加えてマヨネーズ状にする。刻んだケッパー(塩を洗い落とす)、刻んだアンチョビー、ほぐしたツナ、ゆで汁の野菜(ミキサーにかける)を加えてよく混ぜる。 ・肉を薄くスライスし、やや重ねながら皿に盛り付ける。サルサで完全に覆い、レモンの輪切りで飾る。 |
マイアーレ・トンナートもおいしそう。
この料理はサルサで完全に覆ってしまうので、見た目は子牛も豚も、まったく一緒。
でも、料理名に「子牛」という言葉が入っているヴィテッロ・トンナートの場合、豚肉を使って“ヴィテッロ”と名乗ると、偽装表示まがいになっちゃいますもんね。
マイアーレ・トンナート、そのうちもっとメジャーになる日が来るかも・・・。
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関連誌;『ア・ターヴォラ』2006年8月号(クレアパッソで販売中)
“ヴィテッロ・トンナート”の記事の訳は、「総合解説」'06&'07年8月号、P.9に載っています。
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